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(恵)「…やっと来ましたか……。」
恵の声には、もはや怒りを通り越して、分かりやすく呆れが滲み出ていた。
「えっと…ごめんねぇ…。」
時間を確認すると、30分も授業に遅刻していた。五条も、流石に焦るべきだったと、反省はしている。
(野薔薇)「もう授業やる時間無いし、やらなくても良いんじゃない?」
(悠二)「いや、まだ授業時間残ってるよ?」
(野薔薇)「五月蝿いわね!サボれそうな時にサボるのはたりめーだろ!!」
「大体、遅れて来たのは先生なんだし、無けなしの罪悪感に付け込めばサボれるわよ!!」
(悠二)「えぇ…。」
(恵)「五条先生に罪悪感って概念無いだろ。」
「——————。」
うん、なるほどね。大体分かって来たけど…。一旦、情報を整理しよう。
先ず、五条が学生時代に戻っていた事は、紛れもなく事実だ。其れは、傑や灰原が生きていることで証明されている。そして、五条が術式を使用したのは、〝過去〟の出来事だ。未来(現在)に迄、影響を及ぼす物では無い。あくまで、五条が術式を発動した時点で、五条と関わりのあった人間で、術式効果範囲内の人間だけにしか、術式は効かない。要するに、術式を使用した時点の五条が、〝これから先〟出会う人間には効かないと言うことだ。
だから、悠二達は、僕の事をちゃんと知ってるって事か。
「……まぁ…肝心のアイツらが、僕の事をちゃんと忘れてるなら大丈夫でしょ。」
もう傑とは関わらない。出会う事も無い。
僕が思った通り、僕は、傑の隣に居ない方が良い。
そう思うと、何故か不意に、目がじわぁっと熱くなり、鼻の奥がツンと痛んだ。鼻の痛みに眉を顰め、グッと、拳に固く力を入れた。
「——?」
「———五————生。」
「—————!」
「五条先生!」
「……ん。」
(恵)「五条先生、如何したんですか?」
(悠二)「先生、大丈夫?」
(野薔薇)「ちょっと、返事しなさいよ。」
「あ、あぁ…うん。」
(恵)「五条先生、大丈夫ですか?」
「全然大丈夫だよ〜。」
「ごめんね。ちょっと考え事してた。」
今は、僕に関する記憶が無いとは言え、同じ高専に傑達が居る。関わりを持たないように、細心の注意を払わないとね。
術式は術式でも、術や呪いに近い。何らかのきっかけ一つで、簡単に崩壊するかも知れない。まぁ、三級の呪霊が扱うような術式だしな…。そもそも、三級の呪霊が術式扱えてんのが謎だけど…。まぁ、無害な術式だし、出来ない事も無い…?か。
※呪術(術式)を使う事が出来る呪霊は、基本的に、準一級以上になります。
「だって、あんな雑魚呪霊が準一級以上とか、有り得ないでしょ。」
(悠二)「五条先生、さっきから何言ってんの…?」
(野薔薇)「本当に大丈夫かしら。」