おばけの恋
死ぬほど自己満
「噂って、ほんとなのかな」
「アンナ!もう寝なさい」
「幽霊に魅入られたら連れていかれるんだから、」
「うん。おやすみママ」
「お父さん?」
「えぇ、アンナはもう寝たはずよ」
「大丈夫。戸締りはしっかりしたわ」
「気をつけてね」
「……お菓子用意しないとね」
「寝れない!」
「やっぱり噂なんてないじゃない」
「こんな古い村には言い伝えの一つや二つあるわよ」
その村の言い伝えとは、
ハロウィンになると死者が愛を探しに村中に出てくる。
という現実味のない噂
「こんなのが広まるなんて、馬鹿げてる」
ハロウィンは仮装をして、友達とお菓子を貰いに行く行事って書いてあった
「こんなの楽しくない」
そんな噂にも私を味方するように2つ目の噂がある
ハロウィンは死者に恋をされても0時までに帰れば何も起こらない
というもの。このルールを利用しない暇は無い
「服は、このままでいいわよね」
足音を立てないようにゆっくりと歩き扉を開け外に出る
「さむっ」
肌に突き刺すように風が掠れる
「あ、村の言い伝えだから人いないんだ」
もっとつまんない
「散歩、かな」
普段行かないある道を行ってみることにした
あそこなら走って家に帰れば問題ない
「暗いのね、」
スマホのライトを頼りに進む
進んでも進んでも周りは草や木、なんの面白味もないけど何もしないよりはマシだった
「ハッピーハロウィン」
「えっ?誰、」
「驚かせちゃったかな?」
「人がいるのが珍しくて、声かけちゃった」
「嗚呼」
「貴方も抜け出してきたの?」
「うん。そうだよ」
「この村の言い伝えがほんとかどうかわかんなくて散歩してたの」
「貴方は?」
「僕は、外に出たかったからかな」
「私と同じ?」
「うん。そうだよ」
「へー」
「ここ、寒いわよね冷えてきた」
「そうかな?僕は普通だよ」
「あなたの手、」
冷たい。この寒さに耐えるほどだから熱いくらいかと思ってたのに
「どうかした?手なんて握って」
「いや、冷たいなって」
まるで人間じゃないみたい
「僕、体が冷えてるんだよね」
「そう、寒いのは大変ね」
「カイロもってるから貸してあげる」
「いいの?」
「うん。私より冷たいもん」
「ありがとう嬉しいよ」
彼との話は面白く時間の流れを早くさせた
「こんな面白い人がいるならもっと早く出会いたかった」
「僕もだよ」
「もうすぐ僕の家が近いんだ」
「くる?」
「家?」
「何か問題?」
「いや、そうじゃないけど、」
「そうじゃないなら来てよ」
「まあ、」
「決まりね」
「さぁ、どうぞ」
「お邪魔します」
外とは比にならないくらい冷たくて何も感じない
「あ、ごめん」
「人は寒いよね」
「暖かくするよ」
「あと少しだから耐えてね」
「あとこれ、返しとくよ」
「ありがとう」
「少しは温まった?」
「すこしだけね、」
「もう12時だ」
「僕の家族達も見えてくるよ」
ゴーンと鈍い音が村に響く
鐘の音に濁されたスマホのバイブ音
貴方を探す人達に会えるのはまた来年でしょう
ハッピーハロウィン。
コメント
3件
あ 、 な る ほ ど 納 得 し ま し た 流 石 に 天 才 す ぎ て す き
まって調べたらけっこー納得した😫😫 てんさいか! こういうさゆなにしか出せない雰囲気だいすき
好奇心は猫をもこ ろす ▶︎度が過ぎる好奇心は身を滅ぼす原因になる という意味をもつことわざ このことわざには続きがあるらしいから調べて欲しい納得できる