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#エリオス
#二次創作
シュガー月美
14
ゆっくり
33
ユイ
272
部屋の扉を数回ノックする。したとて、扉を開けるのに変わりはないのだが。
「失礼致します。」
ノックした時に返事がなかったことから、まだ寝てるかもしれない。涼架は足音を立てぬようゆっくりと部屋に踏み入ると、ちょうど「くぁ」と欠伸をしている大森が目に映った。
窓の日差しが黒髪にきらきらと反射している。
「おはようございます。」
「んぁ、おはよぅ…」
所々掠れながら、間抜けた声が響く。
よれたパジャマに、寝癖のついた髪。
同じ空間にいるのに、タキシードの自分とパジャマ姿の大森の差がなんだか面白い。
「朝食のご用意ができているのですが…」
「ん、顔洗ってくるからまってて…」
ずれている裾を引き摺りながら洗面所の方へ歩いていく。
ただ立っている訳にもいかないので、部屋の前に置いてきたワゴンを取りに行った。
「できたぁ」
「ご苦労様です。」
机にお皿を並べ終わるのと同時に、大森が洗面所から顔を出す。
声は寝起きと変わらないのに、髪も服も整っているのがなんだか不思議だ。
「何見てんの?」
「いえ、別に。」
大森は暫く首を傾げていたが、いつものことだからか、考えるのをやめてさっさと席に着いた。
「うわ、トマト入ってる…」
「食べなきゃダメですよ。」
いかにも食べて欲しそうな目でこちらを見つめてきたが、リョウカはそれをバッサリ切る。
別に食べてもいいのだが、健康的な問題とかがあるのだ。…それと、
『外ではあれほどトマトを避ける元貴様が、朝食では食べている!?と言うことは…』
と言った具合で、今まで食べてあげてきたのが周りにバレそうになっている。このままでは上に怒られかねない。
少し申し訳なさもあるが、トマトだけは無理なんだって、と言いながらも赤い実を口に運ぶ大森を見守る。
「…あ」
大森が何か思いついたような顔を浮かべて、涼架を手招きする。
「涼ちゃん、ちょっと。」
「?」
顔を近づけると、
「…んむっ、」
トマトを口に押し付けられた。
押し付けられたと言うか、捩じ込むように押し込んでくる。
ぐっぐっ、と結構強い力で押してくるので、半ば強引に涼架はトマトを口に含んだ。
「やった、ありがと涼ちゃん。」
白々しく、あたかも涼架自身が自分から食べた、みたいなセリフを述べて、大森は残りの朝食にフォークを向ける。
涼架は呆然とした後、はぁ、と呆れるように息をついて、トマトを頬張る。
噛み応えがあり、瑞々しくて美味しい。
穏やかな朝にぴったりな味だった。
ーーー
こんにちは、 おすしと申します。
この度は作品を読んでくださりありがとうございます。
突然なんですけど、みなさんは「パジャマ」のことなんて言いますか?
私は「寝巻き」って言ってるんですけど、地域や家庭によって違うんですかね。
是非みなさんの呼び方も教えてください。
また次回のお話でお会いしましょう。
コメント
1件
あ、第1話読了です……! おすしさんの作品、しっかり受け取らせていただきました🥀 主従っぽい関係なのに、朝からトマトの押し付け合い(?)をする二人、距離感がちょうど良くて可愛いです……「涼ちゃん」呼び、ズルいですね。 寝起きの大森さんの掠れた声とか、よれたパジャマとか、そういう細かい描写がなんかもう、心臓にくる……。 「おはようございます」からの「んぁ、おはよぅ…」の温度差、大好きです。 続き、ちゃんと読みますね。おすしさんの紡ぐ空気感、好きです🌙