テラーノベル
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「私、高校卒業したら福岡行くんだよね」
海辺の自動販売機で買った、もうぬるくなったはずのコーラを開けながら山田先輩はつぶやいた。
ショートカットの黒髪が潮風に揺れる。
「そうなんですか」
なんでもないことの様に僕は呟く。本当は喉が渇く様な猛烈な悲しさを持っているのに、馬鹿だと自分で思う。
「うん、バーテンダーになりたいんだけど、専門学校が福岡にしかないんだ。」
「もう会えないんですか?」
…口をついて出た言葉は、もう告白に近かった。
先輩は目を見開いてこちらを数秒見つめた後、目を逸らしてテトラポットに登った。
「うーん、わかんないなぁ」
無責任に先輩はつぶやく。
「…そうですか」
…もう九月なのに、一向に汗をかく暑さから下がらない気温を肌に感じているはずなのに、心は妙に冷え込んでいた。
「…バラライカと、グラスホッパー」
「…?」
「また会えたら、その時はこの二つ、作ってあげる」
そう言って、先輩は僕の頭を撫でた。
グラスホッパーのカクテル言葉
〈あなたに会えて嬉しい〉
バラライカのカクテル言葉
〈恋は焦らず〉
コメント
1件
あっ!珊瑚礁の中に蚕が!さん、第1話読ませていただきました。海辺の自動販売機のコーラ、テトラポット、潮風…夏の終わりの切なさがすごく伝わってきました。特に「もう会えないんですか?」の一言が胸に刺さります。カクテル言葉で約束を残す先輩、優しくてずるいですね。この後どうなるのか気になります。続きが楽しみです!
#政治的意図・戦争賛美✖
今日も朝が来るよ
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