これは合ったかもしれない。そんな桜が咲き始める春のある日の物語。
休日。久しぶりに凪と一緒に出掛けに行こうと約束した時の事。
「 凪~?起きてるか~? 」
凪の家の前。インターフォンを押すと凪からメールで返信が来る。
「 ん? 」
メールの文面にはこう書かれてあった。
[ 鍵空いてるから入ってきて。何にもしたくない。起きれない。 ]
「 はぁ…ホントしょうがない奴だな。凪は。 」
そう呟くも心の何処かでこれが凪なんだという安心感も生まれる。
そしてドアを引いて、凪の部屋に入る。
「 凪~入るぞ~。あと鍵ちゃんと閉めろ。防犯対策ゼロは流石にヤバい。 」
「 うーん…めんどくさい… 」
凪はまだベットの中で丸まっていた。
「 ほーら。起きろ~?出掛けるんだろ~? 」
「 やっぱりめんどくさいし…玲央…来週にしない? 」
「 ダーメ。今日行くぞ。ほら、起きろー? 」
そう言って布団をはぎ取る。
「 うわ…玲央、布団返して。 」
「 だから、起きんだってば!ほら、手。 」
手を差し伸べて凪を起こす。
「 それに今日出掛けたいって言ったの凪の方だからちゃんと行くぞ? 」
「 えぇ… 」
凪は頭をポリポリと掻く。
「 ほらほら、顔洗ってきて。適当に服選んどくから。 」
そう言って、立たせて洗面所に向かわせる。
そして俺はクローゼットを開けて適当に服を選ぶ。
凪の持ってる服は一定で代わり映えしない。服もまた買いに行かせないとな…
「 顔洗ってきた… 」
まだ眠そうな凪に服を渡す。
「 ほい。これ着て待ってろ。朝…というかもう昼だけどメシは外で食わせてやるから。 」
「 ん。 」
そうして凪が着替えてる間に布団を綺麗に戻す。
「 なぁ、凪? 」
「 なに? 」
「 今日、なんで急に出掛けたいとか言い出したんだ?凪っていつも部屋で居た居たいタイプの人間だろ? 」
「 …そうだけど、春って何しなくても楽だし。散歩とかしてもいいんじゃないかなって 」
着替え終わったのかスマホを弄りながら呟く。
「 凪はやっぱ凪だな! 」
俺はなんだか安心する。
これがいつもの凪で、きっと何時までも凪はこんな感じだろうなって。
凪はずっとエネルギー出し続けれるタイプじゃないし、ネガる時もあるだろうし、常時「めんどくさい人間」だけど。
「 いつかさ 」
「 ? 」
「 凪がサッカー辞めちゃったりさ。俺のこと忘れちゃったりさ。しないかなって。なんか不安になるんだよなぁ。ほんとフシギ。 」
「 …俺、玲央の事忘れないし、サッカーは…めんどくさいけどできそうだからやってるだけだし。 」
そう言って俺を見る目はなんかいつもの凪よりしっかりして見えた。
「 ン… 」
すると俺はなんだか安堵感から笑いが込み上げる。
「 やーっぱ凪は凪だな! 」
「 今日の玲央なんかめんどくさい。 」
「 俺がめんどくさいのは常時だっての。ほら行くぞ~ 」
これは合ったかもしれない。そんな桜が咲き始める春のある日の物語。
コメント
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@ 央 雅 . 様 リクエストありがとうございました。