ユニットのない話

🦒「お、きたきた！」

薄暗い部屋の中、 パイプ煙草を片手に高級そうなソファーにどかっと座る景瑚の元に2人の青年が呆れた顔でやってくる。

🐶「景瑚さん、依頼がある時は敵の規模を教えてくださいってあれほど言ったのに！人使い荒いんだから」

🦒「あれ？言ってなかったっけ？」

とぼけた顔でポリポリと頭を掻くこの男は、2人の青年と同じ真っ白なスーツに身を包み、背中に影を落としている。

🐶「言ってませんよ！敵組織のボスをやれってだけ聞いたのに、めっちゃ取り巻きいたし！蓮さんがいなかったら死んでましたよ！」

さっきから子犬のように吠えているこの青年は、可愛らしい顔とは裏腹に、スーツの上からでもわかるほどにしっかりと筋肉がついており、右手にまとめて握られた真っ黒の手袋とスーツが赤く汚れている。

🦊「まぁまぁまぁ落ち着いて豆」

そんな豆の肩に手を置き、制止するこの青年は蓮。景瑚よりも年上で落ち着きがあるが、その腰には物騒な刀が下げられている。

🦒「えーごめーん。でも2人めっちゃ強いからいけるかなって」

🐶「もぅ！いつもテキトーなんだから！」

🦊「そんな事より、わざわざ俺ら2人を呼び出すなんて珍しくない？」

蓮が切り出すと、景瑚はもう一度パイプに口をつけ、一息ついてからふぅーと煙を吐いた。

🦒「俺らの島で最近悪いことしてる輩がいるっていう情報が入ってさ」

🐶「あーあれっすか？最近色んな島で厄介起こしてるチェ組？」

🦒「そうそれ。2人にはチェ組の頭を捕まえて欲しいんだ」

🦊「要は仕留めずに捕まえてここに連れてこいってことね」

🦒「さすが蓮くん。ご名答」