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「_____渉?」
僕が目覚めた時は、見慣れた風景ではなく___
真っ白な箱のような部屋だった。
渉「おや、お目覚めですか?体調の方は?」
「うん、大丈夫だよ。至って健康さ。
それより___此処は? 見た感じ、誘拐と捉えていいけれど…」
渉「そうですねぇ…。さっき一通り探索しましたが、
窓も一切ありませんし…脱出するのは不可能ですかねぇ?」
「そう…犯人は身代金目当てなのかな。それだと渉もいる理由がわからないけれど…」
渉「___いえ、犯人は身代金目当てではないですよ…あれを見てください。」
そう渉が指差したのは、ドアに貼ってある紙。
そこには、「どちらかを×さないと出られない部屋」…と描いてあった。
渉「ご丁寧に、刃物や銃、薬品まで置いてありますねぇ…?」
僕は息を呑んだ。
「悪質なドッキリ…ではないだろうね。
恐らく本当にどちらかが死ぬまで此処から出られないんだろうし…」
…そうだ。
僕は吹っ切れた笑顔で、
ナイフを掲げて言った。
「___渉、僕を殺せ。」
「…元々、そう長くない命だ。渉が死ぬよりかは、僕の方が良いだろう。」
「さあ渉、情はいらないよ。その手で、僕を____」
渉「…英智。」
グイッ
渉が僕の腕を引っ張った。
「____渉?」
赤く、赤く視界が染められる。
軈て視界は真っ赤になって______
僕はもう何も分からなくなった。
渉「…ぇい、ち……これ、で……良い、んです、よ…。」
「ぇ……ぁ……?」
【日々樹渉さんが脱落しました】