テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
536
#妖怪
615
3話 あの夏を飽和している
no×ya 曲パロ『あの夏を飽和している』
ya「昨日人を殺したんだ」
君はそう言っていた。
梅雨時ずぶ濡れのまんま、部屋の前で君は泣いていた。
夏が始まったというのに、君はひどく震えていた。
そんな話で始まるあの夏の日の記憶だ。
ya「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」
ya「もう嫌になって肩を突き飛ばして」
ya「打ちどころが悪かったんだ」
ya「もうここには居られなくなると思うし、どっか遠いところで死んでくるよ」
そうyaくんは言った。
そんな君に僕はこう言った。
no「それじゃ、僕も連れてって」
財布を持って、ナイフを持って
携帯ゲームもカバンに詰めて
no「このくらいでいいですかね…」
ya「…」
いらないものは全部壊していこう
ガチャンガシャン
ya「…それでいいの」
no「いいんですよ」
あの写真もあの日記も
今となっちゃもういらないさ
no「2人だけですから。もうなにもいらないです」
ya「でもッ…」
no「ほら…行きましょう」
ya「…うん」
人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ
そして僕らは逃げ出した。
ya「はぁッ…はぁッ…(タッタッタッ」
no「ふぅッ…(タッタッタッ」
この狭い狭いこの世界から
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて
君と二人で
遠い遠い誰も居ない場所で
no「無理な時はさ、二人で死のうよ」
ya「…うん」
もうこの世界に価値など無いよ
人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか
no「君は何も悪くないよ」
ya「…ッ」
なんで、君が悪いんだろ。
世間では、君が悪いことになっちゃうんだ
no「君は何も悪くないよ」
ya「うんッ…ポロポロ」
絶対、そんなことないのに。
結局僕ら誰にも愛されたことなど無かったんだ。
そう言ったら、君はすぐ否定したね。
ya「そんなことないでしょ。noさんモテるし。」
…確かにモテてたかもしれない。
でも、結局は…
「noくんって、顔カッコいいよね〜」
どうせ顔なんだ。
no「ちゃんと、モテたことはないよ。好きな人から告白されたこともないし、愛されたことなんて無かったんだ」
ya 「え、好きな人いるの」
驚いているyaくん。
no「いるよ。」
目の前に
ya「誰?てか、来てよかったの?」
ここで言ってしまおう
no「yaくんですよ。だから、僕は来て、よかったんですよ」
ya「え、そうだったの」
no「はい、付き合ってくれますか」
ダメ元だし
わかってる、無理なことくらい。
ya「いいよ、俺もnoさんのこと好きだったから」
返ってきたのは予想外の返事。
no「え」
ya「これからは、似た物同士支え合おうね」
そう言ってにこっと笑った君。
そして、君は僕の手をとった。
君の手を握った時、
微かな震えもすでに無くなってて、
誰にも縛られないで、
二人線路の上を歩いた。
「あっ!泥棒〜!!!」
金を盗んで、二人で逃げて
どこにも行けるがしたんだ。
今更怖いものは
僕らには無かったんだ。
額の汗も落ちたメガネも
ya「今となっちゃどうでもいいさ」
ya「あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」
no「いつか夢見た優しくて誰にも好かれる主人公なら
汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな」
ya「そんな夢なら捨てたよ」
ya「だって、現実を見ろよ」
ya「シアワセの四文字なんてなかった」
でも、僕は君と出会って…
ya「今までの人生で思い知ったじゃないか」
ya「自分はなにも悪くねえと誰もがきっと思ってる」
no「…そッか…」
宛もなく彷徨う蝉の群れに
水も無くなり揺れ出す視界に
迫り狂う鬼たちの怒号に
バカみたいにはしゃぎ合い
ふと君はナイフをとった。
ya「君が今までそばにいたからここまで来れたんだ」
ya「だからもういいよ」
どういうことだろう…
ya「もういいよッ」
ya「死ぬのは俺1人でいいよッ」
手を出すが、間に合わなかった。
そして君は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
気づけば僕は捕まって
君がどこにも見つからなくって…
君だけがどこにもいなくて…
そして時は過ぎていった
ただ暑い暑い日が過ぎてった
家族もクラスの奴らもいるのに、
なぜか君だけはどこにもいない。
あの夏の日を思い出す。
no「♪〜♪〜」
僕は今も今でも歌っている。
君をずっと探してるんだ
君に言いたいことがあるんだ
九月の終わりにくしゃみして
no「クシュンッ」
六月の匂いを繰り返す
no「いい香りだな…」
君の笑顔は
ya「noさんッ!!(ニコッ」
君の無邪気さは
ya「ねぇ、こっち見て!(キラキラ」
頭の中を飽和している。
誰もなにも悪くないよ
君は何も悪くないからッ…
『もういいよ、投げ出してしまおう。』
そう言って欲しかったんだろ
no「なぁッ…」
no「返事してくれよッ…yaくんッ…」
もちろん返事はない。
ただただ蝉がうるさく鳴いている夏の日。
その傍らで僕はひとり静かに泣いていた。
ぜひ、この曲聴いてみてください!!
コメント
3件
この曲 めっちゃ 良い よね ... !! 😭 初見で 泣いた 記憶 ある ( 最後の シーン とか 切なすぎて 今 がちで 涙目 ( 書くの じょーず すぎる っ 🥹💗
ああっ、もうめっちゃ切ない…!!😭💦 始まりの「人♡♡♡」からもう心臓掴まれたまま最後まで一気読みだったよ…。「君は何も悪くないよ」って何度も言い合うシーン、涙出そうになった😢💔 告白&受け入れ合うところで一瞬希望が見えたのに、その後の展開が悲しすぎて苦しい…。「返事してくれよ」の台詞が胸に刺さるよね…。曲パロなんだね、元の曲聴いてみるっ!🎵