wki side
w「え、?」
元貴がいる。いつもの 冷静に指示を出したり 仕事を進めたりする元貴では、なく。
寄り気味の目と開いた口からのぞく舌。
聞いたこともない艶やかな声を漏らす元貴に、目が釘付けになった。
k「どーもー、」
菊池さん。もちろん知っている。
テレビやネットニュースで見かけることもあるし、何より元貴が 初出演の映画でお世話になった。
なんでこの人が?? というより、これはどういう状況。
つながってる?
m「っ゙ や゙め゙て…゙」
苦しそうな元貴の声で我に返った。
w「もとっ」
はっと口を噤む。これは合意の上での行為か、そうじゃないのか。
もしかしたら 俺は邪魔なだけかもしれない。
そう考えて、納得する。 おかしくも なんともない。
ここは元貴の家だし、私的な繋がりがある人を呼ぶことだって 普通だろう。
………そりゃ、いろんな事情もあるだろうしな。 ちょっと…びっくりしたけど。
w「、ごめん」
そう言ってから 菊池さんが年上だということを思い出し、「なさい」と付け加えた。
酷く気が動転している。
なんていうか、寝首を掻かれた、というか。大判子を押された、というか。
中学生のころ 必死に暗記した慣用句が意味もなく頭をよぎる。
そそくさと部屋を出ようとすると、元貴が口を開いた。
m「ゎかっ゙, ま…」
最後まで言うのを菊池さんが目で制したように見えたのは、気のせいか。
m「……っかがみ‼」
元貴が再びぱっと顔を上げる。
あ、さっきの音の原因はこれか、とそばに散らばった破片に目をやった。
k「いいよ、若井さん」
……その言葉に少し含みがあるように感じられるのも、気のせいか。
mtk side
ふうまくんは、早く若井を部屋から出したいみたい。
なんで?
だってさっき、ふうまくんが机を蹴ったんだ。若井がその音を聞いて来るのを分かっていながら。
なんだろう、嫌な予感がする。
ここで若井に、ふうまくんに されたことを伝えれば 訴えることだってできるだろう。
でも直感で、それはだめだと感じた。
なぜ?
根拠のない不安がこんなに大きいはずもない。
なにか、この部屋に違和感はないか。
僕はいつの間に解かれていた手首の ネクタイをぞんざいに払うと、首だけ動かして部屋を見渡した。
若井が掃除機とかもってくるから、と言って部屋を出た。
僕たちの方をなるべく見ないようにしているのが分かる。
若井がいなくなると、引き留めようと必死になるうちに引いていた 羞恥心が再び沸きあがってきた。
十年来の友達、しかもバンドメンバーに。見られた。
向こうだって相当気まずいはずだ。
m「っ?!」
ふと後ろを振り返って、僕はびっくりして肩を跳ねらせた。ふうまくんが急に顔を近づけてきたからだ。
笑ったのか、微かに息を吐く音が聞こえる。
k「—」
そして僕に、衝撃的なことを言った。
こんなこと言って、ふうまくんは 僕がなにも行動しないとでも思っているのか。
止めないと。
………若井を帰したら、だめだ。
すみません、ここから生粋のRじゃないです…
でも多分毎回そんな感じのシーンあります、
楽しんでください‼
コメント
7件
読むの遅れちゃった…めっちゃいいっ!!てか大森さんなんて言われたんだ…!?若井引き止めないといけないんだろうな…どうするんだろ楽しみ
続き待ってました🥹🥹 本当に大好きなんですけどぉぉぉぉぉぉ!!!!
え!かみさま!!てんさいですかっ!!✨️