文豪ストレイドッグス 🤕 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠解説はコメント欄で
⚠雰囲気重視
⚠BEASTのネタバレあり
⚠終始🤕視点
それでも良い方だけお進み下さい𓂃🤕
あの日、君を拾った。
16の時、薄暗い路地でうずくまる君を見つけたのが出会い。白いワンピースは返り血で汚れていた。
「こんな処で何してるの」
「死のうと思って」
「こんな処にうずくまってるだけじゃあ人は死ねないよ」
「もう5日何も食べてない。だから餓死出来ると思って」
私が声をかけると、君はゆっくりと顔を上げる。其の瞳は虚ろで、深淵のように真っ黒だった。
当時の私と同じ目をしていた。
「私は人を殺した。生きる価値なんてない」
「そんなこと云ったら僕は如何なるんだか。おいでよ、僕が君を導いてあげよう」
「厭だよ、貴方ポートマフィアでしょ」
これ以上人を殺したくない。
既に両手は血で染ってるというのに未だに綺麗な人でありたいと、純な儘死にたいと願う愚かな君に、酷く胸が高鳴った。
「殺しは誰かの絶望を招くこともあるけれど、時に救済にもなる。死ぬべき人間も少なからずこの世には居る。君の殺しが必ずしも間違いだったとは誰も云い切る事は出来ないよ」
君は驚いたように目を丸くして、此方を見上げ、私が差し伸べた手を取った。
私は其の時の行動を、数年後後悔する事になる。
「〇〇ッ!」
「おさ、むくん…」
血に濡れた君を抱き抱えると、手に赤が滲んだ。
初めて会った時、君の服を汚していたものとは違う、君自身の血。
目が眩んで、息をしている最期の君をちゃんと目に焼き付けたいのに、視界が歪んでよく見えない。
「治くん、私を仲間にしてくれてありがとう。私は此の2年間が迚も幸せだったよ」
か細い声。冷たい手。体温がみるみるうちに落ちていく。
「やめてくれ、死なないで、私を置いてかないでくれ…」
「ごめんね、」
「厭だ!お願いだよ…」
私を独りにしないで…。
私の所為だ。
私があの時君を拾ったから。ポートマフィアなんかに入れたから。
其の後悔は4年経った今でも消える事はない。
彼処の私は、上手くやっているだろうか。
「太宰さん!」
「やあ、昨日ぶりだね」
何時ものを頼むよ、と云うと君は元気に返事をする。
6年前に君を拾った。裏路地でうずくまる君の手を引いて、住まいと仕事先を用意した。
ポートマフィアとは一切関係のない、強いて言えば本部ビルからほど近い場所の喫茶店。
老夫婦が営む其処で君は働く。
彼処の私がした過ちは犯さない。
程なくして君が珈琲とシフォンケヱキを手に私の座る席にやってくる。
「お待たせしました」
にこりと微笑む君は、彼処の世界にいる君より余程幸せそうだ。
晒された右目でこれでもかと君の笑顔を脳に焼き付ける。
君とこうして会うのも、最後になるだろうから。
「じゃあね」
「はい!……太宰さん!」
食事を終えて会計をし、店を出る。何時もなら其れを見送るだけの君が、何を察知したんだか今日は外まで出てきた。
明るく心地よい高音で、私の名を呼んで引き止める。
「また明日!」
「……うん、そうだね、また。」
嬉しそうに笑った君の笑顔を見て、もう後悔はない。
私は今度こそ店に背を向けて歩き出した。
それで好い。君が幸せなら、それで。
コメント
9件
もう小説家になりなよ((?))
え、あ、え……、最高過ぎるでごわすですます(?) 右目のところでもう、何か、すごい、凄かったです。(語彙力消滅) あああ切ない…、!!解説を読んだ後にもう一回読み直すと更に切ない…、!!!でも最高です…、! 昨日丁度BEAST読み終わったんですよぉぉぉ…!!集中力続かせるの頑張って良かった…、!! えと、あの、神作をありがとうございますッッッ!!!
解説読んでからまた読み直したよ ! ほんっとにミステリー感あって楽しめたし 、BEAST軸と原作軸とか今まであんまりみたことないから 、びっくりした😳 それでもこんなに神作なのが素晴らしいです