「……んん”…っ、…」
あまりに朝日が眩しくて、起きたのはいいものの再び目を閉じてしまった。
一つ息を吸い込むと、朝の空気と滉斗さんの匂いがする。その安心する香りに包まれていると、昨日の出来事がやけに鮮明に思い出される。
僕は少し顔が熱くなるのを感じながらも、自分の身体が思うように動かないことに気付く。
「……んん?ぁれ、…?」
恐る恐るまだ重たい瞼を上げると、目の前に滉斗さんの顔があって、思わず身体が跳ねた。
「ッ……!!?/////」
驚きと何とも言えない恥ずかしさで慌てている僕に気付かずに、規則正しい寝息を立てている彼の寝顔を見つめていると、自然と頬が綻んでしまう。
そのまま視線を落としていくと、なんと滉斗さんの腕が僕の背中に巻きついている。通りで動けなかった訳だ。
滉斗さんが僕を抱き締めたまま眠りについたんだと思うと、一気に自分の頬が熱を帯びていくのを感じる。そんな僕の気も知らずに、この人はスヤスヤ眠ってるんだから…。
「………、かっこいい…、//」
「……何が?」
「っはぇ、…………っ」
滉斗さんの寝顔に再び見蕩れていると、目の前の人が突然目を開けたのと、発言を聞かれてた恥ずかしさで、僕は驚きを越えて固まってしまった。
滉斗さんは意地悪そうにニヤついて、僕の背中に回っている腕に更に力を込める。さっきよりも距離が近くて、滉斗さんの視線から逃げられない。
「っ……、//ひ、ひろとさんが…っ///」
「あははっ、……可愛い…、//」
あ、……ちょっと声低い。寝起きだからなのか、普段よりも数オクターブ低い声に胸が締め付けられる。すぐに「可愛くないです」って返そうと思ってたのに、滉斗さんの声にドキドキしてそれどころでは無くなった。
滉斗さんの手が僕の頭を撫でる。僕はそれが何よりも心地よくて、安心して、嬉しくなる。
優しい手つきで撫でてくれる彼の顔を見ると、僕を愛おしそうに見つめて、口元は少し綻んでいる。
そんな滉斗さんの顔が視界に入っているだけでも鼓動が早まってしまうから、布団の中でもぞもぞ動いて滉斗さんの胸に顔を埋める。すると滉斗さんが少し驚いたように声を漏らしながら、再び僕の背中に腕を回す。
「っ、…どうしたの、朝から…」
「……だめですか………///」
「!………いや、ダメじゃない…、/」
上から聞こえる滉斗さんの少し上ずった声に、僕の心臓が大きく跳ねる。
僕の背中に回っている滉斗さんの腕が、僕を抱き締めるように力を込められ、僕の胸がきゅう、と音を立ててしまいそうなほど締め付けられた。
こんな風に、好きな人と抱きしめ合いながら目を覚ます朝があったなんて。嬉しくて、幸せで、壊れて欲しくなくて…色んな感情が入り交じって僕の中に存在していた。
「…、……元貴」
「っへ、…ぁ……?ごめっ、な…ん”、むッ!」
突然名前を呼ばれて何かと思えば、すぐ目の前に滉斗さんの顔があって、唇が触れていた。
僕の頬に優しく手を添えながら、ちうちうと吸い付くようなキスをされる。僕は突然のことでありながらも、気付けば滉斗さんの背中に腕を回していて、ただその口付けに身を任せる。
滉斗さんの舌が僕の唇を割って入ってくるのが分かった頃には、既に滉斗さんのペースに呑まれていた。生温い舌が互いの口内を弄ぶ。
「ッ、ちぅ…っん、んはぁ……、、っふ…//」
「、っ…//……ん、ぅ…可愛い……」
ゆっくり唇が離されても、僕の力は抜けたままで上手く力が入らない。
それよりも息を整えるのに必死で、滉斗さんの「可愛い」という言葉にも顔を赤くすることしか出来なかった。
「…目ぇ覚めた?笑」
「っは……////ば、ばかじゃないのっ」
少し悪戯っぽく笑う滉斗さんにドキドキして、何処か力の抜けた声しか出ない自分が恥ずかしかった。
暫くして二人で寝室を出ると、昨夜見たばかりの光景が広がる。滉斗さんの綺麗に片付いたお洒落な部屋達。改めて見てみてもすごくかっこいい。
まだ熱い頬を押さえながら滉斗さんを軽く見上げると、こちらを見ていた滉斗さんがぶはっと吹き出して笑った。その笑顔、とても心臓に悪い。
益々赤く染まっている気がする頬を隠すのは諦め、隣に立っている滉斗さん身体を寄せる。彼の肩にさり気なく顔を埋めれば、一瞬で滉斗さんの匂いに包まれる。
滉斗さんが楽しげに微笑みながら僕の顔を覗き込み、「ちょっと外の風当たる?」と提案してくれたので僕は迷わず頷いた。
滉斗さんがベランダのドアを開けると、眩しすぎない朝日が出迎えてくれた。陽当たりの良い快適なベランダだ。
柵に両肘を置いて街の風景を見渡す。少し遅れて滉斗さんが僕の隣に来て、僕はそそくさと滉斗さんの方に少し寄る。滉斗さんはそんな僕の行動を見ていたのか、少し笑っている。
「風気持ちいね、…元貴?」
そんなに爽やかに笑いかけられると、照れちゃうから困る。そよそよと吹く優しい風が前髪を揺らす。
「……、うんっ、すごく…//」
「景色も、綺麗…」
「………もとき」
不意に、名前を呼ばれる
景色から隣にいる滉斗さんに顔を向けると、滉斗さんのはにかみ笑顔が見えた。
「……?なんですか…」
「….これから、よろしくね」
息が、止まるかと思った
そんなに優しい表情でそんなことを言われたら。
顔が、身体が、熱を持っていくのが分かって、居てもたってもいられない。
気が付いたときには滉斗さんの胸に飛び込んでいて、顔を埋めていた。
「っ!んわっ!……なになに、どうした笑」
「..っ、………….すき、」
「…エ?」
「…………だいすき、…/////」
「ッ、……!」
「なにそれ……可愛すぎるでしょ」
「ね……こっち、見て、」
彼の言葉に心臓が高鳴りながら、恐る恐る顔を上げる。滉斗さんとやっと目が合ったその瞬間、唇に柔らかいものが触れた。
「っ…、っふ、……ぅ/、ぅ..っ///」
僕はぎゅっと目を瞑り、そのキスに安心感を抱く。少しして唇が離れると、滉斗さんは僕を穏やかな表情で見つめてくる。
「…俺も大好きだよ」
「もう絶対悲しませないから」
「ふへへっ、……ぅん、よろしくね…っ」
二人とも照れ臭くなって少しはにかんでから、もう一度キスをした。
どう考えてもキスしすぎ。
好きだよもっとしてください。
コメント
12件
毎日お知らせ一番にフォロー中の所見てなぎささんのところ見てます👀💖最高すぎる、、
お ~ … タヒぬ … 🫣
更新されたら毎度発狂タイムです‼️ほんと嬉しい大好きです💗💗