attention
・全て捏造、フィクションです
・腐向けの意図は一切ございません
・無いとは思いますが迷惑行為(無断転載、他の方が不快になるようなコメントなど)はNGです
・さりげなく現パロ
・ふんわり死.ネタ
・年齢操作(中高生歳程度)
僕ら狐のままでいようかを繰り返してしまう
ここには光はないし、ましてや言葉もないし
気づいたら僕らこれからどうしようか_
♢
入院しているひとらんらんの所に行った。
少し怪我をしたくらいならば、毎日見舞いに行くなんてことはしない。彼はもう私の背を越してしまったし、声も低くなった。
それでも見舞いに行くのは多分心配だから。怪我がどうのではなく、生きているかどうかが一番心配で。
ノックをしてから病室に入った。彼はやっぱりそこにいた。上半身だけ起こしてぼんやりと窓を眺めている。
外の景色は、閉められたカーテンに遮られて見えなかった。彼はそれに何を見出し、何を思っているのだろう。
_もしその行為に意味がないとわかったら、そのときはどうしよう_
「……ひとらん、きたで〜。スーパーキュートなじぇーけーに毎日来てもらえるなんて、ひとらんは幸せ者やな!」
考えるのが怖くなって、声をなるべく明るく繕って彼に笑いかけた。近くに用意してあったパイプ椅子に座る。
「…まんちゃん、来てたんだ。ごめんね、何ももてなせなくて」
「ええんよ、もてなすなんて。ひとらんは病人なんやから、ちゃんと休み」
彼がくるりと振り向いて、ようやく目が合った。濁った彼の目がこんなにも恐ろしい。
(綺麗だったのに。少し前までは澄み切った黒だった。その黒色が好きだったのに)
きらきらと美しく光る彼の目が好きだった。彼らしい落ち着きと強さを持った優しい瞳をしていた。いつだって凪いでいて、夜の海のようだった。
………それなのに。
ぎゅっと唇を噛み締めた。手が震える。怒りか悲しみか、両方か。
「…まんちゃん?どうしたの」
「………えっ?」
「らしくないね。考え事?」
「…ぁは、そんなとこめう〜」
『そうやってまた見ないふりするんだ?気楽でいいよね』
…変に事を起こして、万が一彼に何かあったら元も子もないじゃないか。今はこれでいい
『彼を使って言い訳してるんじゃなくて?そうやって逃げてるだけなんじゃないの』
立ち上がった反動でガタリ、と音を立てて椅子が揺れた。ごめんひとらん、今日はもうだめみたい。
「まんちゃん?どうしたの」
「あ、えっと、ごめん、用事思い出して」
「…そっか。間に合いそう?気をつけて帰ってね」
「うん、ありがと…」
自分はなんて屑なんだと、つくづく思う。
♢
「ひとらん、こないだはごめんな。最近忙しくって」
「いいんだよ、来てくれてありがとう」
嘘だ。本当は用事なんてなかったし忙しくもなかった。行きたくなかったのだ。彼の顔を見るのが怖くて、どんなふうに話せばいいかもわからなくて。
気づけば、あの日から2週間以上たっていた。
ふと、この間の事が頭によぎった。
『彼を使って言い訳してるんじゃなくて?そうやって逃げてるだけなんじゃないの』
ぎゅっと手を握りしめて、震える口元を無理やり動かして。
「ひ、ひとらんはさ…いつ、退院できる?」
「えっ?確かもっと先だったと思うけど。なんで?」
言える。大丈夫、いつもと同じ。なんてことない会話の一部だ。
「遺品整理…とか。家片付けなあかんし。あと、どこに住むかとかさ、」
「…………。」
「あんま、言いたくないけど。ひとらんの父さんも母さんも……もうおらん、やん」
彼の父と母はもういない。亡くなったのだ、彼のことを庇って。事故だった。彼は頭部の損傷だけで済んだものの、両親はそうもいかなくて、すぐに。
大人は口々に「可哀想」と言っていた。どうせ心の底では面倒くさいだの何だのと思っているくせに。
彼は賢かったから、大人の本音を素早く察知した。それで、事故の怪我と精神的ストレスで病室に籠もりきりになってしまって。
それからは、ずっとそのまま。
医者や看護師が何も言わなかったのが不幸中の幸いだった。彼にはもう帰る場所がないから。
「…そっか」
黙っていた彼が口を開いた。
「父さんも母さんも、もういないんだ。俺、一人だけ…」
引き攣った笑みの隙間から虚しさが漏れていく。真っ黒の瞳が緩んで、ほろほろと涙が溢れ出した。
「いないんだ。誰もいない。ひとりだ。どうしよう、まんちゃん、これからどうしよう。」
「ひとらん、」
「期待してた、夢なんじゃないかって。でも違った、現実だった…。全部、ぜんぶ………」
彼は泣きながら静かに笑っていた。きっと苦しいのだ、悲しいのだ。自分には想像もつかないくらい。
痛がっている彼に、俺が言えること。
「ひとらん、ひとらんはさ、運がないんだね」
「運がない……?」
「うん。それだけ。運がなかっただけだよ。それ以上でもそれ以下でもない」
運がなかっただけだ。不幸だっただけだ。可哀想だなんて薄っぺらい言葉で彼を慰めるだなんて、そんなの彼に失礼だろう。
彼は、ぽかんとしていた。その後笑顔になって、悲しそうな顔をして、また笑おうとして、顔を顰めて、静かにまた泣き出した。
自分も泣きそうだった。どうしてかわからないけど、叫び出したいくらいに胸が苦しくて熱い。行き場のない腕を彼の背中に回して、静かに背をなでていた。
結局その日は、彼が泣きつかれて寝てしまうまで側にいた。彼へのせめてもの贖罪だった。
彼が寝たのを確認してから、静かにカーテンを開けた。窓の向こうには夕焼けが広がっていて、丁度太陽が山の奥に飲み込まれていく。
カーテンは明日から開けておこう。彼がこの夕焼けに、明日の朝焼けに、何気ない景色に、何かを見出だせるように。
♢
気づいたら僕らこれからどうしようか
二人最後に
笑うだけ。
krank
あとがきの時間だ!!!!!
party night!!!!!!!!!!!!!
めっっっっっちゃ難産だった…むずい…むずかしかったよお…あっぷっぷ…あっぷあっぷ…
あとなんちゃって曲パロです。k.r.a.n.kいい曲なので是非聞いてください☆
アッあれですね、ほんと長い間更新してなくてすんませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!(スライディング土下座)
許してください。え?いいんですk(((殴
つーか内容がマジでかすかす…こんな引っ張っていて山場がこんだけとか…🥺←は?
あっ以上です!!!!!!!!!!閲覧ありがとうございました!!!、!!!?!!
※何故このような喋り方をしているかは前回投稿した作品をご覧ください
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