【紫陽花の色】
ポートマフィアからでて織田作の居る廃墟へと走る。早くしないと織田作が死んでしまう…早く、早く、早く!!廃墟に着くと、中から沢山の銃声音が聞こえる。肩で息をしながら、入口を探す為廃墟の周りを見渡す。先程降っていた雨の雫のお陰で木々がキラキラと輝いている。廃墟の周りには紫陽花が咲いていて青く輝いていた。そうこうしている間に鳴り響いていた銃声が止んだ。やばい。織田作は!直ぐに入口を見つけ死体を少し踏みつけながら織田作の場所へと急ぐ。そこを見ると織田作とミミックの首領が倒れていた。私は織田作!!と叫び駆け寄る。肩にかけていた外套が落ちても気にせずに織田作の所に行く。織田作を抱えると手に血が着いた。駄目だ。駄目だ織田作。私が焦っていると織田作は私の名前を呼ぶ。其の声は少しか擦れていて寂しげだった。織田作は私に言った。
「人を救う側になれ。何方も同じならいい人間になれ。弱者を救い、孤児を守れ。正義も悪も、お前には大差ないだろうが、その方が、幾分か素敵だ。」
少し微笑んで私には聞こえない声で何かを呟き目をつぶった。どんどん体温が無くなって冷たくなっていく。あぁ、本当に死んでしまったんだ。私の手の中で…私が助けられなかったせいで。…人を救う側…か。ねぇ織田作。闇で生きていた人間は光に等なれない。なのに何故織田作は私に其の言葉と言う呪いをかけてくるの…?…考えても仕方がない。織田作をゆっくり地面に寝かせ、窓の外を見る。雨上がり、輝いている木と木の間に綺麗な7色の虹が見えた。その虹は、私には色褪せて見える。ねぇ織田作。また私に微笑んでよ。私の名前を呼んでよ。…願っても叶い等しない。先程迄青く輝いていた紫陽花は紅くなり、醜い色に変わっていた。
コメント
1件
なんかもう文章がお上手だぁぁ!! まじで好きですうう!!!