テラーノベル
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『Guten Tag。ソビエト連邦殿』
『……Привет』
そこには謝罪もなく、ただ着席を促され、その流れのままにメニューを渡された。 一応、店の雰囲気は良い。だが、そこまでだ。
『ここのヴルストは良いものだ。もし迷っているのなら頼むといい』
『では、そうしよう。だが……もう少し、何かないものなのか。ここまで歩かせておいて、謝罪代わりにそのヴルストを?』
『はは、俺は案内が不得意でな。部下からの話を聞く方が有意義な時間を過ごせるだろう』
そちらの方が効率的なので、そうした。そうとしか聞こえず、こちらの感情を考えているとは思えない。それはただの言い訳でしかない。
元々期待はしていなかったけども、丁寧でない飽き足らず言い訳も上手くないだなんて! と。
ただの文句ではない。それは単に腰を下げる馬鹿でなく、なんらかの理由や美徳を持つ可能性があるのだと、次は何をされるのかと楽しみだった。
『それで、実のところは?』
『はて、一体何のことだか』
彼は無視にも近い返しのみで話を終わらせようとしていた。店員へ二つほどの注文を伝えて、メニューを返して、そのまま数秒ほどの空白へと入った。
このままならば料理が届くまでずっと言葉がないままかと感じた俺は、流石に我慢出来ずに続けて追求した。……今回に関しては、短気などという問題ではないはずだ。
『評価を落とそうと聞いている訳では無いのだが』
彼は面倒そうに溜息をついて、漸く諦めた様子を見せた。
最初からそうすればいいものを。
『メリットを感じなかった、それ以上でも以下でもないさ。これで求める答えを渡せたか?』
『ああ。満足したよ……Спасибо』
『答えづらい思いながら聞いたとは、いい性格をしているおヒトだ』
他人が見て、なおよく見えるものでは無いかもしれないが……それでも、ここで彼が正直に時点で、ただの腰抜けのカスではないだろう、とそういった期待は増えた。
使い慣れていない己の表情筋が、勝手に軽く半月を描いたのを感じた。
コメント
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第14話、読み終えました。 お互いを探り合うような会話の空気感がすごく好きです。「メリットを感じなかった」の返し、かなり突き放してるのに、それでも通じ合える何かが感じられるのがリアルで……。 最後の「表情筋が勝手に半月を描いた」って描写、静かな感情の変化がすごく丁寧で、思わずこっちも頬が緩みました。14話でもまだまだ続きが気になる展開、楽しみにしてます🌙
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