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読了しました。冒頭の「キィーッ!ゴンッ」から一気に引き込まれました。現実の音が消えて、ふわふわした草原に切り替わる描写がとても綺麗で、夢なのか現実なのか分からない浮遊感が心地よかったです。でも足に絡まる蔓が象徴的で、「進めない」もどかしさが切ない。最後に現れた「ずっと大好きだった人」が誰なのか、続きが気になりすぎます。第1話から惹き込まれる導入でした。
キィーッ! ゴンッ ドシャッ グチャ…ッ
_グシャッ
「キャーッ!!」
「おいっ!救急車!救急車呼べ!!」
ザワ…ザワ……
ピーポー…ピーポー…
………____。
ピー…ピー…ピー…ピー…
一定に同じリズムで流れる電子音。
瞼が重い。
目の前の景色を見たいけど、
目を開こうとも開けない。
耳だけは機能するようで 聞き覚えのある声と中年の女性の声が聞こえてきた。
何を言ってるのかはわからない。
…頑張って耳を澄ますが電子音と騒音で聞こえない。
グスッ…ひっ……
…?泣いてる人がいる。
どこか静かだなと思った。
何故だか瞼が軽くなって 目が開けた。
辺りには綺麗な草原が広がってた。
泣いている人の声も聞こえなくなった。
電子音も聞こえなくなった。
凛とした飾り気のない風が耳を撫でているような気がした。
ふと下を見ると白い百合の花が1本咲いていた。
綺麗だな。と感じた。
だって、その花だけ光が反射して雫が輝いているんだから。
すぅっと息を吸う。
やけに気持ちいい風だ。
空気がおいしい。
私のいる少し離れた所には花に囲まれた小さな小川があった。
そこに向かおうとした。
歩こうとした。
進もうとした。
…っ?おかしい。足が動かない。
ビクともしない。
なにこれ。蔓?
蔓が足に巻きついている。
蔓を引っ張ってみたが全然取れない。なんだこれ。
進めない…ッ
どうにも出来ないのでその場に座ってみた。
草がチクチクするかと思ったが、意外にもふわふわで気持ちいい。
目を瞑ったら何故だか空に浮かんでる気分になった。
…さっ…さっ…
…?誰かがこちらに向かってきている気がする。
顔を上げるとそこには彼がいた。
__私がずっと大好きだった人が。