わっ!という声と同時に君の背中をぽんと叩く
「なんだ ひな か」
「 ひな さんですよ~?w」
「なんだそれw」
そういい君は笑った。
「あ!そうだ! たいき !今回のテストやばくてさ~、ピクニックしないっ?」
「おい、文章が成り立ってないぞ、…行くのはいつ?」
「ん~、来週の土曜日!」
そういった後君はスマホを見た
「…分かった、部活もないわ!」
「ラッキー!なら夜まで遊べちゃうね?」
「そうだなw」
「じゃ!朝練頑張れ~!!」
「おう!」
そういい大きく手を振り逃げるように去っていく
廊下の隅のベンチに腰掛ける。
「あ~っ!!誘えた…やったぁー!」
「何かいい事でもあったの?」
前を見ると 千夏先輩 がいた。
「 千夏先輩 っ!どうも、」 「どうも~」
そういい互いに少しお辞儀をした。
「いや実はぁ!好きな人遊びに誘えちゃったんですよね」
「え!!すごいね!」
千夏先輩 もきっと たいき の事好きだよね、
「楽しんできてね!」
「はいっ!!」
この人無駄に優しいからちょっと嫌い。
「て訳だから、土曜部活休むわ」
「ん、」
匡 は相変わらず冷たいな…
「 ひな から誘ったの?」
「あ~、そうだな」
「ふ~ん」
「え!!なんで?なんでぇ!?」
「いや、なにも」
「…」
特に意味は無いがバド部を眺める。
たいき 君楽しそうだな…
きっと 蝶野 さんの好きな人って たいき 君だよね。
なのに私一緒に住んでるとか…立場最悪だよね…
「 千夏 ~!!」
「 渚 !!」
「ぼ~っとしてても時間は過ぎてくだけだよ?シュート練しよ!!」
やっぱり 渚 は優しい。
私が何かに悩んでるって気づいたから
「そうだね!」
《土曜日》
あぁ…何着たらいいんだ!!
あいつの好みの服はなんだ!?ガーリー?クール?スポーティー?
「嗚呼…づ が れ゛だ ぁ…」
結局ガーリー系のピンク色のワンピースにした。
てっ…!!今から遊ぶのに何疲れてるんだ私!!
これで用意も全部終わり!
「行ってきま~す!!」
数分後、待ち合わせ場所につく。
駅前の噴水近くのベンチに腰掛ける。
待ち合わせ時間は朝の10時半
少し人も賑わっている時刻だった。休日だからだろうか。
「ねぇ~、そこのピンクいお嬢さん!俺たちと遊ばない?」
な、なに…!?これは例のナンパか!?
「えっと、友達待っているので」
ふっ!!言ってやったぜ!!流石 蝶野雛 様だな!!
「その友達ほっといて俺たちといた方が楽しいよ?」
な…なぬ!!?完璧だと思ったのに
「いや、私友達と遊びたいんで…!」
「いいからさ~」
そういい私の手を掴み無理やり引っ張られる。
「ちょっ…!!」
立ち上がった時だった。ズキっと足首に痛みが走る。
「いっ…、」
「やめて貰えますか?」
その声と同時に掴まれた腕を離す。
「 たいき っ」
「え、これが友達~?」
「そうですけど、 ひな になにか用が?」
もうやめてよ…
「そんな友達置いといて、俺と遊ばない?」
「 ひな は友達でもあり、俺の 彼女 なんで」
こんな事されたら、
もっと好きになっちゃうじゃん…
その男はちっと舌打ちだけしてどこかへ消えてしまった。
「その…ありがとう、 たいき にしてはやるじゃん!!」
「なんだよ、それw」
「あと、その…勝手に彼女とか言っちゃってごめん」
「ぜ~んぜん!むしろ守ってくれてありがとう!!」
「そういえば、足大丈夫か?」
「ま~!これくらい大丈夫!!」
「無理すんなよ」「はぁ~い」
「なら、公園まで行くか」
「うん!!」
公園についた。
フリースペースの芝生だ、木陰にレジャーシートを引く。
「完璧!!」「だな」
そんな時私のお腹がぐぅ~っとなった。
「あっ…」
「あっははwお腹空いてるのか?」
「朝ごはん食べるの忘れてしまって…」
「ならちょっと早いけど食べるか」
「うん…!!」
「完食~!!流石食いしん坊 たいき !!」
「はぁ!? ひな の方が食いしん坊だろ!!」
「そ~かな?」
「あっ! たいき く~ん!! 蝶野 さ~ん!!」
少し奥にはラケットを持った 千夏先輩 がいた。
「千夏先輩!?どうしたんですか?」
「私たち今バドしてて、一緒にどうかなって」
「バドミントン!!?やります!!」
「あ~…」
私今ワンピースだしな、
それに…2人きりじゃなくなっちゃったし。
よし!なにか理由つけて帰ろう!!
「あ、私この後急遽予定入っちゃってぇ~!!」
「え、そうなのか?」
「そ~、ごめんね、!!」
無駄に早足になる。痛いはずの足がすらすら動く。
「それじゃ!ばいばい!!」
あぁ、なんで私いつもこう…
匡から全部聞いたよ、本当は部活あるって事…
「 ひな ~!!」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「 たいき !?」
「ごめんな、俺がバドミントンって言葉に反応しちゃって…」
「全然!!」
「一緒にカフェとか行かない?」
「予定は?」
「今無くなった~」
「なら行くかw」