――ワシントンD.C.、ホワイトハウス。
大統領執務室の空気は重かった。会議室のモニターには、崩壊した北アメリカと南アメリカの映像が繰り返し映し出されている。
「……状況は?」大統領が低い声で問う。
「不明です。魔神と霧島については情報が錯綜していますが……」補佐官は汗を拭い続ける。「ただ、死体は回収済みです。」
「……本当に、死んでいるんだな?」
「はい。検視結果も出ています。」
「ならば、何を恐れる必要がある?」大統領は苛立ったように机を叩く。「今必要なのは、魔神への対応だ!」
その時だった――。
バァァァン!!!
ホワイトハウスの正面ゲートが、爆発とともに吹き飛んだ。
「なっ……何だ!?」
「侵入者です!防衛部隊が対応していますが――くそっ、まるで歯が立たない!!」
モニターが切り替わる。そこに映っていたのは、黒いコートを翻しながら悠然と歩く、霧島の姿だった。
「……そんな、はず……」補佐官の顔が青ざめる。「霧島は、死んだはず……!!」
「化け物め……!」大統領は歯を食いしばる。「全軍を動員しろ!奴をここに入れるな!」
だが、次の瞬間――。
ズズン……!!
ホワイトハウス全体が揺れた。天井のシャンデリアが落ち、壁にひびが走る。外の銃声は、いつの間にか完全に止んでいた。
「……嘘だろ……」警備主任の声が震える。「たった一人で、ここまで……?」
そして、重い足音が廊下に響く。
コツ……コツ……
ドアの向こうに、影が立った。
「久しぶりだな、世界の長。」低く、しかしどこか楽しげな声。
ドォン!!!
執務室の扉は、一撃で粉々に吹き飛ばされた。煙の向こうから現れたのは――
間違いなく“死んだはず”の、霧島だった。
「……お前は……本当に、霧島なのか?」大統領は椅子から立ち上がる。
「さあな。」
霧島は薄く笑う。「俺が霧島かどうかなんて、重要か?」
「何が目的だ……」
「決まってんだろ。」霧島は一歩前に出る。周囲の護衛が銃を構えるが、誰一人引き金を引けない。恐怖に縛られていた。
「この世界に幕を引く。……それだけだ。」
「……狂っている!」大統領が叫ぶ。「貴様が何を考えていようと、我々は――」
ズバッ――!!
大統領の右腕が、消えた。
「……っっ!!」
銃声は、なかった。誰も霧島が動いたのを見ていない。だが、次の瞬間には血が床に広がっていた。
「さて、時間もない。さっさと“鍵”を出せ。」
「鍵……?何のことだ……」
「とぼけるな。」霧島の目が冷たく光る。「世界の終焉を開く鍵だ。」
「そんなものは……」
「言いたくないか。」霧島は首をかしげる。「じゃあ――少しずつ、聞いてやるよ。」
次の瞬間、執務室は悲鳴と銃声に包まれた。
そして、ホワイトハウスは静寂に沈む。
コメント
8件
今回も神ってましたぁぁぁ!!!! 霧島っちやばいそれはやばいでも可愛いからOKです((? 霧島っちは、、そうだねぇ、、、やばいね!!(((( もうやばいしか言うことが無いんですがどうしましょう!!!! てことでうちは霧島っちに〇されるモブになってきます 次回もめっっっっさ楽しみいいいいぃ!!!!!!