“いつのまにか俺は男であるはずのアイツに恋をしてしまった…”《俺はエース・トラッポラ。今年ナイトレイブンカレッジに入ったピッカピカの新入生。アイツとはメインストリートでとある出会いをして、次の日に食堂で再会し、今はマブとしてよく一緒に行動してる。これは、俺がアイツに恋してる事を自覚するまでの物語…》
〜学園 秘密の部屋〜
セーラ「気になる人がいる?」
エース「ああ。相談、乗ってくれるんでしょ?」
セーラ「それは構わないよ。んで、どんな子?」
エース「!そ、それは…」(その本人が目の前にいるのに言えるか⁈)
セーラ「…ふーん。エースくんはその子が好きなの?」
エース「はぁ⁈ちげぇし!」
セーラ「めっちゃ全否定するじゃんw…んで、君は何を相談したい訳?気になる人だけじゃ分からないよ」
エース「!…正直これが恋か分かんねぇ。だから、俺に恋を教えてくんない?」
セーラ「恋を?うーん、僕もプロじゃないからなぁ〜。てか、エースくんは元カノいたんだよね?なら、エースくんの方がスペシャリストな気がするけど」
エース「あー、なんていうか今までの女の子と違うって感じで、俺もどうすればいいんだか…」
セーラ「…なるほどね。理解はした。でも、教えるのは正直難しい」
エース「え、なんで⁈」
セーラ「人によって恋や愛は違うからだよ。ほら、ドラマとかの素敵な恋愛もあれば、歪んだような恋愛もあるし」
エース「あー、確かに。セーラは理想とかあんの?」
セーラ「理想?うーん、両親が理想かな」
エース「セーラの親?」
セーラ「うん。まるで、物語のような出会いをして2人は結ばれてね。とても仲の良い両親なんだ」
エース「ふーん。…ねぇ、どんな感じに出会ったか教えてよ」
セーラ「ん?いいよ。まずお父さんは貴族様、お母さんは普通のデザイナーだった」
エース「へー」
セーラ「お父さんは息抜きに平民のふりしてお母さんの勤めてる服屋さんに入った。お父さんはその時からお母さんとお母さんの作ってくれる服を気に入り、通い続けたの。その後、お母さんもお父さんの事を気に入り、2人は恋人同士になった。だけど…」
エース「…なんかあったの?」
セーラ「…2人には婚約者がいたんだ。2人はお互いその事に嘆いた。2人は顔合わせの後、駆け落ちしようと誓った。そして、お見合い当日。目の前に現れたのはなんと自分の恋人だった。2人はまさかの両家で決められた婚約者同士だった。2人はお見合いの後、即結婚し、僕を産んでくれた。ね?まるで物語のような運命の出会いだったでしょ?」
エース「確かに」
セーラ「だから、僕は運命の出会いはしなくても両親みたいなお互い想い合える人と付き合いたいかな」
エース「ふーん。そっか、サンキュ」
セーラ「うん。いつでも相談屋は相談に乗るからね」
エース「おう」
《セーラはいい奴だ。というより監督生みたいにお人好しなのかも。何かあったら手を伸ばすほど優しい。色んな人の相談を乗ってるほどだ。ただそれだけだが、最近目で追いかけている自分がいる。セーラの気になる理由は何故かセーラが女の子に見えてしまう。確かに背は小さいし、髪は長いし、声も高い方で顔も女って感じ。それで俺はある意味セーラに惑わされてる。そんな俺にある出来事が起こった…》
ー放課後ー
〜体育館〜
コーチ「皆、集まって整列!」
バスケ部の皆が集まり、並んだ
コーチ「今日から2週間は練習試合に向けて強化練習を行う。その期間だけの助っ人を用意した。入れ!」
セーラ「はーい」
ユウ「こんにちは」
コーチ「今日からこの2人は期間限定のマネージャーとして就任した。この期間、お前達よろしくな」
セーラ「皆さん。短い期間ですが、どうぞよろしくお願いします!」
皆「はい!」
エース(え…え〜〜〜〜⁈)
〜メインストリート〜
エース「セーラがなんでマネージャーになってんの⁈」
セーラ「ん?あー、フロイドさんに頼まれた」
エース「え⁈なんで⁈」
セーラ「え、えっと…フロイドさんが僕が適任って」
フロイド「そうそう」(エースとセーラの間に顔をひょこっとした)
エース「うわっ⁈フロイド先輩」
フロイド「だって、セーラなら適任でしょ?ボール磨きとかドリンクとかタオルの準備。めっちゃ有能じゃん」
エース「いや、それはそうなんですけど、俺はてっきり監督生1人かと思ったんすよ」
セーラ「フロイドさん、本音は?」
フロイド「セーラと一緒がいい」
エース「めっちゃ本音ダダ漏れじゃん⁈」
セーラ「ふふっ、しょうがないなぁ。分かりましたよ。とりあえず約2週間改めてよろしくね、エースくん」
エース「あ、ああ」
《俺はこの日から戸惑いを隠せなかった。セーラにはバレてないが、多分先輩達にはバレてる…》
ー大会3日前ー
〜体育館〜
フロイド「カニちゃん、セーラ好きでしょ?」
エース「…え、え⁈なんすかいきなり⁈」
フロイド「だって、いつもセーラの事、目で追ってんじゃん」
エース「うぐっ…。えっと、好き、なんすかね…」
フロイド「は?」
エース「いや〜俺、分かんないんスよ。確かにセーラを目で追っちゃってるし、セーラがマブとしていたいけど、なんか違うし、正直分かんない…」
フロイド「…ふ〜ん。それってカニちゃんにとってセーラは特別って事じゃねぇの?」
エース「…そうなんスかね」
フロイド「俺は知らねぇけど、そうなんじゃない?俺は今のセーラ、好きだよ。なんか生き生きしていて」
エース「え?それどういう事っすか?」
フロイド「ん?セーラね、いじめられていたんだよ。原因はセーラの見た目。セーラってモテモテなの。昔も今も。俺は家族として好きだけど、ジェイドは違う」
エース「⁈」
フロイド「セーラね、好きな人取られたとか恋人を返せとか言われる筋合いがねぇのに勝手にいじめられてさぁ。セーラのあの綺麗な髪も無理矢理切った奴もいたんだよ?」
エース「はぁ⁈」
フロイド「まぁ、俺らが始末したからいいけど。…俺ら、心配だったんだ。ここに来たらまたやられるんじゃないかって。でも、カニちゃん達がセーラの友達で良かったって俺思ってるよ。だから、ありがとね」
エース「いえ…。セーラって恋に興味あるんスか?」
フロイド「ん〜、どうだろう。俺はあんま知らないし、いじめもあるから今はしないんじゃね?」
エース「…そうっスか」(あ、セーラだ)
セーラとユウはコーチから頼まれた荷物を運んでいた
エース「ん?先輩」
フロイド「ん?」
エース「あの先輩達、怪しくないっスか?」
セーラとユウの近くで3人のバスケ部がバスケットボールでキャッチボールしてる
フロイド「え〜?何が怪しいの?」
エース「なんか、めっちゃ監督生達を見てるような…」
バスケ部の3人のうちの1人が監督生に向けてバスケットボールを投げた
エース「⁈監督生!」
フロイド「セーラ危ない!」
セーラ「!」
ドンッ(ぶつかった音)
ユウ(痛く、ない?)
セーラ「うっ…」(監督生を庇い、背中にバスケットボールが当たった)
エース「監督生!セーラ!」(2人に駆け寄った)
フロイド「おい、雑魚ども。うちのセーラに何してんだ」
バスケ部3人「ヒィ!」
ジャミル「どうした?フロイド」
フロイド「ウミヘビくん、こいつら逃げないように見張って。こいつらセーラに怪我を負わせた」
ジャミル「!分かった」
エース「監督生大丈夫か?」
ユウ「大丈夫。だけど…」
フロイド「セーラ!大丈夫?」
セーラ「は、はい。少し痛みますが…」
フロイド「!まさかセーラ、」
セーラは内緒のポーズをした🤫
エース「!…」(セーラをお姫様抱っこした)
セーラ「⁈」
エース「フロイド先輩、俺セーラを保健室に運びます。ここはお願いします」
フロイド「!分かった。セーラをお願い」
エース「はい」(運んで行った)
〜メインストリート〜
エース(めっちゃ軽っ!てか、華奢過ぎない⁈飯ちゃんと食ってんのか⁈)
セーラ「エ、エースくん。僕は大丈、」
エース「大丈夫じゃないだろ!」
セーラ「ビクッ」
エース「あ、ごめん。でも、心配なんだ。本当は古傷痛むんだろ?」
セーラ「!なんでそれを」
エース「俺もいたんだ。アズール先輩がオーバーブロットした時。…なぁ、セーラ」
セーラ「ん?」
エース「あんま強がんなよ。確かに俺達はお前より優秀じゃないし、魔法も強くねぇけどさ。でも、俺達はお前の味方でいるし、側にいる。だから、少しは俺達を頼ってくれ」
セーラ「ッ!…うん…うん…!」(少し涙目になった)
エース「…」
《セーラは恐らくいじめで人をあまり頼れない。だけど、だとしても手を伸ばさずにはいられなかった…》
〜保健室〜
保健室の先生「はい。しっかり手当は出来ましたよ。しばらくは安静ね」
セーラ「はい、ありがとうございます」
〜廊下〜
セーラ「!エースくん」
エース「おう」
セーラ「わざわざ待ってくれたの?」
エース「まぁな」(1人にしたくないし、1人にしたらフロイド先輩達に殺される…)
セーラ「?」
エース「なんでもない。行こう」
セーラ「うん」
〜メインストリート〜
エース「あ、マネージャー辞めていいって」
セーラ「え⁈あと確か3日ほどあるよ?」
エース「流石にああなったら、監督生も危ないってコーチが判断したんだって。だからセーラも退任」
セーラ「…そっか」
エース「…セーラ」
セーラ「ん?」
エース「出来たらでいい。その…大会、応援しに来てくれない?」
セーラ「え?」
エース「怪我もあるし、アイツらの顔見たくないかもしれないけど…お前が応援してくれたら、その嬉しいというか…///」
セーラ「…分かった。行くよ」
エース「!本当?」
セーラ「うん!リドルさんや皆を連れて応援に行くよ!」
エース「おう!俺のかっこいいところちゃんと見てろよ!」
セーラ「うん!」
ー当日ー
〜試合会場〜
セーラ「エースくん来たよ!」
エース「セーラ!怪我は大丈夫か?」
セーラ「うん!」
フロイド「うんじゃないでしょ。まだ安静なんでしょ〜?」
セーラ「フロイドさん!」
ジェイド「そうです。無理はよくないですよ」
アズール「全くですよ。目を離したらすぐ無茶をしますから」
エース「うわっ、めっちゃ過保護」
セーラ「あははは💧」
リドル「アズール、心配し過ぎじゃないかい?確かにセーラは病み上がりだが、安静にしてれば大丈夫なんだろう?」
デュース「それに僕達も見張ってますから大丈夫ですよ」
ケイト「そうそう」
トレイ「あははは、アズールの気持ちがよく分かるなぁ」
エース「もはや応援じゃなくてセーラの心配で来てんじゃんw」
セーラ「保護者が増えた…」
グリム「俺様はちゃんとエースを応援しに来たんだゾ〜」
ユウ「来たよ」
エース「お、グリムと監督生。もしかしてセーラが呼んだの?」
セーラ「うん。練習試合だけど、皆で応援したくて」
エース「そっか。サンキュー(セーラの頭ポンポンした)お、そろそろ行くわ。んじゃ!」
セーラ「うん!頑張ってね」
エース「おう!」(行った)
フロイド「んじゃ、俺も〜」(セーラの頭をわしゃわしゃして行った)
セーラ「わっ⁈…なんだったんだ?今の」
デュース「さぁ?」
セーラ達は応援席へ向かった
セーラ「わ〜!ここが応援席か〜」
ジェイド「セーラ、座ってください」
アズール「落ちますよ」
ケイト「流石に落ちないかな💧」
トレイ「あははは💧」
グリム「ふな⁈試合が始まったんだゾ!」
デュース「おう!」
セーラ「…」(エースくん…フロイドさん…頑張って…!)
前半戦終了し、後半戦残り2分となった
ケイト「あー、あと少し!」
トレイ「あと1回ゴールに入れば、僅差で勝つな」
ジェイド「しかし、どうでしょう」
アズール「ええ。現在ボールを持ってるのは体力の限界が近いエースさん。ゴール目前ですが、敵はゴール前に固まっています。ジャミルさんやフロイドさんもパスしやすいように動いていますが、ガードが硬いです」
デュース「てことは、勝つのは難しい…?」
ユウ「そんな…」
グリム「ふな⁈負けるんじゃねぇんだゾ!」
セーラ(エースくん…)「ッ!負けるな!!エースくん!!頑張れーーーー!!!!」(めっちゃ大声)
〜試合コート〜
エース「!(セーラ…!)おう!!」(ジャミルにパスして走り出した)
ジャミル「ッ!行け!エース!」(ボールをゴールの上の方へ投げた)
フロイド「カニちゃん、いっけーーー!!」
エース(空中でキャッチした)「はぁーーーー!!」(ダンクシュートを決めた)
ビー!!(試合終了の音)
審判「試合終了!勝者ナイトレイブンカレッジ!」
〜観客席〜
わーーー!!(観客達の声)
デュース「エース、よく入れた!!」
リドル「やるじゃないか、エース!」
トレイ「ああ、凄かった」
ケイト「本当それな!」
ジェイド「まさかこうなるとは」
アズール「ええ、予想だにもしませんでした」
グリム「にゃっは〜!エース達が勝ったんだゾ!」
ユウ「凄いね」
セーラ「エースくん…(観客席から少し前のめりで顔を出した)エースくん!」
エース「!」(試合コートから気づいた)
セーラ(ニコッと笑いながら、エースに向けてピース✌️した)
エース「!」(ニカッと笑いながら、セーラにピース✌️をし返した)
ー帰り道ー
デュース「お疲れ!エース」
リドル「お疲れ様」
ケイト「凄かったね、エースちゃん」
トレイ「ああ」
エース「あざっす!」
セーラはエース達の前方でフロイド達と話してる
エース「…」(少し遠目でセーラを見てる)
フロイド「!…セーラ、カニちゃんとこ行ってあげて」
セーラ「あ、はい?」(エースの所に行った)
エース「!セーラ?」
セーラ「なんか分からないけど、エースくんの所に行ってってフロイドさんが、」
フロイド「はーい、小エビちゃん達はこっちね〜」(デュースと監督生の肩に腕を回し、前方へ連行した)
ジェイド「おやおや」
アズール「何してるんだか…」
リドル「フロイドは一体何をしてるんだい?」
ケイト「まぁまぁ。俺たちも前の方に行こっか」(察してリドルを前方へ誘導した)
トレイ「そうだな」(同じく察した)
セーラ「皆、どうしたんだろう?」
エース(フロイド先輩、気遣ってくれた…?)「…セーラ」
セーラ「ん?」
エース「今日の俺、どうだった?」
セーラ「ん?かっこよかったよ」
エース「!本当?」
セーラ「ほんと、ほんと。特に残り2分の時にやったあの最後のダンクシュート!決まっただけじゃなく、その後に試合終了の音がすぐ鳴って、本当ギリギリで勝ったのも凄かった!本当にかっこよかった!」(凄い満面の笑み)
エース「!…そっか。サンキュー!」
セーラ「うん!エースくん、今日はお疲れ様!」
エース「おう!」
デュース「エース!セーラ!」
グリム「早くするんだゾ〜!」
ユウ「置いて行くよ」
セーラ「はーい!行こ、エースくん」(エースの手を繋ぎ、少し走った)
エース「お、おう」(手が熱い…。ああ、そうか…)
《この時、俺は恋だと気づいた。いつも笑顔でいて欲しい。側にいたい。頼って欲しい。甘えて欲しい。独り占めしたい。ああ、俺はこんなにもセーラが好きなんだ。お前の声だけであんなにも凄い事が出来た。きっと、俺は…》
“お前じゃなきゃダメなんだ…”
〜to be conteneu〜
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