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記憶の夏
俺には今年の夏の記憶が無い。
正確には無くなってしまったと言うべきか
どうやら俺は夏休み最終日、交通事故にあったらしい。
俺自身事故のことも何も覚えておらず、目が覚めると病室に居たという感じだ。
夏休みに何処に行ったか、何をしたか、
何も覚えていない。
唯一記憶にあるの は1人の少女の名前だけ。
『 えと 』
この名前だけが頭の片隅に残っていた。
「えとさん … 」
「事故のことについて何か思い出したことはありますか?」
「 … いえ、何も」
いつものように病院のベッドでぼんやりしていると、警察が来た。事故のことを聞かせて欲しいと。
申し訳ないが、俺は何にも覚えてない。
「では、また後日訪ねます。」
「お大事に」
「はい、ありがとうございます。」
思い出したいよ俺だって。
えとさんについても気になるし
「ゆあんくーん」
「調子どう?」
「じゃぱぱ!」
「全然元気だよ」
仲のいい先輩が来てくれた。
名前はじゃぱぱ。8年前から仲良くしてくれて、俺が事故にあったと聞いた時はすぐに飛んで来てくれた。
「やっぱり何も思い出せない?」
「 … うん。」
「思い出そうとすると、頭が熱くなってぼんやりするんだ」
「そっかあ … 」
「19時だし俺もう帰るわ!」
「来てくれてありがとな」
「うん、じゃあな」
2日後
「ありがとうございました」
やっと退院だーー!!
あの長かったベッド生活から開放されると思うと心が踊る。
「ただいま!」
元気に挨拶をして家に入る。
家族が出迎えてくれて、これからいつも通りの生活に戻るんだと実感した。
明日から俺は学校。
みんなより1週間遅れて。
「ゆあんくん!」
「久しぶりー 」
「ヒロくん!久しぶり」
「交通事故に遭ったって聞いたけど大丈夫だった?」
「うん、もう元気だよ」
「あれ、ゆあんくんじゃん!」
「おー、うりじゃん」
教室に入った途端、友達に囲まれる。
嬉しいけどちょっと暑苦しい。
「みんな席座れー」
「今日は転校生がいるぞ」
丁度いいタイミングで先生が入ってくる。
「北海道から来ました。」
「桃橙『 えと 』です」
「 … えとさん?」
「1週間前からこっちに来たらしいけど、まだまだ分からないこともあると思うから」
「みんな教えてやってな」
「えとさんまじかわいいね!」
「それな!」
「北海道ってやっぱり寒いの?」
「誕生日いつー?」
「私、えとちゃんと仲良くなりたい!」
「俺も!」
「ええっと … 」
困ったように眉を下げるえとさん。
「みんな、桃橙さん困ってるっぽいよ」
「あ … ごめんね、えとちゃん」
「ごめん、」
「全然大丈夫だよ!」
「あの、さっきはありがとう」
「あー … うん。」
「君、交通事故に遭った人だよね?」
「え?」
「絶対そうだよね」
「この顔だったし!!」
「いや … 事故には遭ったけど、」
「なんで知ってんの?」
「私が助けたんだよー」
「え … 」
えとさんが … 俺を助けた?
だからえとさんの名前だけ覚えてたの?
「マジで?」
「マジマジ 」
「なんか倒れてたから救急車呼んだ」
「 … ありがとう。」
「どういたしまして」
「もう体調は大丈夫なの?」
「うん、もう元気」
「良かった。」
「これからはクラスメイトとして仲良くしようね」
「うん。」
優しく微笑んだえとさんが手を差し出す。
「よろしくね!」
「俺のことはゆあんくんって呼んで」
そして、えとさんの手を握る。
その瞬間、 ビリビリと電気に打たれたように頭に衝撃が走った。
記憶が戻ってきたんだ。
______
「ええ!?」
「人が倒れてる … どうすればいいのこれ、」
「う、 … 」
「あ … 大丈夫ですか?」
「とりあえず救急車呼びますね」
「あ!来た来た!!」
「通報者の『 えと 』です! 」
「この人です!助けてください!!」
「運びますね」
「えとさんも同行されますか?」
「私は … 急いでるので、」
「分かりました。」
______
「うん、よろしく」
記憶の戻った俺は、笑顔でそう言った。
ゆあえと要素少なめかも
プロフにも書いてる通り、スマホが壊れたので垢作り直しました
気に入ってた作品もあったし、下書きもたくさん作ってたから結構悲しい …
これからはこの垢で頑張ります!!
スマホ修理しててこれ代替機なので、もしかしたらまたこの垢入れなくなるかも
そしたらその時はまた垢作り直すので、そっちで小説書きます
じゃあ、
ばいばい~