アグラヒトが隠れ住む場所が明らかになる。それは、かつて繁栄を極めた古刹の跡地だった。山本と七海はその場所へ潜入を試みるが、アグラヒトが仕掛けた数々の罠が待ち受ける。そして、アグラヒトの真の目的を示唆する奇妙な手がかりが発見される。
夜。濃い霧が立ち込める中、山本と七海は山を登っていた。目的地は「***寺跡地」。地元では不気味な噂が絶えない場所だ。
山本:「ここがアグラヒトの隠れ家ってわけか…。思ってたより地味だな。」
七海:「油断するな。この辺りには結界術が施されている可能性が高い。」
二人が足を踏み入れると、空気が急に重たくなり、耳鳴りが始まる。
山本:「うっ…これ、呪力か?なんだこの気持ち悪い感覚。」
七海:「結界の影響だ。この感覚に耐えられない者は中に入ることすらできない仕組みだ。」
山本:「つまり、俺たちは合格ってことか。」
七海:「そういうことだ。」
寺跡地に進む二人の前に、朽ちた石像や崩れた本堂が現れる。どこからともなく不気味な音が聞こえる。
山本:「なんだ、この音…?」
七海:「警戒しろ。これはアグラヒトが仕掛けた呪詛だ。」
突然、地面から無数の鎖が飛び出し、二人を絡め取ろうとする。
山本:「うわっ!なんだこれ!」
七海:「動くな!呪具による罠だ。」
七海は冷静に自らの呪力を鎖に流し込み、罠を解除する。
山本:「さすが七海さん。俺もあんな風にカッコよく決められるようになりたいな…。」
七海:「軽口を叩く余裕があるなら、足元に気をつけろ。」
二人がさらに奥へ進むと、倒れた柱の間に古びた巻物が置かれているのを発見する。
山本:「なんだこれ?古い巻物?」
七海:「読んでみろ。何か手がかりがあるかもしれない。」
山本が巻物を広げると、そこには奇妙な呪文が書かれていた。
山本:「『星の光は刃となり、影を裂く』…何だこれ?」
七海:「これは結界を解除するための合言葉かもしれない。だが、これだけでは情報が足りない。」
二人はついに本堂の奥にたどり着く。そこには、古めかしい家具や呪具が無造作に置かれている小さな部屋があった。その中央には、一冊の分厚い書物が置かれている。
山本:「これ、アグラヒトの日記とか?」
七海:「読むのは後だ。ここには他にも何か隠されているはずだ。」
山本が部屋を見回すと、壁にかかっている古びた絵画に気づく。
山本:「これ、何の絵だろう?…あれ、なんか絵の目が光ってない?」
すると突然、絵から黒い手が飛び出してきて山本を掴む。
山本:「うわっ!?助けて七海さん!!」
七海:「落ち着け、これはただの防衛用呪具だ。」
七海は呪力で絵を破壊し、山本を救出する。
山本:「心臓止まるかと思った…。あいつ、家にこんなトラップ仕掛けてるなんて。」
七海:「アグラヒトがここを単なる隠れ家として使っているわけがない。何か重大な秘密があるはずだ。」
部屋の隅に隠されていた別の書物を見つけた七海。それには「絡繰門」と「宿儺」という名前が記されていた。
七海:「やはり、奴の計画には絡繰門と宿儺が関わっている。」
山本:「つまり、こいつは五条さんを封印しただけじゃなく、もっとヤバいことをしようとしてる?」
七海:「その通りだ。だが、まだ全貌が掴めていない。」
部屋の外から、不気味な声が響く。
「ここで何をしてんの」
二人が振り向くと、そこにはアグラヒトが立っていた。
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