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「はぁ…。」
「任務よりも疲れるな…。」
傑達と関わらないように、細心の注意を払うとは言ったが、同じ高専にいるのだ。勤務場所が同じでは、すれ違わないように気をつけるのも難しい。現に、今日はもう三回くらい傑の声を聞いている。蒼の瞬間移動で逃げる事もあった程だ。
「今だけは、六眼に感謝だな…。」
そうは言いつつも、傑の元気そうな声を聞いて、五条は、微笑みが絶えなかった。
「傑…笑ってたな…。」
「よっし、座学の準備するか。」
傑の笑顔を見て、此れで良かったんだと五条は思えた。
「皆〜!おっはよ〜!」
(悠二)「五条先生ー!おっす!」
(恵)「おはよう御座います。」
(野薔薇)「あら、今日は時間通りなのね。」
「でも、副担任の人が遅いわね。」
「え、副担任?」
(恵)「え、何も知らされてないんですか?」
(悠二)「五条先生の遅刻が酷いから、学長が、副担任の先生をつけてくれたんだよ。」
「五条先生のサポートにもなるからって。」
「えっ、何にも聞かされてないよ?僕。」
副担任が就く事になる何て、五条は初耳だった。
僕に散々、自分勝手とか文句言ってる皆も、大概自分勝手じゃん…。
ガララ!
教室のドアが開く音と、何度も聞いた事のある柔らかな優しい声が、五条の背後から聞こえた。
(傑)「すまない!緊急で任務が入ってしまって遅れた!」
「…え。」
息を呑む音を最後に、五条の呼吸が止まった。心臓が跳ね上がり、嫌な汗が、全身からぶわっと吹き出した。体は全く動かず、硬直した儘、視線が動かせない。
傑だ。ヤバい。
五条は、瞬時にそう理解した。
(傑)「初めまして。」
「本日から、副担任を務める夏油傑です。」
「よろしくお願いいたします。五条特級呪術師。」
そう言い、傑は、五条へ右手を差し出した。
「ッ……え…ッ。」
「あ、は、はい。」
「ヨロシクオネガイシマス。ゲトースグルサン。」
小刻みに震える手で、五条は、恐る恐る傑と握手を交わした。
(傑)「何でカタコト?」
「………。」
(傑)「………。」
「あの…。」
(傑)「うん?」
「…そろそろ離して………。」
(傑)「あ、嗚呼、ごめ…すみません。」
「イッ、イエ…。」
(恵)「……何だよこの空気…。」
(悠二)「なんか気まずー…。」
(野薔薇)「微妙な空気ね。」
(恵)「五条先生が奇妙な事に敬語だしな。」
(野薔薇)「なんか怖いわね。」
「日本滅亡するのかしら?」
(恵)「いや、ワンチャン世界行くんじゃね…?」
(悠二)「確かに先生の敬語は珍しいよな!」
(傑)「フ…ッ(笑)」
「…なーんか、前にもこんな事あった様な気がするなー。」