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────── 最強無敵連合 :くらい :死ネタ
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また日が経つ。何をやっても、誰の命を落としても、この疫病は止まらない。既に、2人の若き男たちが村のために命を賭しているのに全く止まることはないのだから。そんなこと、きっとどこかでわかっているはずの老人達は。また1人。生贄を送ってきたらしい 。
「 失礼します 。」
ふわりと髪が揺れる。美しい、アメジストのような瞳が光った。長い睫毛に小さな顔。紛うことなき美人だ。ざわりと胸が騒ぐ。女性だった。その女性の小さな手には、また縄が握られている。戸を閉めたあと、涼しげに笑う彼女の手が震えていることに、気付きたくはなかった。
「 18 ・・・ ? ?」
そいつが声をあげる。困惑している。まさか女が来るはずないと、思っていたのだろう。
「 □□ 君 ? あぁ、 私は自分からここに来たの。大丈夫 大丈夫。 」
また、俺には分からない会話が。頭が痛い。頭が、痛い。どうにもならないけど、何か分からない扉が開きそうな。目の前が歪み、汚らしい老人の足裏が見える。
「 おい、おい 。 何してんだよ 。 」
現実に引き戻された。そいつの顔にモヤがかかっていて、表情が辛うじてわかる程度。あぁ、こいつと知り合った頃にはずっとこうだったっけ。
「 もうね、若者を出すしかないんだって。男じゃダメだったってなっちゃってさ。 」
悲しそうに目を細めた。悲しそうで、苦しそうなのに。涙を流す雰囲気は感じ取れ無かった。
その女から告げられる地獄に、俺たちは絶句した。
「 私の後は、2人来る。 2人で一緒に。 なんでも、おじい様方の間で試行錯誤をしてるらしいね。 私達の命でさ。」
心底暗い声だ。可愛らしい顔に見合わない、綺麗で純粋な恨みに包まれた言葉。
「 止められないの ? それは。 」
「 馬鹿、 どうにもなんねぇから 死にたくない奴らが来てるんだろ。 」
わかってるよそんなこと。ただ、認めたくなかっただけ。
「 あんまり時間はくれなかったんだよね 。 そろそろ、2人の所に行くよ。」
ばいばい、と可憐に手を振った。それを綺麗と感じた俺は、全てを間違えている。
もう何も、考えたくない。こんなに綺麗で若い女が死ぬところなんて、余程の変態でないと見たくないだろうし。18と言ったか、18の尊厳の為にも。脳内を無にした。なんとも、輝きを失った鉱石というのはここまで虚無なのだろうか。
「 なぁ、お前さ。本当は 思い出してんじゃねぇの? 」
「 … 少しだけね。自分の名前と、本当に少しだけ。 」
「 それもまた、辛いだろうな。ただ、今から起きるのは、もう起きていることは。俺達が悪いんだ。 しっかり見届けるぞ。 」
「 まだよく分からない俺に、何を。そこまでの事なんだろうね。わかってる。」
──────
声が響く。聞いたことのある声。どこか、落ち着く。
「 クソ… 」
そいつが声を漏らす。 俺も同じ気分だよ。
まだ2日と経ってないんだ。前回の死者から。
「「失礼します 。」」
2人の手には、縄ではなくナイフが握られていた。片方は、煙草を手にしている。
「 説明、説明な、 血が必要なんじゃねーかってことになったらしく、俺達がきました 。」
「そうです。」
アクアマリンのような瞳と、サファイアのような瞳。ギラギラと生を感じさせる。
「 俺もこいつも疫病なんで 、あと数ヶ月生きられるかどうかなんですよね 。仕方なかった。です。 」
「 思ってねぇこと言うなよ。俺は、俺もまだ死にたくねぇけ抵抗したけど無理でしたって 」
小声でも無い声で喧嘩のようなことする彼らに、懐かしさを覚える
「 なぁ、つまり 俺らの前で殺し合うってこと ?」
「 そうっすよ 、それしかないじゃろ。 」
顔を顰めたままのそいつが、こちらを見てきた。一瞬だけ、そいつの瞳が金のように輝いたような気がした。分からない。が。
「 … 死にたくないよ 俺だって。おまえらのせいだ。お前らのせいでこうなってるんだから、次があったらどうにかしろよ 。」
「 そうじゃな、金は積んでもらおうか。 」
ずきん、ずきんと頭が痛む。やめてくれ。
「なぁ、やっぱり、俺のかけた術解けてんの?お前ら。段々と、記憶が鮮明になってるだろ。 」
「 にとくんから聞いて、思い出しただけじゃな。 」
「 りぃちょくんは1つとして思い出す前に死んじゃったけどね。 」
頭が割れる。□ルちゃん の声も、 □ ーどの声も、 は□□の声。も。遠い。遠くて、近い。なんでりぃちょは、名前がわかったんだろう。こいつらの話、によると。記憶が無かったから?あぁもう、何も分からない。気が付くと、目の前に2人の死体が血だらけで倒れていた。お互いに刺しあったらしい。手の傍にナイフが落ちている。また分からないことが増えた。
「 なぁ、思ったより効果が短くて、不味い。」
「 村にも もう若者も老人も皆が殆どいないらしい。 」
青ざめている。ソレだけはっきりとわかった。
「 お前も早く思い出せよ、消える前に!! 」
「 頭痛い、マジで待って、 」
ぎり、と歯と歯が擦れる音。随分焦っているようだ。頭がグラグラする、痛すぎる。視界が途切れる。その前に、肩を掴まれたようだが。体の感覚はほとんどなかった