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心の中を寂寞が埋め尽くした。
本の中の魔法のおまじないを、何度も何度も何度も何度も。
それが耐えられなかった。
窓の中の夜に浮かぶ、自分とは正反対の霽月を、幾夜も幾夜も幾夜も幾夜もずーーーーーっと眺めるだけ。
いくら明るい音楽を聴いても、いくら優しい絵本を読んでも、いくら光を浴びてみても。
寂寞で満たされていて、虚飾は全て溢れていってしまうから。
自分の心は、霽月とは月ほど程遠くて、思い切り手を伸ばしても、届かなかった。
寂寞を染めて、空虚な悲劇で埋め尽くしてみて。
誰にも触れられなかったからこそ、価値があった。
正当化したとして、虚しさは流せない。
目の悪い傀儡。
あゝ、そう縛られている私も、傀儡だったんだろう。
「星の空想は永遠に。
紡ぐのは、何時だって私1人だけ。」