卍「本当に良かった……、お前に怪我が無くて。」
そうやって俺を抱きしめる。
俺は一体、何がしたかったのだろう。
先輩を裏切り、ましてや先輩を殺そうともした。
俺は何を求めていた?
そうだな。
認めて欲しかったのか。
身を削り、頑張ってきた自分を。
この60年、奴が来てから、どんな時でも、欧米の奴らに追いつこうと追いつこうと、
必死になって、ある大国にも勝ったあの出来事を誰かに見てもらいたくて、
どんな事を犯してでも、”亜細亜の列強”という肩書きが欲しかった。
だがしかし、度がすぎたようだ。
他の国を犠牲にしてまで、立ち上げたこの国家の地には数え切れないほどの血と涙で成り立っている。
求めていたものとはかけ離れている事を分かっていながら、
ただ自分だけが正しいと信じてきた結果がこれか。
ああ、なんて情けないのだろう。
“認めてほしい”。ただそれだけの承認欲求をここまで巻き込むことになるとは。
強いだけでは、手に入らないこともあるのだ。
どれだけ清く、儚く死のうとも、古く、長く生きて死のうとも、結局、死ぬことには違いない。
政治を通じ、国へ流れ出るプロパガンダも、ただの音にしかすぎないこと。
死ぬ事を称賛し、また生きる事を恥として見るこの考えも、全ておかしい。
戦争は、脳を狂わせる。
分かっている。本当は。
血で固めた領土も、いずれ、海によって溶かされる事ぐらい。
☀︎「………もう終わりにしよう。」
卍「…..?」
☀︎「戦争なんてしても、良い事なんて有りませんしね。」
卍「……そうかも知れないな。」
☀︎「辞めましょう?いっそ。」
卍「これ以上、被害は出せない。」
戦争が終わった。
とても長かった。
🇯🇵「……終わった…….」
もう十分、認めてもらった。
私には、もう何もいりません。
ただ、平和を。
もう誰も悲しまないように。
誰も血の流すことの無い、色々な人々が行き交う世界を、
ただそれだけ。
どの時代だって、何処かの国は必ず、過ちを犯す。
これが世界、いや、歴史の条理なのかも知れませんね。
現在、世界では色々な問題がある。
紛争、戦争、領土問題、など解決していないことばかり。
貴方は、これらをどのように感じ、どのように受け取りますか?
これからの日本を作っていくのは、私たちです。
また同じ事を繰り返さないよう、改めてもう一度、自分の国を見つめ直してみましょう。
私たちにできること、共に考えていきましょう。
終
コメント
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超最高でした...素敵なお話ありがとうございます