前回、義理の兄達(チョーゼツ冷たい野郎共)を部屋の案内しようというところで終わった…みんな覚えてる?だいじょぶそ?
本編いくぜぇー?
色んな部屋を案内した後は私の部屋に来たのだが…
希)おぉ〜ひれぇー
雅夢)君いつもこんな部屋で一人ぼっちだったの?
↑こいつは遠回しに私の事をぼっちと言いたいのか?
友人一人もいない陰キャと言いたいのか?おん?
「そうだよ…おかげですっからかんだよ」
義理の兄がドサドサと荷物を置いてく
(こいつら私に荷物どこに置けばいいかとか聞かないのかよ…)
黎斗)お前の父親と俺達の母親なんで結婚したんだ?
ふと義理の長男に言われた
「私の本当のお母さんは10年近く前に事故死したよ」
一瞬で重苦しい雰囲気になった
「文句ある?」
つい目付きが鋭くなり義理の兄達を睨み付けた
孝行)そんな目で俺たちを見るなよ
「すみませんね」
一気に私は義理の兄達の事が嫌いになった
「あんたらはなんで来たんだよ、母親の元の旦那さんが妹の事を溺愛してたからか?兄だからって何もかも我慢させられてきたから?殴られて来たから?」
つい怒ってしまい彼等の気にしている事を全て吐き捨てる様に伝えてしまった
全員は私の目を見つめなかった、目を逸らしたんだ
「兄だからって元父親のサンドバッグになるのか?ストレス発散の道具に成り下がるのか?ンなぁ?」
全員の顔がみるみる暗くなって…苦虫を噛み潰したような苦い顔をした
「悪いけど…アンタらの父親みたいな奴じゃねぇから
私の父親は」
完全にキレて言葉を選ばず義理の兄に当たってしまった
豚平)す、すまん…
謝られた…なぜ?分からない…目に涙が溜まってる…なんで
「なんで謝んの?おかしいでしょ、私が今ブチ切れてんの
わかってて謝ってる?なぁ」
部屋に静寂が戻った
聞こえるのは…数名の鼻をすする音のみ
「ハァ…キレた私も悪いけど…アンタらの元の父親みたいな奴じゃねぇし、私もあんたらを敵に回すようなことは言わねぇ」
全員は頭を下げしょげているのが丸わかりだ
「お前達がどんな生活をして来たのは心底察するよ
だから、ここにいる間はあんたらを一方的に敵に回すことはない、それだけは補助する」
琴)う…、ん…
「分かったらとっとと部屋片付けろ、明日からお前達が私に冷たく接しようがなんだろうが私には関係ないからな
だが、お父さんと早苗さんはあんたらの方を心配するよ、ずっと…」
そう言って部屋の外に出た
部屋の外に出ると
早苗)伊緒梨ちゃん…
渚翔)…伊緒梨…
「んなっ」
2人が扉の前にいた
早苗)…伊緒梨ちゃん…本当に…ありがとうね
お母さんが泣きながら伝えてくれた
「ありがとうって…」
渚翔)いや、俺からも言わせてくれ…ありがとうな、伊緒梨
結構ズバズバ言ったのだが…まぁ、喜んでくれてるのなら…
と思った
早苗)グスッ…ほんと、に…ありがっ…と…グスッ
「結構ズバズバ言っちゃったよ?怒らないの?」
渚翔)俺達なりにもアイツらのことは気にしてたんだ、お前がズバズバ言ってくれるおかげで少しは楽に住んでくれると思うし
お父さんがフォローをしてくれた
「ほ、本当に?色々傷つけたと思うけど…」
渚翔)お前…母さんの話を出された瞬間にキレたよな?
「ま、まぁ…」
渚翔)お互い片親が居なくて寂しいのが互いにぶつかり合ったんだろ
あぁ…そういう事か…
「そ、か…」
ちょっと悲しそうな笑顔を見せてしまった
早苗)ほんとうに…グスッあ、ありがと…ねグスッ
「あ、私の事はいいから!義兄さん達のことお願いね!多分傷ついて結構凹んでると思うから」
渚翔)おう、分かった
私はスタスタと1階に向かった
これは…約10年前…私がまだ小さくて本当の…と言ってはおかしいが本当のお母さん…椿姫(つばき)とお父さん、渚翔…
そして私、伊緒梨の3人家族だった時
とある日の午後、私とお母さん椿姫が公園で遊んでいた時
椿姫)いおりちゃーん、こっちで遊びましょうね〜
「だぁう!」
お母さんと私がボールで遊んでいた時の話だ
椿姫)はーい、ボールさん行きますね〜
コロコロとボールを転がしてくれるお母さん
私がそれを取ろうと駆け寄ったが追い付かず、ボールが公園の外に出てしまった時
椿姫)伊緒梨!危ないから!
私はその声を聞かず公園の外に出て道路に出てしまった
プップーと、トラックのクラクションの音が聞こえた時
椿姫が走って私をトラックから突き飛ばした
私は頭を打っただけだが…母椿姫は…トラックにぐちゃぐちゃにされた
「ふぇーん!ふぇん!まんまぁ!まんまぁぁぁ!」
小さな私は母親が死んだことを知らず…手が血に染まっても母親の体を揺すった
記憶はそこで途切れ…次に目覚めたのは病院だった
そして…病院で目を覚まし…小6まで私は母親の存在を忘れていた
思い出したのは…母親と一緒によく遊んでいた公園を通った時だ
「あ、え…?な、んで…わた、わたし…わすれ、て…あ、あぁ…
あ”ぁ”ぁ”ぁぁぁぁあああ”!」
人の目なんて気にせず泣き崩れ…吐き、泣き吐いていた為いつの間にか気絶をしていたみたいだ
そして、病院に運ばれ…3日間眠っていた…
3日後
「ん”…あ”、れ”…」
吐いて泣いて…そのおかげで喉はガラガラになってしまった
渚翔)伊緒梨!
「お”…ど、う”…」
お父さんは泣いて私を抱き締めた
渚翔)済まない…俺のせいでここまで苦しめてしまって
お父さんは泣いて泣いて謝り続けた
この時のお父さんは…今でも覚えている…とても苦しそうに泣いていた…いや、苦しんで泣いていた
これが…私とお父さんの過去…そして、新しいお母さんを探す事になったキッカケだ
今思うと…とても苦しい思い出だ…このことは極力義理の兄達に伝えるつもりは無いのだが…まぁ、多分言わないとは思う
こんな辛い話をさせて同情させて仲良くなろうなんて思わない
私は面と向かってちゃんと話し合うなりなんなりして仲良くなりたいつもりだからね
おっと…話しすぎちゃった…
今回はここまでね!次は義兄さん達の過去のお話でもしようかな
また次回ね〜
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