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瓦礫と化した建物、塞がれた道、途方に暮れる人々――。
陥落した城塞都市ローリア、その中心地にある教会へとヴォルフラムが駆けつけた頃には、ミリエットは既にその場に欠くことのできない存在として忙しく働き回っていた。
「傷の手当ては終わりましたが、きっとこの後に熱が出ます。そしたらこの薬草を煎じて……」
「王妃様、水をお持ちしました!」
「ありがとう。ではこちらの方の傷を洗浄してください。あなたも、少し痛いけれど我慢してくださいね」
「は、はい……ううっ」
アベルからの報告によれば、ミリエットは教会の司祭長へ頭を下げて頼み込み、教会の広間を救護所として解放してもらったのだそうだ。
礼拝のために使われる長椅子が寝台の代わりとなり、運び込まれた負傷者が次から次に寝かされていく。
加えて、親とはぐれた迷子や、******
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