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マシュセル
本編後、妄想
🍄目線
最初は嫌そうな顔をしていたけど、それでもきちんと僕のところに牛乳を持ってきてくれて、雨の日でも、雪が降っていても、
毎日律儀に店に来てくれた。たまに挨拶を返してくれて、それから徐々に、一緒にお話ししてくれる回数が増えて嬉しかった。
普段は仏頂面で僕には塩だけど、他のお客さんにはいつも笑顔で。
だけど、たまに見せる呆れ顔や眉を下げて見つめてくる困り顔は僕だけなんだ、ってなんだか心が満たされる気がした。
初めて会った時、トゲトゲしていて冷たい空気を纏った君は、今はもうあの棘はなくなって、エプロン姿の好青年のようで、
あの時見た紫の唇と視界の横に揺れるピアスだけが残った。
世界が平和になってから久しぶりに会ったあの日、怒った様子の君が陽の光に充てられていて、あの黄金色の髪が輝いて見えた。しばらくぼーっと眺めていたら、視線を感じて目を合わせた。
そうしたら髪よりもずっと綺麗で蜂蜜みたいな黄色の瞳がこちらを真っ直ぐ見てくるから少し驚いて思わず「綺麗」って口にしていた。次の瞬間、生気があまり感じられない白い肌が桃みたいに、あるいはりんごみたいに、赤く火照っていた。そんな君を見てなんだか不思議な気分になった。ずっと見ていたいと思った。
もっと怒った顔をして帰っていってしまったけど。
今日も、いつもの時間にお店にやってきた君は、最近血色が良くなったって嬉しそうだった。あの頃より少し大人しくなった君を見て、あの日初めて出会ったとき浮かばなかった気持ちが今、心の中に渦巻いてくる。あの僕の気持ちを見据えたような目線も、たまに見せる笑った顔も、朝日に照らされた綺麗な横顔も、普段は全く素直じゃないところも、全部、ぜんぶ、好きなんだって 気づいてしまってから自分でもどうすれば良いのかわからなくなった。
僕はまだまだ子供で、君はそっぽをむいて、こちらにふりむいてはくれないから。 でもきっと、振り向かせるよ。
君のことが大好きだから。