家へ帰り、少し濡れてしまった頭を拭く。
ボサボサになってしまった頭を少しめんどくさいように、整える。
「だらしない姿なんて余程見られるようなもんじゃないわ…、苦笑」
自覚しながらもそう呟いた。
……特にupとかね、、
そう、upとああいう関係になってからはお互いを気にし合うことになった。
お互いのLINEも交換してるし、意外と話すようにもしている。
あくまで、“嘘”なんだけど、流石に気遣い位はするべきかな、みたいな常識的な考えでこうなっている。
だって、学校全体に私達が付き合ってる、なんて情報はもう流れてるんだから。
あいつが、学校一イケメンという人気さと、私の転校生という注目度からすると、こういうことは薄々予想していたのだけれども
「だからとはいえ、きついなぁ……」
これ、あくまで嘘で付き合ってんだから、一生生涯嘘をつき続けなければいけないってことだよね…?
流石に嫌だし、それはそれで、あいつと付き合うのは…///
…別に嫌ってわけでもないけど、さ
そう思った瞬に、ふと昔の声が聞こえる。
『ねーねー、これupが解いたの…!?』
過去の私は、upが、休み時間に解いていた難しい数学の問題を見て、声を上げる。
up『まぁね!』
『凄いや!up将来、絶対頭良くなるよっ✨️』
私は得意げに、目を輝かせる。
up『ほ、ほんと…? / 』
少し照れくさそうに頬を染め、嬉しそうに聞いてくる。
『ほ、ほんと…っ!//』
upが照れ臭そうにシてるのを見てると、こっちまで恥ずかしくなってきた。
途端にクラスの悪ノリ男子に、からかわれた。
『あれ〜?ltってupのこと好きなの〜?』
『はぁ!? ば、バカ好きなわけ無いじゃん…っ!?』
咄嗟にそう返した。
up『え、あぁ……』
が、そんな言葉にupは残念そうな顔をしていた。
「………ってなんでこんな事思い出してんだろ… // 」
「まさか、あの時、upって私のこと……」
ふと、そういう考えが過ぎる。
「ッ~~~ ってばか//そんなわけ無いじゃん…///」
「これはあくまで、嘘なんだからね!?//」
独り言であろうと、こんな話をするのは、ごめんだ。
私はこんな話も忘れ去って、寝た。
次の日。
up「やほ!おはよ!」
「ん、おはよ」
up「え、なんか元気なくない?」
「はぁ、そんなわけないって!」
up「そ〜?ならいっか………」
「「…………………」」
昨日までうるさいくらい話していたけど、今日は頑なに沈黙が流れる。
「ね、up…………」
up「ん、なに?」
「………やっぱ何もないッッ!だ、だからッッ、気にしないでね、!?」
私は焦って大きく首を振る。
up「え、なに〜?どーせなんかあるんでしょ、笑」
「ちちちち…違うって!?//」
up「ふっふ、笑顔赤いけど〜♡」
「おま、やめろ…っ、普通にキモい… / 」
up「まぁ、いいや。」
いつになったら嘘をつかないでいいのか聞きたいな、って考えが過ったのは心の奥深くにしまっておくことにした。
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