苦菓子屋か、甘菓子屋か、幸福屋か あなたはどの店に招かれるのでしょうか………。
登場人物
お客 鈴木 沙良 11歳 女の子
店主 二階堂 かな ???歳 女性の店主
沙良「あ〜あ、今日もいっぱい怒られた。家に帰ってもお母さんはいないし、お父さんもいない。お兄ちゃんだけ….今日こそなにか見つけないと!ただいま。」
兄「おかえり。今日も一緒に食べ物探そう。」
沙良「うん……そうだね。」
兄「今、お財布に入ってるお金は千五百円。お母さんが新しく置きに来てくれたんだ。」
沙良「良かった。うん?」
兄「どうかした?具合悪い?」
沙良「光が見えるの。もしかしたら、お店があるかも知れない。行ってみるわ。」
兄「気をつけろ。」
沙良「光が綺麗だわ。ここは…..狭いわね…….もう少しでつきそうだわ。」
???「ようこそ、お客様。」
沙良「あなた、誰?」
???「苦菓子屋の店主、二階堂かなです。」
沙良「二階堂さんね。苦菓子屋ってなんだかこのお店のお菓子が苦そうに思うわ….」
二階堂「そんな事ありません。甘いものも少しはありますよ。」
沙良「そうなのね。」
二階堂「あなた、お腹が空いてるでしょう?いつもお父さんとお母さんがいなくてたまにお金を置きに来るだけ。それで、お腹も空いているでしょう?」
沙良「まぁ、そうね…….正直辛いわ」
二階堂「お腹が空くのを一生防ぐお菓子があるのですよ。 ニコッ」
沙良「ほんとう!?でも、一生よね…..一生は辛いわ……..」
二階堂「それなら、48時間お腹が空くのを防ぐお菓子はどうですか?」
沙良「それは、良さそうね。値段は何円?千五百円しか持っていないのだけれど」
二階堂「いえいえ、お金ではなく苦しみをいただきます。」
沙良「苦しみ?」
二階堂「ええ。辛い思いをして苦しみが溜まってるとおもいます。その苦しみをいただくのです。」
沙良「でも、そんなもの人にあげれるわけでもないし。どうせするならお兄ちゃんもやってほしいわ。」
二階堂「苦しみは、このガムを噛んでもらえれば。お兄さんにも..ですか。とりあえず、このガムを噛んでくださいな。」
沙良「分かったわ。けど、スースーするミントタイプは無理なの。」
二階堂「ストロベリー味に調合してあります。」
沙良「そんな事できちゃうのね!カミカミ…..」
二階堂「噛み終わったら、ティッシュに包んでそこのゴミ箱に捨ててください。」
沙良「ええ。噛み終わったわ。ティッシュお借りするわね。」
二階堂「はい。お兄さんにも、このガムを噛んでもらえれば苦しみをいただくことができるので。ゴミ箱は家のに捨ててもらって大丈夫です。」
沙良「分かった!で、お菓子は?」
二階堂「そうでした。お菓子は、この ゼリーです。」
沙良「ゼリーで48時間も保てるの?」
二階堂「はい。苦しみもいただきましたし、これで大丈夫です。ゼリーは四つあるのでお兄さんにもどうぞ。」
沙良「ありがとうございました!」
沙良「お兄ちゃん!これ!」
兄「遅かったから、心配したぞ!うん?ガムとゼリー….?」
沙良「とりあえず、食べてよ。その前に、このガム食べて!食べ終わったらこのティッシュで包んで公園のゴミ箱ね。」
兄「わかった、わかった。カミカミ 美味しいなぁ…よし、捨ててくる」
沙良「うん。よし、このゼリー食べよ」
兄「捨ててきたぞ。そのゼリーなんだ?」
沙良「これは、48時間お腹が空くのを防ぐゼリー。美味しいよ。」
兄「そうか。いただきます。うん、美味しいな。よし、家に帰ろう」
沙良「うん。」
怒鳴り声「もういい!出ていけ!」
母・父「はい……分かりました。でも、子どもたちは!?」
怒鳴り声「お前たちがちゃんとしつけしていないのは、分かっている。」
兄「待っててくれ。」
沙良「…….」
〜数分後〜
兄「叔父さんの家に行くぞ」
沙良「えっ!?」
兄「お母さんと、お父さんは出ていくんだって。叔父さんが引き取ってくれるんだ。行くぞ。」
沙良「分かった!」
それから、私達は48時間お腹が空くのを防ぐゼリーを食べたと叔父さんに伝えた。
叔父「不思議だな。でも、いいな。」
その後、幸せに暮らしたのだった。
二階堂 「幸せに暮らせて何より。」
〜次回もお楽しみに!〜
コメント
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((o(´∀`)o))ワクワク