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「ここに居てくれる?」
「お兄ちゃんはどうするの…?」
「僕は魔物を倒しに行ってくるよ。」
「1人は怖いよぉ…」
「大丈夫。すぐ帰ってくるから。ね?」
「本当?」
「うん。本当だよ。じゃ、行ってくるね。」
急いで正門の逆側に行かなければならない。
そこから魔物が沢山侵入してくるのだ。
誰か人が欲しいけれど、戦ってる人を呼ぶのもアレだし…今戦える人なんてそうそう居ないだろう。
道中に魔物が沢山いた。
もちろん、逃すわけが無い。人に被害が及ばないように仕留めなければ。
確実に殺せるように頭や首を刺して、切った。
今ではもう、走りながら…複雑な魔法操作が出来るようになっていた。
「僕も…あの頃から成長してるんだなぁ。」
「着いた…ここが逆の門だ..」
予想どうり沢山魔物が居る。
「おい!あそこに人間がいるゾ!追いかけろ!」
一斉にこちらへ向き、襲いかかってきた。
ズバッ
シールドスラッシュで魔物の体や首がズバッと切れた。
「アイツ!無詠唱で魔法を出せる!ただ者じゃねぇぞ!気をつけロ!」
後の事はあまり覚えていない。
ただ街を守るという事よりも、今目の前にいる魔物だけを倒す。それだけが本能に残っていた。
どうやら魔物は無事倒すことが出来たらしく、僕は魔物と一緒に倒れていたそう。
僕が戦っている姿を一部の人が見ていたらしく、まるで魔物と魔物が闘っているように見えたという。
倒れた後は施設に運ばれ、治療された。
「目、覚めましたか?」
「…ここは…?」
「ここは怪我人を治療する施設ですよ。」
「あなたは魔素切れで倒れただけでしたから良かったですけど、もし魔素切れをした後、他に魔物がいたらあなたはどうなっていたことか…」
「…街はどうなりました?」
「死者1348名。重症421名。軽傷169名だったそうです。街は1/4程破壊されていて、今は復旧に励んでいます。」
「そうですか…あ!」
「子供を見ませんでしたか?8歳ぐらいの子で、緑色の服を着てるんですけど…」
「子供と言っても…沢山いますし…分からないですね…」
「そうですか..とある場所で待っててって言ったきりで….大丈夫かな..」
「魔素切れだけですのでもう外出していいですよ。探してみてください。ヒーローさん。」
「あぁ…ありがとうございます。え..ヒーロー?」
「あなたがいなければ被害はもっと大きくなっていたかもしれないんですよ。最悪の場合全滅なんてこともありましたよ…」
「良かったです…」
その後、あの子供を探してみたり、聞いてみたりしたけれど、何も情報はなく、1日が過ぎていった。
「約束守れなかったよ…ごめん…」
「気にしてないよ!今会えたんだもん!」
「…!…そうだね。よく頑張ったね…」
「お兄ちゃんもね!」
「1人で怖くなかった?」
「全然!お兄ちゃんこそ、1人で寂しくなかったの?」
「寂しくないよ。友達が支えてくれてるから。」
今日はしっかりと寝て、魔素を充分に回復させていった。
「私を…探して….」
この声は…どこかで聞いたことがあるような…
とても…悲しいような…声…
なんだか…自分まで…悲しくなっていくような..
「私の花が咲いてる場所に…それはある…」
「君なら…見つけてくれるよね…」
「…はっ!何だろう….今の夢は..」
「思い出せない…夢に出てきた人の顔が…声が…」
「でも…見つけてくれる…って言ってたよね…」
「花が咲いてある…場所…?」
「….あ..そうか。君のメッセージ…届いたよ。」
今日でこの街を出ることにした。
まだ魔法試験も終わっていないけど、それ以前に僕にはやるべきことがあるんだ。さようなら、少し間だったけど。
街を出ていき、振り向こうとした。でも、誰かが僕を見て、悲しそうにしている姿が見えるようで、振り向けなかった。
「ありがとう。ヒーロー。」
行くべき所がある。それは最初の頃に居たあの街。今では消滅している街だ。
まずはそこを目的地として旅をする。
「2人に後で手紙を書いておこうかな。今までの出来事を。」
目的地まではそれほど遠くはない。
かといっても歩きで行くと途方に暮れる。
馬も居ないし、移動魔法もない。
「こんな時こそ…転移結晶..!」
「一瞬で旅終わってしまう..」
アレスド街は存在していません
「…え?これはどういう…」
「消滅したから…なのかな?」
「それだと…近いアルト宿に行こう。ここから歩きでアレスド街に行こう。」
「転移展開!」
アルト宿に転移します。
「転移結晶金貨10枚は大きいなぁ…」
「さて、行こうか!」