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麗は公園のベンチに座り、優雅に紅茶をすすると、ふとため息をついた。
「ハァ……今日の僕も完璧だ。太陽ですら、僕の美しさには敵わない……!」
そう言って微笑んだ瞬間、突風が吹き、麗の髪がぐしゃぐしゃに乱れた。
「……え?」
次の瞬間、麗は悲鳴を上げながら立ち上がる。
「ちょ、待って!?僕の髪!僕の美しさが風に乱された!?これは……大惨事……!!」
慌ててポケットから小さな鏡を取り出し、必死に髪を直し始める麗。その必死な形相に、通りすがりの子どもが思わず泣き出した。
「うわああん!変な顔の人がいるー!」
「変な顔!?違う!これは一時的な崩れであって、僕の本来の美しさは──」
しかし、母親に手を引かれながら去っていく子どもには、麗の必死の弁明は届かなかった。
ショックを受けた麗は、ベンチに座り込み、遠い目をする。
「……僕の美しさが、あの子には伝わらなかったなんて……」
その様子を見ていた鈴が肩をすくめながら言う。
「いや、麗の顔がどうとかじゃなくて、単に必死すぎて怖かったんだと思うわよ。」
「……なるほど、僕の美しさがあまりに尊すぎて、恐れを抱かせてしまったのか……」
「違う。」
〜次の日〜
「待てよ…風に吹かれる世界一美しい僕は…素晴らしく美しいじゃないか…!さあ…!風よ来い!僕の素晴らしい美しさの糧となるがいい!」
「麗。解決して何よりよ。」