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読み終わりました!第320話、めちゃくちゃ面白かったです✨ まずタイトル「急襲部隊、急襲される」からしてセンスが光ってますね。六駆くんのツッコミのキレ味がとにかく冴えわたっていて、特に煌気ダダ漏れのバルナルドさんへの「タイミングを考えてください!」には声出して笑いました。あと金色に惹かれてブレスに飛び込むシーン、「つい」って…🤣 そんなギャグ描写の合間にも、5南雲とかイドクロア武器の強さとか、戦闘バランスの緊張感がきちんとあって。最後の竜人たちの「今日はシフトに入っておらぬ」でしめる流れも最高です。次の話も楽しみにしてます!
六駆は素早く指示を飛ばした。
「皆さん、煌気を抑えて下さい!! 極めて少なく! できれば、無に!!」
「あ、ああ! 分かった!! 和泉くん、大丈夫か?」
「小生、得意な事は生命力を削ることですゆえ。気配を消すのはお任せを」
「バルナルドさん!! あなたは何やってるんですか!! 煌気、ダダ漏れじゃないですか!! 僕たちが消してる分、余計に目立ちますよ!!」
「よ、余は煌気を抑えた事がなくて……。すまぬが、逆神六駆。……いや、やっぱりナグモ。その方法を教えてくれまいか?」
帝竜だったバルナルド。
彼はスカレグラーナで最も強い古龍だったため、外敵に対して自分の気配を消すと言う行為をしたことがない。
例えば、小学生に「車の運転をしろ」と言えば、最近はゲームなどで方法を知っている子供も多いため、やってのける者も少なからずいるだろう。
だが、「戦闘機を操縦せよ」と言っても、できる子供はいない。
そんな微妙な例え話を展開していると、『泥船』が到着した。
搭乗者は2人。
30代そこそこに見えるのが777番。
南雲よりも一回り年上に見えるのが3番である。
「ほお! これは珍しい! 獣人……いや、竜人ですか!? なんとなんと! よもやこのように珍しい実験動物がキュロドスに存在したとは!! ええ、ええ! これは素晴らしい!! 777番くん、早速捕獲しなさい!」
「了解しました! 『マグネティックロープ』!!」
「ぐぬぅ!? な、なんだこの縄は!? 余の体が動かぬ!!」
「バルナルドさん!! あなた、助っ人として連れて来たのに!! 秒でお荷物になるとか、いい加減にしてくださいよ!!」
「逆神くん! 事実かもしれんが、それはあんまりにも酷いぞ! 助けてあげて!!」
六駆は珍しく計算ミスをしていた。
バルナルドが1人いればキュロドスの制圧も楽が出来ると考えていたのに、急に現れたこの2人には竜人の力だけでは勝てそうにない。
「ふぅぅぅんっ! 『光剣』! 一刀流! 『次元大切断』!!」
ガキンッと音がして、バルナルドの体に巻き付いていた磁力の縄が切れた。
だが、六駆の持つ『光剣』がひび割れる。
『光剣』は、異世界の刀匠が磨き上げた刀を具現化している武器である。
これまで斬れぬものなしと思われていたその刀が、折れるまではいかずとも、損傷する。
これは初めての事だった。
「す、すまぬ。逆神六駆。余は煌気を抑える事に成功したのだが、成功した瞬間に捕縛されたのだ……」
「出来なかった事が出来るようになったのは偉いですよ! ですけどね、タイミングを考えて下さい! 敵襲の後に煌気抑えるバカがいますか!!」
「不甲斐ない余を許してくれ……。では、もう煌気を全開にしても?」
「良いに決まってるじゃないですか! このままだとあなた、面白い生き物として捕まって、解剖されますよ!!」
バルナルドは南雲を見つめて、テレパシーを送った。
「ヤダ。人間の世の中ってホントに怖い」と。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「これは驚きました! そこの剣を使った君! まだ若いのに、素晴らしい使い手だ! 私の部下の777番くんは強いのに、そのスキルを斬って見せるとは!!」
六駆は777番の実力を計算していた。
彼の中では、「少なく見積もっても5南雲はある」と結論が算出され、そんな男を部下にしている上官は更に上をいくだろうとも考えた。
「南雲さん。ちょっと僕の代わりに行って来てくれますか?」
「どこに!? 私も戦った方が良くはないか!?」
「いえ、足手まといとまでは言いませんけど、それよりもこの場を任せられる戦力がもっと欲しいです。急襲部隊が急襲されているんですから、これはまずいです」
「つまり、協会本部に救援を求めるんだね?」
「違いますよ! それはデスターに着いてからって話だったでしょう? 南雲さん、バカだなぁ!!」
「ば、バカって言うなよぉ! なんでこの緊迫した場面で私の事をバカって言うの!? 敵に思われるじゃないか! あ、こっちのおっさんバカなんだ!! ってさ!」
幸いだったのは、3番が作戦会議を待ってくれるタイプの敵だった事である。
これが空気を読まない手合いだった場合は、六駆も本気を出していただろう。
「僕がしばらく相手をしておきますから、南雲さんはスカレグラーナに行ってください。ちょっと離れたところに『門』を出します」
「竜人さんたちを更に連れて来るのか!? 相手はそこまで強いのか!? 逆神くんでも敵わないほどに!?」
「そんな訳ないでしょう! 南雲さん、バカだなぁ!! 全力で相手するのがダルいだけですよ!!」
「バカって連呼するなよ!! というか、君の全力で解決できるならそれやってくれないの!?」
六駆は首を無言で横に振った。
「だって、デスターでも戦わされるんでしょう? 嫌ですよ。疲れるし」と現代っ子みたいに不貞腐れた態度を取る。
南雲は「こういう時に力なき正論って無力だよね」と天を仰いだ。
「ここは僕とバルナルドさんでどうにかします! 行きなさい! ナグモ!!」
「君、さては本格的にエヴァンゲリオンにハマったな? 分かった。行くよ。ここは任せた!」
3番は作戦会議を待ってくれる余裕のある大人だったが、戦場から撤退する者まで許すほど優しくもない。
「777番くん。やりなさい」
「かしこまりました! 『圧縮玉』! 『滅殺砲』!!」
3番。クリムト・ウェルスラーの造ったイドクロア武器は、南雲の造ったものと同程度の攻撃力を持っており、当然のことながら使用者のレベルが高ければ威力も必然的に増す。
巨大なバズーカ砲から放たれた煌気の塊が南雲の背中に迫る。
「ふぅぅぅんっ!! 『銀色星屑盾』!!」
「これはすごい! 『滅殺砲』を防ぎますか!! いやいや、素晴らしい!!」
「あなたが誰かは存じませんが、僕とお話をしたいのならお金を積んで下さい!! バルナルドさん!! 殺す気でやって構いませんよ! 後で生き返らせますから!!」
「心得た! グルアァァァァッ!! 『ゴルドブレス』!!」
竜人・バルナルド、口から金色の炎を吐き出す。
その威力は凄まじく、777番は熱に耐えきれずに後退。
ついでに金色に惹かれた六駆が若干の火傷を負った。
「さ、逆神六駆!? 卿はどうして今、余のブレスに飛び込んだのだ!?」
「すみません! 金色だったもので、つい!! ふぅぅぅんっ!! 『門』! 遠隔発現!!」
「余の攻撃はだいたい金色なのだが……」
「それはまずいですね! 多分、反射的に喰らいに行くと思います! ですが、お気になさらず!! ガンガンやってください!!」
バルナルドは思った。
「それ、すっごく気になる……」と。
◆◇◆◇◆◇◆◇
激戦の続く東の駐屯基地から3キロほど離れた場所に、六駆の出した門はある。
南雲は速やかにそれをくぐり抜けた。
スカレグラーナに彼が訪れるのは実に10数年ぶりのこと。
ヌーオスタ村に竜人たちがまだ滞在していたのは幸運だった。
「ジェロードさん! ナポルジュロさん!! 私は監察官の南雲修一です!! 逆神くんの代理としてやって来ました!!」
先にホマッハ族が反応した。
「生ナグモ! 現場に来ないナグモが来た!」
「ナグモ! 手土産もなしに来た!!」
「ナグモが独身なのは、そういうとこ!!」
南雲修一、心にダメージを受ける。
「貴公がナグモか。話には聞いておったが、見えるのは初めてであるな。我はナポルジュロ」
「我がジェロードだ。何用か?」
「バルナルドさんが苦戦しているのです! どうか、お力を貸してください!!」
「今日はシフトに入っておらぬのだが?」
「我らはオフである」
その後、頑なに「行きたくない」と腰の重い竜人たちを必死に説得する南雲であった。
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