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もちねぎ
前の続き(読んでない人はそちらを先に)
前回より過激になるので各自ブラウザバックお願いします
付き合ってない
nmmnを理解できない方は閲覧禁止です。
俺は怒ってる。猛烈に怒っている。グループとしてあってはならないことだろ。
俺にも足りない所があった。あの時ビンタでも膝蹴りでもしとけば良かったのだ。でも、なんか良いかもという変な感情が湧いて身を任せてしまった。
もち、あいつは獣だ。獲物を絶対逃さない目をしてた。でも、あの時間だけ特別だった。もちも俺も疲れていた。誰でも良いだろうと適当に欲求を爆発させたんだ。本当は俺のことなんて何とも思ってない。そうに違いない。
そうだと、信じたい。なら俺は大馬鹿者だ。あの日のことは抹消したい程恥ずかしい思いをしたのに、まだ奥底に嬉しかったという感情が生きている。怒っていると記述した筈なのに、嬉しいと五分五分だ。満更でもないじゃないか。もしもちの行動が欲求不満の爆発なだけなら、俺はとんだ思い違いをしている。そうならば、俺最低だろ…
「めっちゃ難しい顔してんじゃん。」
横から声をかけたのはチハヤだった。そう、今は撮影の休憩時間。
ソファに俺とチハヤが深く腰掛け、ぼけーとしている所だったのだ。チハヤはスマホ画面に集中しながら声をかけてきた。ずっと考え事していたから少し周りを思い出せた。
「あー、なんか考え事。」
「今後のあるよにについてとか?それはいつもか。」
「まぁ、そんな感じ。」
適当な返事をして、俺もSNS確認するかとスマホを手に取った瞬間、はっとした。今1番考えていた奴がいない。
「もちは?」
「え、トイレじゃね?」
、、そうか、人間である以上トイレは行くか。当たり前か。いないと気づいた時、思わず立ち上がりそうになった。あいつにとことん頭を振り回されてる。少し息を吐き、今度こそスマホを開こうとしたら、玄関に繋がる引き戸が開いた。
「ねぎ、ちょっといい?」
「えっあっ、はいはいはいっ」
突然もちが現れるもんだから動揺を隠せなかった。どうにかいつもと同じ対応をしないと、チハヤもいるんだし。俺も戸の向こうに足を運ぶ。
「何の件?」
「在庫確認よ、グッズお前の家に保管してあるから見たくて。」
なんだ、そんな事…は?今、俺そんな事、って思ったのか?単なる日常会話どころか重要な話なのに、何を期待したんだ?変なことばかり考えてしまう自分が嫌いになりそう。苛立ちが極まり、もちの後ろを歩いていた足取りが早くなりそうだった。
奥の部屋まで移動した。ここには過去のグッズを保管してある。まだまだ売れ残ってて、部屋は少し散らかり気味だ。もちは手前の段ボールから中身を確認しだした。
…本当にこの為に呼んだだけなのか?俺のことをからかってはいないか?前回の別れを、こいつは忘れてる訳ないだろ。それを装って平然としてるのが意味不明だ。堪らなく疑問で、俺はついに口を開いてしまった。
「おい、からかってんの?」
「え、は?何よ口悪い。」
「とぼけてんのかよ?お前がした事はあってはならないんだよ。」
「いつの話なのか言ってもらわないと分からないんだけど。」
分かって言ってるだろこいつ。無駄に怒りが溜まる。手に力が入りすぎて、そのままの勢いで少し大きな声を出してしまった。
「前会った時の!無駄に距離近かったやつだよ!!お前がき、す……した………」
声がフェードアウトしてしまった。あの日の事件がくっきりと頭に浮かんだ。もちの手の温かさも、舌の感覚も。
在庫確認をしていたもちの手が止まる。そのままの体制で「へぇ」と呟き、振り返って目が合った。今目を合わせたらダメな気がする。必死で逸らした。逸らした筈だった。その大きな体がどんどんこちらへ近づいてきて、遂に壁まで追いやられた。
「覚えてくれてたんだ。やっぱ嬉しかったんやねぇ。」
胸まで響く、落ち着いた声だった。その声に緊張や怒りを覚える中、背徳感も感じられた。なんだ、また焦って冷や汗が出る。そんな、スイッチを入れるつもりではなかったのに。
「そうじゃない…!注意だよ!俺にあんなこと、からかったんだろ?」
「からかってないし、あれは俺の気持ち。」
「冗談じゃねぇ……男だよ、俺は、選ぶ相手を間違えて」
「ねぎ。」
急に名前を呼ばれて顔を見てしまった。1番見たくなかったのに。もちは笑いも怒りもせず、もやがかかってそうな表情をしていた。もうこいつが何考えてるのか分からない。俺の目をしっかり合わせてる。
「焦りすぎて声だけデカくなってね?チハヤもいるんだよ。それに、その表情はお前も嬉しかったんだ?」
「う、嬉しくねぇよ一ミリも!」
「でも覚えてたってことはさー。あれまた顔赤くなってるよねぎりょーさん。」
思い出して恥ずかしくなったんだよとか、またお前が距離を縮めてきたからとか、理由を浮かべたけど全部言い訳にすぎない。言葉が口から出なくて唇を噛むしかなかった。背中がゾクゾクしている。これは完全に、興奮を意している。
もちの顔が悪い笑顔に変わった。右手が伸びてきて、抵抗しようとしても無駄だと分かってた。手は俺の頬に触れた。ただ触れただけなのに、伝わる温もりと感触に変な感情になる。
「やっぱり嫌じゃなさそう。俺そういう顔好きだよ。それか、こういうプレイが好きなのかな…」
右手は輪郭をなぞって、首筋まで下がった。まずい、まずい気がする。一瞬背筋が凍って思わず声が出た。
「もち、待っ…!!」
温かな手から、信じられない力が入り、息ができなくなった。首を絞められた。嫌だ、苦しい。手首を叩いても苦しくて上手く力が入らない。右手の力は徐々に強くなり、俺の喉からは掠れた呻き声しか出ない。
「も、ち、、やめっ、、ぁ、はなぜぇっ、、!!ぉ”い、!!!」
「ドSじゃないの?それかこうすればいい?」
首に左手が追加され、目がチカチカしてきた。視界が真っ白になりそうだ。なのにもちの顔ははっきりと見え、圧倒的不利な立場だが腹が立って仕方ない。出せる声で抵抗しようとしたら顔が近づいてきて、口に柔らかい感触が伝わる。発言権も失われた。息ができなくて死ぬほど苦しいのに、舌から快楽が押し寄せてきて、体がぴりぴりする。なんだか、この先を越えたら行けない気がする。なのに、気持ちいい。
頭が沸騰寸前な矢先、首の力が急に無くなり息が開通した。体の力が割れた風船のように萎み、俺は床に座り込んでしまった。
「がっ、、ごほっ、?!え、、?なん、、、でぇ、?」
「なんで?やっぱり良かったか。気持ちよかったしょ。」
不意に出た、もっと続けて欲しい「なんで」という自分の言葉に驚いてしまった。上から見下してくるもちは、まるでこの上ない嬉しさに包まれていた。ムカつくとか文句が出る訳がなく、快楽で溢れた涙が止まらなかった。前よりも酷い顔を晒して恥ずかしいとか、そんな思いもどうでもよかった。今は息を整えるのに精一杯だ。涙と汗が混じって気持ち悪い。もちはしゃがんで俺のことをまじまじ見つめている。
「満点の顔なんだけど。可愛い。でもさ、そろそろ俺も気持ちよくなりてぇんだけど。」
「…え……?何、いって………?どういうこと…?」
だらぁっと下がっていた俺の手を、もちは掴んだ。また何かされると少し身構えた。その手は目の前の男の股に移動させられた。少し盛り上がったそれの感覚が手に伝わって、声が出なくなった。
「俺はお前とこれ以上のことしたいってずっと思ってる。分かる?俺は本気だよ、これは好きって感情だからね。」
硬直したままの俺に再び軽く口付けをして、在庫確認なんて忘れたかのように部屋を後にしていった。
しんとなった段ボールが積み重なった部屋に若干の湿気と熱気が残る。一時冷静になっていた心臓がまたうるさくなった。また、俺は、もちに、ダメな思いを抱いて…。力抜けた体だったが、恥の方が勝つ。ゆっくりと体育座りの状態になり、顔を埋めた。ふざけんなよ、もちに、俺も。
「お前のこと好きになったら俺、終わりだよ…」
なんだよこれ以上のことって。合点がいってしまうが、想像しただけで無理だ。でも欲しいかも。怒るつもりが虜になってしまった。頭があいつ一色になりそうでさらに埋める。ふざけるな、ふざけるな!馬鹿馬鹿!!低脳すぎるワードしか浮かばない。しかもまだ撮影の途中だ。今日はあと2本は撮ろうと約束してしまっている。どんな態度して挑めばいいんだ。
「知るか!勢いだこの野郎!」
そう言い部屋を飛び出したら
「びっっ、くりしたー。どうしたのねぎさん。」
「邪魔すんな!撮影だ撮影!」
部屋を覗きにきたチハヤと対面した。俺はそんなの突き飛ばしてメインの部屋に歩き出した。後ろのチハヤから苦笑と「なんだいつものねぎりょーか」と言葉が降ってきた。
いつもの俺じゃねぇよ、誰のせいだと思ってるんだ。