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出張で
長らくホテルに泊まっている俺は
睡眠不足に悩んでいた
昨日も布団に入ったのが23時で
それから2時間は寝付けなかったっけ…
〈ヴーヴー、〉
…?
着信に気付き、充電中のスマホを手に取る
「…桃さん…っ」
着信は彼氏の桃さんからだった。
彼とはかれこれ2年以上付き合っている。
今は20時。
丁度仕事が終わって、家に着いた頃だろうか。
「もしもしっ、」
『もしもし、?』
久しぶりに聞く声はいつも以上に優しく感じる。
『ごめん、急にかけちゃって、
どう?体調は、』
「元気です、」
『そっか、良かった…』
向こうから、安堵のため息が聞こえる。
長期間の出張で心配をかけていたのだろう。
「桃さんはっ?元気ですか?」
『…』
「桃さん…?」
『元気じゃない』
「えっ…」
『いや、元気なんだけど…』
『赤不足、』
「…っ」
想像もしなかった言葉に
声が出ない。
彼はもっとクールで…
こんなこと普段言わないのに…
「俺も、寂しいです…」
ずっと電話は避けてきた。
お互い仕事に集中しないといけないから
それに、声を聞くと会いたくなってしまうから
俺のワガママで迷惑をかけたくない
そう思っていたのに、出張後最初に連絡をしてきたのは桃さんの方だった。
それも文章では無い。
拗ねた顔をした猫のスタンプ。
数日前。通知が大量に来て
びっくりして恐る恐るLINEを開いたら
桃さんからのスタ連だった
久しぶりのやり取りで、嬉しくて…
でも遅い時間だから…ってことで
「今度電話しよう」
って約束してくれた。
『仕事、上手くいってる?』
「はい、もう大分慣れてきました」
『そっか、あと2日だもんね』
「…頑張ります…!」
『…うん、』
「…」
早く会いたい。
そう思ったら余計恋しくなって、
しばらく電話を切れなかった。
桃さんも同じ気持ちでいてくれているのか、ずっと電話を繋いでくれている。
気づけば、俺も桃さんも布団に入っていた。
「…桃さん?」
『…ん?』
「出張終わって、帰るじゃないですか」
『…うん、』
「そしたら、一緒に寝ましょうね、?」
『当たり前だろ。 ていうか
いつも一緒に寝てるけど…笑』
「…あ、そっか… 」
俺たちは1年前に同棲し始めてから
いつも同じベッドで寝ている。
「じゃあ、ぎゅーして寝てもいいですか?」
少し恥ずかしくて、さっきよりも小さい声で聞く
「いいよ?なんかだいぶ控えめだな、』
「…だって…」
寂しいから……
それとも、ワガママ言っていいの?
「じゃあ…っ」
『うん、』
「いっぱいえっちしたいです…っ」
『…』
画面越しに「ガタッ」という音が聞こえる
『ごめ…、ちょっと…』
「…っ…………? 」
しばらくしても、
桃さんはなにも言ってくれなくなった。
沈黙に耐えられなくなった俺は、
何とかしようと口を開く。
「あ、…あの、さっきの、忘れてください…」
『…え?やだに決まってんじゃん』
「…え、…?」
『忘れるわけないんだけど。
早く帰ってきて?
いっぱい気持ちよくしてあげるから。』
「なっ…!?」
急なドS発言。まじでむり。
「お、俺、もう寝ますっ」
『うん笑』
「じゃあ、おやすみなさいっ!」
『…ん、赤?』
「はい、っ」
『愛してるよ、』
「…」
『おやすみ、仕事頑張ろうね』
そういうと、電話が切られた。
「…」
…愛してる
いつも寝る前に 言ってくれるその言葉は
俺にとっては子守唄のようなもの
ずっと、それが欲しかったのかもしれない。
俺は嬉しくて嬉しくて
泣きながら眠りについた。
それから2日後、
無事、出張は終わった。
「桃さん、喜ぶかな…」
実は今日、予定よりも早く帰れるようになって
桃さんにはまだ、その事を伝えていない。
だから俺がこんなに早く帰ってきたら
きっと驚くだろう。
最寄りの駅から少し歩いて
慣れた足取りで家まで向かう
やっと帰れる。
やっと、やっと……
「…ピーンポーン、」
合鍵を持っているが、念のためインターホンを鳴らす。
しばらく経つと、桃さんらしき足音が聞こえて
きた
「…はーい、」
「…ただいま!桃さんっ!」
「…は、」
…彼は目を丸くして驚いたかと思えば
暖かい腕で俺を包み込んだ
「おかえり、赤
寒かったでしょ?駅から歩いてきたの?
何でこんな早いの?」
急な質問攻めに困惑するも、嬉しさが勝ってどうでもよくなってしまう
しばらくすると彼は俺から離れ、荷物をリビングまで運んでくれた。
なんだか申し訳なくて自分でやると言ったが
頑なに譲ってくれなかった。
「赤は手洗ってきて 」
お言葉に甘えて洗面所に向かう
久しぶりの家、桃さんの匂い。
この安心感は何なのだろう。
そんなことを考えながら手を洗っていたら
「…わぁっ」
桃さんが後ろから抱きしめてきた
「赤…」
「桃さん…?笑」
びっくりしながらもタオルで濡れた手を拭う
「あ、そうだ…お土産買ってきたんです…!」
「ほんと?…それは嬉しいけど、
なんで連絡くれなかったの」
「え…」
「俺が迎えに行きたかったのに、」
どうやら、俺が考えていたサプライズは
かえって彼に気を使わせてしまったらしい。
「ごめんなさい…、
でも早く帰って喜んで欲しくて…っ」
「そんなに俺の事驚かせたかったの?」
「……はい、」
「俺に会いたかった…?」
必死に首を縦に振る。
「ちゃんと口で言って、」
「んむ…っ」
…不意にキスされて、舌を入れられる
「ふ…っ…ん、ぁ、…ん」
深いキスをされながら、腰に手が回ってくる。
「…ビクッ 」
「…会いたかったよ、赤」
「お、おれも、ぁ…っ、ん…ぅ」
桃さんの舌が絡まって温かい…
「…ん、…ふぅ…ももさ…っ」
長い長いキス。
息ができない。
流石に苦しくなって、
俺を引き寄せる手に触れると
唇が離れる
「ん…っ…」
久しぶりのキスは何だか恥ずかしくて、
桃さんと目が合うと咄嗟に逸らす。
「赤、」
「やっ、…はずかし…、ぁ…っ、」
抱き寄せられたと思えば、再びキスを落とされる。
「ふ…ぁっ…ん、ふ…っ」
いやな声が洗面所に響く
「…は…ぁっ…まっ…ぁ、…」
絡まる舌から逃げようとしても離してくれない
すでに頭は真っ白。
身体に力が入らない
プチッ……プチッ…、
「…っ⁉︎」
気づけば
片手で器用にシャツのボタンを外されている
「まっ…」
…コリッ
「んぁ…っ⁉︎ ビクンッ」
身体にビリビリと電気のように快感が走る
「まってももさん…っ、」
足に力が入らない俺は、座り込みそうになるのを必死に堪え、俺を愛撫する手を静止する
「なに…?」
「も……、だめ、…っ」
一瞬、時が止まったかのように静まり返る
しかし、それもほんの一瞬だった
「可愛いんだけど、」
「ひぁ…っ!?♡」
この先は彼らだけの秘密です。
Fin
あといくつかストックあるので
納得いく作品になったら随時投稿します
「先月中に」と言っていたのに申し訳ない💦
全て終わり次第、アカウント移行させていただきます!
良かったらそれまでお付き合い下さい🙇♂️
コメント
9件
すーごくどたいぷでした😭😭 ぶくしつです!!!!!!!!
わああああああ😭 桃赤地雷のはずなのに見れちゃった😭 私によく効くお薬です(?) ほんと語彙力ありすぎじゃない?!?! 最高だった😭