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第9話
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ユジンside
あれから毎日
魂が抜けたみたいに
何にも集中できない。
なんであんな人の事考えるのか
ずっとわかんない
zh「…ゆじな、聞いてる? 」
はおひょんの声にハッとした。
hy「…あ……ごめん」
全部右から左で頭に入ってこない。
zh「…また考えてる?」
hy「……うん」
分かんないけど
大っ嫌いだったけど
ひとつだけ言えるのは
戻ってきて欲しい。
hy「どこにいるのかな」
連絡返してくれないし。
zh「……はぁ…」
はおひょんのため息で我に返る。
hy「ごめん…ひょんの事ばっか…」
zh「…知ってるよ。どこに居るか」
hy「……え…?」
なんで知ってるの?
だって連絡返してくれないって
どうしようって話してたのに
hy「……会ったの…?」
zh「…うん。いっかいだけ」
zh「言わないでって言われたから黙ってた」
zh「…ごめんね」
なにそれ。
自分勝手に離れて心配かけたくせに
はおひょんの連絡は返すの?
はおひょんには会うの?
「言わないで」ってなに?
誰よりも心配して
ずっと考えてたのに。
ひょんは違うの?
hy「……どこ?」
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ジャンハオside
zh「…ごめん。ぎゅびな」
普通にバラした。
だって見てられなかったんだもん。
毎日気の抜けた返事しか帰ってこないし
頭の中があいつのことばっかりなゆじななんて
見てられない。
住所を教えてすぐ飛び出したあの子を
追いかけることもなく送り出した。
もうどうにでもなれ。
好きだったよ、ゆじな
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ギュビンside
お酒とタバコの匂いしかしない場所。
ここが楽しかったことなんて無い。
ここに俺が欲しいものは無い。
女の子「ね~話聞いてる?」
香水だかお酒だか
意味のわかんない匂いの女が擦り寄ってくるし
kg「酒臭い~寄らないで」
俺はこいつらとは違う。
同じにはならない。
でも、今の俺は?
逃げてばっかりの弱虫。成り下がり。
もうどうでもいい。
こんな世界消えちゃえ
女の子「ひどぉ!匂い移してやる!」
kg「寄らないでってば…」
hy「……ひょん」
kg「…?!……は…?」
聞きなれた大好きな声に振り向いたら
肩で息をする君が居た。
なにしてんの。
こんなとこ来たらダメでしょ。
kg「なに…してんの…」
女の子「え~!可愛い子きた~!」
こんな汚い世界
知らなくていいのに。
kg「…着いてきて」
いつもとは違う、繊細で丁寧に
手を引いて歩いた。
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人気が少なくなってやっと手を離す。
kg「……帰って」
kg「…なんで来たの?はおひょんに聞いた?」
まくしたてるように話す。
本当はこんなこと言いたくないのに。
hy「…なんでなの」
kg「……? 」
hy「…なんで僕の連絡は返さないの」
hy「なんで全部無視するの!」
hy「…はおひょんには会うのに…」
hy「なんで僕には会ってくれないの!!」
kg「…!ゆじな…?」
予想外の言葉に唖然とする。
hy「…いっぱい心配したのにっ……」
kg「……意味わかんない…」
kg「なんで泣くの…」
手の甲で必死に涙を拭うゆじな。
バクバクと心臓が早くなる。
kg「…わかんないよ……」
俺に何されたか忘れたの?
おかしいよ、ゆじな
hy「……帰ってきてよ」
hy「あんなとこに戻らないでよ…」
出来るならそうしたい。
でも、俺は……
kg「……無理だよ」
kg「どうしても…傷つけちゃうの」
kg「ゆじなじゃないと無理だから…」
ゆじな以外の見方がわかんないの。
おかしいでしょ?怖いでしょ?
今だって泣いてる君に
手を差し伸べられないのに。
だから……
hy「…僕もひょんじゃないと嫌だ」
kg「…!!!」
ありえない。
俺でも…いいの?
kg「…なに言ってるの…」
kg「俺…普通じゃないよ」
普通がわかんないんだよ。
それを選ぶなんて
ゆじなが1番普通じゃないよ。
hy「それでもいいの」
hy「…お願い。戻ってきて 」
kg「…へんなの……」
俺を選ぶなんて心底変だ。
でも、誰かに求められるって
こんなに嬉しいんだ。
俺必要とされて良いんだ。
hy「…一緒に帰ろ」
俺が手を引かれる日が来た。
ああもう
やっぱり俺、ゆじなのこと
死ぬほど大好きだ。
『歪 恋』
end
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コメント
1件
終わっちゃった~ 😿 ほんとに最高でした !! 😿💞