テラーノベル
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担任の話が終わりSHRが完全に終わる。
放課後になって生徒たちは各々、部活や掃除はたまた遊びに行くために帰り支度をしている。
「刀也〜今日剣道部ないんだろ?ゲーセン行かん?」
「そうなん!?え、剣道部ないの珍しっ」
「今日は予定があるから真っ直ぐ帰るよ」
「予定…?まさか図書室か??」
「違うよ、普通に親戚の家に行くんだ」
「へぇ〜そうか。なら仕方ないなぁ」
嘘。本当は親戚じゃない。とても大事な、その…恋人の家にお呼ばれしている。
「じゃあ校門まで一緒に行くわ」
「あ、俺のこと待っててや!今日は掃除あるのや!!」
「はいはい、刀也行こーぜ」
「っ…あの人は本当に……」
僕はスマホから来た連絡を見ながら、嬉しくも迷惑な溜息を吐き出した。
「どした?」
「親戚の人が『車停めてるからはやくおいで』って…」
「送迎か、いいな〜俺なんてこっから車で2時間だからな!?」
「その話、何回したら気が済むの?」
他愛のないしながら下駄箱で靴を履き替え、昇降口を出る。
すると……
「お、刀也。リムジン停まってるぜ!?やべぇ!!かっけえ!!」
「あの雷ゴリラ…!?!?」
なんでよりによってリムジンで来るんだよ!!
「え、なんて??」
「刀也、迎えに来ましたよ」
いつのようにオーダーメイドのスーツを着こなし、車内から出てきたハヤトさんをみて
「え”、イケメン。刀也!!中からイケメンの化身出てきたぞ!?」
僕の友人は、僕に変なことを言いながら僕の肩を掴み揺すってきた。
「何ってるの?あと、そんな揺さぶらないで」
「やべ、すまん」
「良いから…じゃあ俺は行くから。」
「そっか。じゃあまた月曜な〜!」
「月曜は祝日だから学校ないよw」
「あ、そうか。じゃ!!」
「では行きましょうか。刀也」
スッ…と手を僕に差し出し完璧なエスコートをするハヤトさんに見とれ僕は気が付かなかった。
友人の顔が青ざめていてその目線の先には、ハヤトさんがいたことに。
車内に入ってすぐ、私は刀也さんに尋ねる。
「刀也さん、三連休のご予定は?」
私達は、互いに時間が合うことが少ないためカレンダー…予定表を共有している。
だから、彼の部活がこの三日間ないことは把握している。
「知ってるでしょ?部活はないですし特にコラボの予定もないですよ。」
「そうですよね」
この子は、気がついていないんだろうな。
この返答が、自らを快楽の地獄へと誘う回答だったことを。
ハヤトさんの様子が少しおかしい。そのことには気がついていた。
でも、追求はしなかった。ハヤトさんならタイミングを見計らって僕に教えてくれると考えていたからだ。
その考えは、正解だが不正解だった。
なぜなら、僕にとってそのタイミングが悪かったからだ。
「刀也さん、なに考えてる?」
「っ”はぇ…♡♡」
「あはは、もう頭ぐっちゃぐちゃになっちゃいました?」
「はや、しゃん…♡」
「ねぇ、私相手には言ってくださらないんですか?」
優しい声色で、でも激しい腰使いで僕を翻弄する彼の目には嫉妬の色がクッキリと浮かんでいた。
何か彼の地雷を踏んでしまったのか??
「にゃにがぁ”っ!!」
「『俺』って。同級生の前では使ってましたよね?私の前では滅多に使ってくださらないのにっ!!」
そんなことで嫉妬していたのか?この大人は…
「つ”よぃ!!おく、開いちゃぅ””♡♡」
「ねぇ、刀也さん。貴方は私のでしょう?だから、言って」
珍しいハヤトさんのおねだりに、応えたい…
「俺、も僕も…全部、ハヤトさんのだからぁ”!いま”いっでぇ””」
「全部、ください。学生の『剣持刀也』もVTuberの『剣持刀也』もっ!!」
「あ”〜〜♡♡♡も、無理ぃ”」
「貴方の全ては、私のです…ねぇそうでしょう?」
その問いになんて返答したか、いや返答できたのかすら僕は覚えていなかった。
「すみませんでした」
私は、自身の腕の中で眠りから目覚めかけている刀也さんに向け謝罪の言葉を述べた。
「何がですか?勝手に僕が友人に使う一人称に嫉妬して暴走したこと?それとも僕の意識がトブまで抱き潰したこと??」
「う”っ…両者です……」
彼が、同級生にみせる姿が私に向けるものとは違く嫉妬してしまった。
同級生には「フィリア」(深い友情)
私には「エロス」(情欲的な愛)や「プラグマ」(永続的な愛)など
彼らとは愛の種類…格が違うのに、嫉妬して威嚇してしまった。
『彼ら』には悪いことをしたな…
「そんなハヤトさんが年下の恋人にすることは何だと思いますか?」
一日中、甘やかすくらいしか思いつかない。
「今日一日、介抱します。何かほしいものはありますか?」
「昨日は、どっかの誰かさんが好き勝手してくれたせいで俺はハヤトさんの顔みながら満足にできてないんですよね」
「え…?」
俺…?刀也さんが、今。俺って…
「甘々にシてください」
「っ……まず、水。飲んでからで」
「はぁい…」
私は、彼にどうやって甘さを教えるか考えながら水を口に含んだ。
10月8日 とーやの日ということでkgty書いてみました
コメント
2件
めちゃくちゃ好きです…😭 フォロー失礼します🙇♀️🙏