学校が終わり、胸の高鳴りを抑えながら月夜はチラシに書かれた住所へ向かう。
街角を曲がると、可愛らしい看板と、どこか非日常を感じさせるメイド喫茶が見えた。
中に入ると、香る紅茶とお菓子の甘い香り。
そして、制服を着たメイドたちが忙しそうに働いている。
受付のメイドが優しく微笑む。
「いらっしゃいませ。面接ですか?」
月夜は小さく頷き、少し緊張しながら面接室へ。
面接官は笑顔を見せつつも、目は鋭く、月夜の雰囲気をじっと見つめる。
「では…あなたがこのメイド喫茶でやりたいことを聞かせてください」
月夜は少し間を置き、核心を突く言葉を口にする。
「ただ可愛いだけのメイドではなく、見る人に“ドキッ”とする存在になりたいです」
面接官は微笑んだ。
「面白い…では、明日からでも大丈夫ですよ」
翌日、制服に身を包んだ月夜は、初めて刀を持つことになる。
それは、普段の柔らかい表情とはまったく違う鋭さを帯びる瞬間だった――
家に帰ると、月夜はワクワクしていた。
明日から__。
その言葉を心の中で何度も繰り返しながら、自分の部屋に置いてある刀を見つめた。
同時に、隣に置いてあるベースも見つめる。
月夜のお母さんは、元ドラマーだった。
それで、中学生の頃…お母さんに憧れて誕生日にベースを買ってもらった事を思い出した。
あの時は、色々と教えて貰ったが…お母さんが病気で亡くなった今。
新しい道を進んでる。
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