テラーノベル
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「おっはよ〜!ジャミル〜!!」
「うるさい. 早く座れメイクするぞ.」
「はぁ〜い!!」
鏡に映る俺. うんちゃんと笑えてる. いつもの人気者なカリム・アルアジームだ.底なしのバカで元気なカリム・アルアジーム.
「おい,カリム. 何カリムの癖にニヤニヤしてるんだ. 気持ち悪いぞ.」
「え !?俺にやにやなんかしてたか?!」
気づかなかった. 気づけなかった. まだまだだ. なぁ,ジャミル俺の事好きか?何て口が裂けても聞けない. なぁジャミルいつもどんな気持ちで俺に接して話して世話してるんだ?今何を思ってるんだ.俺には関係の無いことだ.
なぁジャミル
願いをあと2つ言ってみろ.
どんな願いだって叶えてやる.
「よし,メイク終わったぞ. 早く学校の準備をして登校することだな.」
「えーージャミル一緒に行くだろ!?」
「行かん!!俺はお前の従者ではあるが友達ではないんだ!!」
「じゃあ、尚更一緒に行かねぇと!!」
ウィンターホリデーが終わってから前より俺はジャミルと一緒に居ることが少なくなった.
「チッ今日だけな」
「やったぁぁ!ほんとか!ジャミル!」
ジャミルは軽く舌を打って呟いた俺はその一言を見逃さずいつものカリムとして嬉しそうに元気に振舞った.
「行くなら早く行くぞ.」
「嗚呼!」
「ほら,着いたぞ.」
どうやら俺はボーッとしてたらしい.
「んッ?あ,もう着いたのか!ありがとうな〜」
「おっはよ〜シルバー」
笑え
「嗚呼おはよう」
笑え
「ジャミル〜昼食おうぜっ!!」
笑え
「はぁ分かったから大人しくしろ」
笑え
__あーあこんな日々が続けばいいのに.
放課後,俺は人通りのない宝庫に来ていた,ここなら誰にも見られないで気楽で居られるから.
「今日で全部が終わる.」
俺の手元にあるマジカルペンを見つめた,そのマジカルペンは美しい程に黒く濁っていた.
やっとジャミルの願いを叶えられる.
ようやく解放させてあげられる.
黒い液体が俺を飲み込む.
ジャミルも俺も解放される.
「カリムッ!!!」
飲み込まれる直前声が聞こえた. きっと気のせいだ. あいつは俺のことが嫌いだから.
ジャミルこれでさよならだ___
「……カリム,?」
俺を見上げるジャミル.
なんでそんな顔をするだ.
「なぜそんな顔をする. もう時期お前の願いが叶うって言うのにさァ!」
ジャミルの願い1つ目俺が死んで俺から解放されること.
もうすぐ叶う.
「願,い ?」
「嗚呼,言っておったではないか!あと2つ願いを叶えてやろう. 勿論其処に居るアズール共の願いもな?」
「え〜ラッコちゃん願い叶えてくれんの〜??」
「嗚呼,ただし3つまでだ.」
にやりと挑発的に浮かべた笑みは“カリム・アルアジーム”に似合わず酷く不気味だ.
なぁカリムッ,お前はずっと1人で耐えてたのか?俺じゃ役不足だったか?もし時が戻せたならどんだけ良かったんだろうな.
「ジャミル. 何んでそんな悲しそうな顔をするんだ?お前の願いはもうすぐで叶うんだぞ. 悲しむことないだろ!」
「カリム,お願いだッ正気になれッ俺は何かッ間違えたかッ?」
痛いほどの沈黙がジャミルの胸をずきりと刺す. 長い沈黙の末カリムは冷たい目でこちらを見る. ナイトレイブンカレッジの太陽は何処へ行ってしまったのだろうか. この日太陽は去ったのだろうか.
「正気になれ…?叶えてやりたい気持ちはやまやまだが…意味が理解出来ぬな.」
「カリムッ何があったんだッ…助けてやるからッ俺は,俺は,」
「はぁ?お前らはッお前らはッ俺の何を知ってると言うのだ!!!!ふざけるなッッ!!正義ぶりやがってッ!何がッ何がッ!!」
悲痛な叫びだった.
この世界を恨むような痛々しい叫びこの胸が引き裂けそうな程に.いつものカリム・アルアジームからは想像も出来ない.カリムはもう全てを諦めたような顔でその目から涙を流した.
「ラッコちゃんそんなこと考えての〜??馬鹿ばかしい…」
フロイドの声はいつものような軽い嘘を吐いているような声ではなかった.まるで人を心の底から見下した時のような重い声.
フロイドの声はいつものような軽い嘘を吐いているような声ではなかった.まるで人を心の底から見下した時のような重い声.
「…ッ何なんだ…お前らはッ願いを叶えてやると言っておるのにッ」
カリムが漏らした声は苦しそうで息が詰まった声で地面を打つ雨の音で聞こえるのがやっとだった.
「あー,願い?じゃあラッコちゃん♪前みたな〜元気なラッコちゃんに戻ってよぉ〜今の重苦しいラッコちゃんは面白くないや〜」
「重苦しい,?俺はこれが普通だ.そしてその願い叶えてやることはできるがまだその時ではない.そう!全て終わったときだ… !!あははッふははッ」
「なぁカリム. お前は何にそんな苦しんでるんだ?」
「…俺が苦しんでる…理由…?」
俺が苦しんでる理由.
沢山あるさ. 信じてた人に裏切れた. 毒. 悪口. 他にも沢山あるさ.
なんで俺が毒に苦しまなければならない?
あー,そーいや父さんに聞いた事あったけ…ジャミル以外の他の従者にも. でも皆口を揃えてこう言うんだ.
『そういう運命. 』『長男なんだから仕方がない』って.
長男だから我慢しなきゃならねぇの?長男は苦しまなければならないの?苦しいって言ったら駄目なのか?
そっかそうなのか.
ごめんなぁ皆,迷惑かけて.
「んッぁッ」ずきっ
頭が痛んだ気がした.
そんな痛みとうの昔に忘れたはずだったのに.
「カリムッ!!」
俺の帰るべき場所…
『やったぁ!ようやくジャミルに勝てたぁぁ!』
ジャミルが心から笑わなくなったのも
『カリム俺より点数いいじゃないか凄いな』
俺より点数が低かったのも.
全部俺が縛ってたからだったのか. ごめんなぁジャミル願い叶えてあげられなくて.
ようやく解放してあげられるって思ったのに.
パチッ(目開)
「カリム…ッ」
「ジャミル,?オレ,何したんだっけ,」
何も覚えてないのに涙が自然と込み上げてきて,胸が苦しかった.
「あラッコちゃん起きた〜おはよぉ〜」
「フロイド…あ,ジャミルごめん願い叶えれなかったや…ッ」
「…叶えられなくたっていいさ. いや今回はむしろラッキーだったな.」
「フロイドの願いは叶えれるから,安心しろよ」
「やっぱラッコちゃんおもれーはこんな時にも人の心配かよ〜」
「えへへっ!」
「…カリムごめんな…」
「なんでジャミルが謝んだよ…わりぃのは俺の方だろ…?」
「でもカリムを一番知ってるのは俺だって思ってずっと周りに居たのに何んも気づけなかった.」
「それは,お互い様じゃねぇの?」
俺はまだ生きていて良いみたいだ. けど今も俺は元気で馬鹿なカリム・アルアジームの皮を被る
コメント
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うわ、これ……読み終わってしばらく動けなかった。カリムがあんなに元気な仮面を被って笑いながら、心の中で「ジャミルの願いを叶えたい」って死を選ぼうとしてたのが切なすぎる。黒いマジカルペンや「俺が縛ってた」って自己犠牲の構図が、後から「お互い様だ」ってジャミルに気づかされる流れ、構造としてすごく好き。まだ生きていいと思えたけど、また仮面を被るラストも胸に刺さる。続きが気になる。