ピピピ…ピピピ…
タイマー音で目が覚める。
身体が重い。頭が痛い。心臓がズキズキと痛い。カーテンから少しもれてる朝日が眩しい。
いつも目覚めは最悪だ。
少しスマホをいじってから布団から出る。
リビングに行って出ない声を捻り出しながら言う。
「母さんおはよう」
「おはよう。今日は早いね。」
冷水でまだ働いていない頭を冷やして起こす。寝癖を整えて口をゆすいでからご飯を口に運ぶ。
朝はご飯しか食べない。パンは喉や口にへばりついて飲み込めない。ただでさえ食欲がないのに食べにくい物なんて食べたくない。
制服に着替えて支度をしてから家を出る。
「行ってきます。」
私の性別は女。普通の学生で人間嫌いだ。友達と呼べる人は片手で数えられるぐらい。少ない。
その友達にもまぁムカつくことが多くて。たまに凄く憂鬱になる時がある。
それが今日だ。
学校に行きたくない。が、もう家から出てしまった。制服にも着替えた。学校に行く準備は万端だ。
今日は憂鬱な感情が大きい。行きたくない。人と会いたくない。
そんなことを考えてるといつの間にか私はいつもの通学路を逸れていた。
もうこのまま休んでしまおうか。
でも授業に遅れてしまう。
いやまぁ、
たまには自分を癒すのもいいか。
決めた。今日だけ休んでしまおう。無理やり行くこともない。1日だけだ。
通学路から逸れた自分の足をそのままにして私は歩いた。
ここの道は1度ぐらいしか通ったことがない。
こっちはどうなっているのか。ここの道はどこに繋がっているのか。私の好奇心がくすぐられる。
自由に知らない道を歩いていたら草木が茂った場所に出た。
漫画などで見るような先の薄暗い森。少し気味が悪い。私の足が言うことを聞かない。
気味が悪いと思っていた森は入ってみると意外と神秘的で美しい。
何かが出てくるとまんま漫画みたいになるんだけど。
そんなことを考えて歩いていると、奥の方に鳥居らしき物が見えた。
「こんな所に神社……?」
つい口に出してしまった。折角だ、神社を散策してから帰ろう。そう思ってまた足を進める。
見えていたものはやはり鳥居だったらしい。
とてもでかく立派で綺麗な赤色をしているが苔や蔦が巻きついている。
その奥にはまたでかい本殿が見える。
まさか森の奥深くにこんな立派な神社があるなんて驚いた。
なにかないかと思い鳥居を潜って参道を歩く。
入ってすぐのところに手水舎がある。水は綺麗でひんやり冷たかった。水が綺麗ということは誰かいるのか。
本殿前に来たが特に人の気配もしない。
本殿を一周してみると、裏にヒトカゲが。
ー誰だ
少し低めの声で言われた言葉にゾッとする。
振り返ったその人はとても人とは言えなかった。
………………え…?
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