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((ギィ……
練習室のドアを開けると、空気が少しだけピリついていた。
かのん。は一瞬だけ足を止めたけど、すぐに背筋を伸ばして一歩、踏み出す。
🐺「お、もしかして今日から入った子?」
((声の主は、バンチャン。
明るく笑って、立ち上がってこっちに来る。
🐺「かのん…ちゃん、だよね? 僕バンチャン、Stray Kidsのリーダー。よろしく!」
かのん。「よろしくお願いします…!」((深くお辞儀。
🐣「わ〜日本から来た子? はじめまして!僕フィリックスだよ」
🐣「うわ〜発音きれい〜!」((にこにこしながら近づいてくる。
かのん。((ちょっと緊張しながらも)「よろしくお願いします……」
((そのとき、壁際の鏡の前でストレッチしていたヒョンジンが、ふっと目を上げた。
🥟「…ふーん。やけに背筋まっすぐな新人さんだね」
かのん。((ドキッとする。けど、負けたくなくて)
「…練習生ですから、当然です」
((ヒョンジンが少しだけ、意外そうに目を細める。
🥟「その口調、面白いじゃん」
((くすっと笑って、かのん。の隣に立つ。
🥟「ダンス、見せてもらおうかな。…今のうちに、どんな子か知っときたいし」
((心臓が跳ねる。でも――ここで逃げるわけにはいかない。
かのん。「…いいですよ。見ててください」
((――そうして、彼女のJYPでの物語が始まった)
((初日のレッスンが終わり、かのん。は息を切らして床に座り込んでいた。
すると、練習室のドアが再び開いて──
🐰「……おい、新人」
かのん。「……えっ? あ、はい」
((振り返ると、リノが無表情でペットボトルを投げてよこした。
🐰「水、飲めば。倒れられると空気悪くなる」
((ツンだけど、ちょっと優しい…?)
🐿️「リノヒョン、それ言い方きっつ〜」
((にょきっと顔を出すハン)
🐿️「初日から“空気悪くなる”とか言われたら、かのんちゃん泣いちゃうよ〜」
🐰「泣かねーだろ。こんだけ根性ある顔してんのに」
((まるで漫才みたいに続く2人のやり取りに、思わずかのん。が小さく笑うと──
🐶「お、やっと笑ったじゃん」
((座っていたスンミンがにこっと笑う)
🐶「初日、あのヒョンジンの目線に耐えたのすごいよ」
🐥「ねー! ぼくでもヒヤッとしたもん」
((アイエンがかのん。の前にぺたんと座る)
🐥「でも、すごくダンスうまかった!日本で何年やってたの?」
かのん。「……7年、です」
🐷「うお、まじ? ガチ勢だ」
((後ろからチャンビンが腕組みして現れる)
🐷「体力つけたいなら、明日から筋トレ一緒にやる?」
🐺「ちょ、ビニ、初日から飛ばしすぎ(笑)」
((バンチャンが笑いながら止めに入る)
🐺「かのんちゃん、しばらくは“Stray Kids教育係”ってことで、全員で面倒見るからね」
🐺「覚悟しておいて〜? 俺ら、ちょっと騒がしいよ?」
((一斉ににやっと笑う8人。かのん。は戸惑いながらも──
かのん。((少しだけ笑って))
「…よろしくお願いします」
((JYP練習室の、にぎやかな日々が始まった──)
((夜。かのん。はスーツケースをゴロゴロ引きながら、JYPの練習生寮の前に立っていた。
かのん。((うわ…本当に共同生活なんだ。大丈夫かな…))
((ピンポーン♪))
((ガチャッ)
🐿️「おっ、来た来た〜!かのん。ちゃん、こっちこっち!」
((寮のドアを開けたのはハン。なぜか頭に猫耳カチューシャをつけていた)
かのん。「あの…それ、なんですか?」
🐿️「え?これ?“初日歓迎猫耳”。儀式」
かのん。「儀式…?」
((呆れる間もなく、わらわらと全員集合)
🐺「Welcome〜!ようこそ地獄へ★」
🐰「いや、俺は天国にしてやるけど?」
🥟「なにそれ、寒…」
🐷「風呂空いてるぞ〜!一番風呂は新入りの権利ってことで!」
🐣「シャンプー3種類あるけど好きなの選んでね〜!」
🐥「あ、あと夜はトイレが混むから早めに行っといたほうがいいかも!」
🐶「ていうかアイエン、お前さっき電気ヒューズ飛ばしただろ」
🐥「ちがうよ!?あれは炊飯器と電子レンジ同時に使ったからでっ…」
((わちゃわちゃと騒がしい中、かのん。はなんとか自分の部屋に荷物を運ぶ)
((…と思ったら)
ガチャ
🐿️「……ん?あれ?」
かのん。「…は?」
((なんとハンが同じ部屋にスーツケースを持って入ってきた)
🐿️「え、ここ…俺の部屋だけど?」
かのん。「……私もです」
((2人、しばし沈黙)
((直後)
全員「えええええええ!?!?!?」
((まさかの部屋割りミスで、ハンと相部屋決定!?)
🐺「あ〜〜これはちょっとやばいね(笑)」
🐷「いやいや!1日くらいなら!俺が見張りでソファで寝るからさ!」
🐰「…てかこの状況、漫画かよ」
🐶「部屋移動するにももう空き部屋ないよね…」
🥟「……ふーん。面白くなってきたじゃん」
((意味深な笑みを浮かべるヒョンジン)
((そしてその夜──)
((ハンとかのん。の相部屋、布団を挟んで“妙な沈黙”が漂う)
🐿️「…な、なんか喋る?この沈黙キツくない…?」
かのん。「……正直、ちょっと恥ずかしいです」
🐿️「う、うん、俺もです…(泣)」
((そんな、騒がしくて、ちょっとドキドキな初夜は…
静かに(?)更けていった──)
((寮の部屋。夜中の0時過ぎ)
((スマホがピコンと光る)
🟦【🥟:起きてる?】
🟦【🥟:ちょっと、来て。練習室。】
🟦【🥟:誰にも言わないで。】
かのん。「……えっ」
((目をこすりながら、ベッドの中でスマホを見つめる)
かのん。((ヒョンジン先輩…?なんでこんな時間に…))
((迷いながらも、布団をそっと抜け出す)
((ハンは寝ぼけて「味噌ラーメン……」と寝言を言ってる)
((廊下をそろりそろりと歩き、エレベーターで地下の練習室へ)
ガチャッ──
((練習室の電気は、ほんのりだけ点いていた)
🥟「来たね」
((鏡の前でストレッチしていたヒョンジンが、スッと振り返る)
かのん。「…あの、どうしてこんな時間に…?」
🥟「昼間、お前のダンス。見たくせにちゃんと見れてなかった」
🥟「だから今、ちゃんと見たい。……いいでしょ?」
((少し挑発するような目。どこか真剣な空気も混ざっていた)
かのん。「…わかりました」
((音楽が流れる。暗いスタジオに、2人きり)
((かのん。はヒョンジンに背中を向け、鏡越しに視線を感じながら踊り始めた)
((その視線は…驚くほど、鋭くて。だけどどこか、やさしい)
((1曲、終わる。かのん。の肩が上下に動く)
🥟「……上半身の動き、悪くない。でもステップが少し甘い」
かのん。「……っ」
🥟「けど──」
((ヒョンジンが、ふっと歩み寄る)
🥟「こっから、化けると思うよ。……君、目が強いから」
((不意に、ヒョンジンの顔が近づく)
かのん。「…え?」
🥟「……別に、好きとかじゃないけど。期待はしてる」
((そう言って、ひとつだけ小さく笑った)
かのん。((…心臓の音、うるさ…))
((そのあと2人は少しだけストレッチをして、黙って帰った)
((でも、部屋に戻っても──ヒョンジンの言葉が、ずっと耳から離れなかった)
続きは また 更新していきます!!