儚く散った淡い恋。
信じられなかった、信じたくなかった。
恐る恐る手を伸ばして、彼の体を触る。
氷のように冷たい体温が皮膚越しにつたい、信じたくもない事実に吐きそうになる。
雪の結晶は集まって、ソレを形成するのだ。
感情という名の結晶は集まって、ソレを形成するのだ。
気づけば水が頬を伝って、視界が歪む。
ぼやけた視界にはっきりと映る紫色は憎たらしいほど綺麗で、儚くて……。
こんなのあんまりじゃないか、
嗚呼、……あぁ、
昨日、君を俺の部屋に呼んでいたら、何か変わったのかもしれない。
もしかしたら君を救えたのかもしれない。
泣いているせいか、頭が痛い。
足から力が抜け落ちて、崩れ落ちてしまった。
馬鹿だなぁ、…俺にとって、足は命なのに。
熱せられた鉄を目玉に当てられたように目が熱い、崩れ落ちた反動で膝がジンジンと痛む。
十分ほどして、静かに立ち上がって部屋から出る。
帰り道の空を見上げると美しい夕焼けが広がっていて、また視界がぼやける。
眼鏡をしているはずなのにぼやける目を擦ることも無く。
俺はそのまま走り出した。
嗚呼、俺の白百合
君は何を望んだの?
俺がこんなになるのを望んだの?
君はなんで……。
…もう、君のことしか考えられないよ…。
嫌い
嫌い
嫌い
大嫌い
好き
好き
好き
大好き
愛してる
あーぁ、これが失恋ってやつか
ほんとに酷いもんだね。
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雪→→→→→→→→玲の死ネタ。