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かまな
300
『寂しい』
sdnk.
nk side.
恋人と雨宿りをしている最中。其奴とは地元との友達兼仕事仲間兼恋人、って感じで意外と上手くいっている。勿論意見のすれ違いもあるが。昔からの付き合いっていうのもあって、お互いの事を理解出来る関係な為、色々と都合がいい。
『雨、止んだな』
「…だね」
雨が止んだのにも関わらず、一向に足を動かさない俺ら。ずっとスーパーの前に突っ立っている。俺が好きな天気は雨。晴れは日差しが強くてうざいし、あれだけど、雨は太陽が出てなくて、何より雨上がりの屋根から垂れる水滴の音が心地良い。
『鞄重いじゃろ』
「あ、ありがと」
そう言いながら俺の肩にかけてあった鞄を外し、自身の肩にかける彼。そんな優しいところを好きになったのかな〜となんとも言えない感情が顔を出す。未だにアスファルトは濡れたまんま。その水溜まりは俺らの姿を反射する。顔は水溜まりのせいで歪んで見えない。けれど、俺らの距離が少し遠いのだけは把握出来た。
『この後なんかある?』
「なんもないけど」
『そっか』
なーんていつもの会話をする。なんとも言えない沈黙が続く。辺りの人が傘を閉じ始める。ボタンを閉めず傘を地面に叩きつけながら歩く人、ボタンをきっちり閉め、傘が傷つかないように地面から離す人、色々な人が居るこの世の中は人間観察が楽しい。
『傘持ってくれば良かったな』
「もう止んだし後悔するの遅いでしょ」
『確かにな、笑』
チラッと横を見てみると儚げに笑う彼の姿が見えた。その乾いた笑い声は学生時代と何も変わっていなかった。信号の色が青へと変わる。いつの間にか水滴も垂れなくなっていて、空には7色の綺麗な橋がかかっていた。小さい頃、よく書いたなとあの頃を思い出す。
『そろそろ帰る?』
「そうしよっか」
やっと俺らは足を踏み込んだ。スーパーへ出て、雨を見た時の絶望感がまるで昔かのように遠ざかっていく。水が灰に変わる、灰が水に変わる瞬間はこんなにも儚いんだ。
「足揃えて」
『ごめんごめん』
彼はいつも俺より前の方に居る。歩くのが早くて、俺はいつも置いてかれそうになる。大体信号の時に巻き返すけど。信号が青へ変わった。ゆっくり歩いていたら青がチカチカし始め、焦りながら横断歩道を超える。
『…手繋ぐ?』
その彼の一言で時が止まった。
「…うん」
ぎこちない返事をする俺。恋人の手に包まれる。なんとも久しぶりな感覚。なんでか分からないが、さっきより空が明るく感じた。手をゴソゴソし始め、疑問に思い聞いてみると、何も言わず、気が付くと指と指が交わっていた。所謂’’恋人繋ぎ’’ってやつ。ふと横を見ると少し照れくさそうな顔をしている彼が居た。
「…好きだよ」
『え、あ、俺も…⸝⸝』
俺が愛を伝えると直ぐ顔を赤くするシードが好き。これからもよろしくね。
終了‼️
見て下さりありがとうございます🙇🏻♀️💗
毎回の如くリクエストもお待ちしております🍀*゜
ではまた次のお話で👋🏻💖
コメント
1件
うわ、めっちゃ良い……! 雨上がりの空気感とか、水溜まりに映る二人の距離感の描写がすごく繊細で刺さりました。特に「水が灰に変わる」って表現、儚くて好きです。最後の恋人繋ぎと「好きだよ」のやり取りで一気に甘酸っぱくなって、思わずニヤけました笑。短いながらも静かに心に残る作品、ありがとうございます!