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ちゃ
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み!のnmmn作品です!
🩵さん含め全体的に病み要素あります!
苦手な方は自衛よろしくお願いします🙇🏻♀️՞
太智side
―――
ホテル__
自分の部屋に入って荷物を置いた時に窓に違和感を感じた。
窓の取っ手ってこれだっけ…?
窓の種類はホテルでよく使われるオペレーター付き滑り出し窓
通常は取っ手が横になってるべきなのに、何故かこの窓は下に向いている。
もしかして、、そう思い窓を押してみると、冷たい風が吹き込んできた。
ここは25階、このホテルの最上階。
落ちたら、なんて考えてしまう
またすぐ部屋を出るからとカードキーは差し込んでいない薄暗い部屋
冷たい風と、オレンジの夕日が部屋に差し込んでなんだか綺麗だった。
1歩、また1歩。
窓に近づく、格子に手が触れる、そしてかかとが浮いた
まん丸な夕日、かすかに光始めた一番星。どれもが自分を誘い込んでいるみたいで、あそこに行けば全部無くなるんだな、って直感的に察する。
(死んでもいいや)
そんなことを思ってしまった自分にびっくりした
疲れてるんだ、そんなの本心じゃない。
そう思いたいはずなのに何故かその言葉が自分の中にストン、とハマった気がした
自分でも初めて気づいた感情
もうごまかせないほどに、目に映る景色が美しく見える
ピコン、という音で現実に戻ってくる
画面に映し出されたのは5人のグループチャット
勇斗:みんな荷物置き終わったら俺の部屋集合なー
いつもと変わらないメンバー。
不意に心臓の音がうるさくなる。手が震えて、思わずスマホを床に落としてしまった。
あんなことを思った自分が急激に怖くなってしまった。
―――
勇斗の部屋に着いた時にはメンバーのほとんどが集まっていて、いないのは勇斗だけ。
「ごめん遅くなった、勇斗は?」
「おつかれーはやちゃん今お風呂入ってるよ」
「そっか、じゃあ俺ここ座っとこ」
「お待たせ〜あ、太智来てんじゃん」
「うん、遅くなってごめん」
「全然大丈夫、じゃあ会議するか!」
そこからはいつも通りの会議だった。仁人と勇斗の意見が違ってたらぶつかり合いもしたけど、大きな喧嘩にはならないまま会議は終わった。
「みんなおつかれー!始まる前にコンビニでジュース買ってきてたからみんなで飲もー!」
「おー!なにこれすげぇ初めて見た」
「なんかな、ぶどうをめっちゃ時間かけて濃縮したやつらしい」
「うまそ」
「しゅんさ、こういうの好きだよね笑」
「うん、俺こういうのめっちゃ気になってまうねんな」
「でも太智も意外と買うくない?」
「あー、そやな」
みんなしゅんちゃんが買ってきたジュースに夢中になりながら何気ない話をする。
ジュースを飲み終わったタイミング。ゴミを片付けたり、満腹で会話がなくなる
別に、珍しいことじゃない。数秒間会話が止まることなんて何回もあった。
でも、話さない状況で、頭が鮮明に働くようになって
ふ、と
(勇斗の部屋の窓も開くのかな)
と考える。
誰かが欠伸をして、また話し始めそうな雰囲気がでてくる
誰かにこされないように、不意に口をついてでた
「勇斗の部屋の窓って開く?」
「え、開かないでしょ?開くの?」
「いや、ちょっと開けてみて」
「え、開くわ」
「やっぱり」
「え、珍しいない?このホテル結構高いよな?あぶな〜」
「換気するためとか?」
「いや空気清浄機でよくね?」
「確かに…」
「で、太智は?窓がどした?」
「いや、笑大したことじゃないんだけどさ」
「俺も部屋入って窓開くのに気づいて、それでさ開けて外見たんよ」
「うん」
「んー、笑なんかほんとに変な話なんやけど…なんか、死んでもいいなーって思って」
空気が張り詰めるのが分かる。呼吸音すらしない空間
「どうした急に笑」
冗談混じりに仁人が言う
「いや〜変よな?笑」
「まぁ俺は思わないかな」
実際に窓の外を見た勇斗。
「でもさ、なんか怖くなくて。夕日とか一番星とか?なんか〜全部が綺麗に見えて、俺もそこに行きたいって思ったんだよね」
「まぁ夕日が綺麗なのは分かる」
柔太朗
「でも、怖いじゃん」
舜太
「そうよなー、なんか疲れてんのかな?笑」
「じゃあ、実際に見て確かめようよ」
「え、?」
「太智の部屋からの景色を俺達も見る、疲れてんのは俺達も同じ。それなら、俺達も死んでもいいって思えるはず」
「はやちゃん…」
「いやそんなん変やで、?ほら、舜太も怖がってるやん笑」
「それ言ったら太智も変になるじゃん。別に変でも、俺は太智の気持ち分かりたいよ」
「そんなん、」
言葉が出てこない、分かんない、俺がおかしいって突きつけられるみたいで、4人は普通に怖いって思うんだろうな
「うん。俺も勇斗に賛成、太智が死んでもいいって思えるくらいの景色俺たちにも見せてよ」
「じゃあ、俺も」
―――
流れに流れて、自分の部屋のカードキーをそっとかざす。
さっきと同じように電気は付けなかった。
冬だからか、もう暗くなっていてどこに何があるのか分からない
それでも、あの四角い窓だけは明るく光っている
「さっきはもっと明るかったんだけど、」
「もう冬だな」
「なんか歳とってから時間進むの早いわ笑」
「いや、俺と勇斗1歳しか変わんないから笑」
「じゃあ俺と仁人はもうおじいちゃんだな」
「やだわそんなの笑」
2人は笑いながら話しているけどその表情までは見えなかった。
柔太朗と舜太は部屋に入ってから一言も話さなくなった。
1人ずつ、窓の格子に手をかける
最初は勇斗が。
深呼吸が聞こえたあと、冷たい風が流れ込んできた
勇斗の踵が浮いた。
手が震えて、心が落ち着かない。
「はやと、!」
気づいたら俺は勇斗の服を引っ張っていた
「太智?どうした?」
「ごめん、違う、だめだおれっ…」
「なんか、勇斗が死のうとしてるみたいで怖くて…」
「なんだそれ笑でも、確かに。この景色に包まれながら死ねるならいいかな、って思ったけどな」
涙が止まらなくて、喉が引き攣って上手く話せない。
うずくまって、勇斗に支えられたままの俺の横を、仁人が通り過ぎる
「うん。これは死んでもいい、って思うかも…笑」
「じんちゃんっ…」
泣きそうな舜太の声
「ごめん笑でも、この景色見たらそう思うわ」
次は柔太朗が。
「じゅうっ、!やだ…」
「大丈夫、手繋ぐ?」
手を繋いだ2人が窓に近づいていく
柔太朗の詰まった息遣いが聞こえる。舜太は座り込んで動け無くなってしまった
「多分さ、だいちゃんもみんなも、疲れすぎてたんだよ人生に。」
優しい柔太朗の声が頭に入ってくる
「どんだけ疲れててもやるのが当たり前で、ろくな生活出来なくて。M!LKは辞めたくないけど、死んで全部忘れられるならこの苦しみから逃げだしたかったんじゃない?」
死んで、全部忘れられるなら。
死んだら、なんの責任も負わなくていい。
周りの人がどれだけ悲しんだって、家族がどれだけ泣いたって
死んだ後の俺達にはもう関係ない。
死んだら全部忘れる。
良くも、悪くも。もう戻れない
自分の中に閉じ込めてた感情があの景色を引き金に顔をだしたんだ。
この感情に気づいた俺たちはこれまだ通り生きることができるのか。
きっと、みんなが同じことを冷たい夜風に吹かれながら考えていた。