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4 - (3) プレゼントフォーユー

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2025年03月18日

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いつも通りゴードスです。息抜きなので雑。


「ドスくぅん………?」

ゴーゴリはもう夜も深いのもあってか、できるだけ音を立てず扉を開け、声を押し殺してドストエフスキーの部屋の中を覗いた。

すると、暗闇から低く響く声が聞こえた。

「……なんです?」

声のした方に目を向けると、見事にドストエフスキーと視線が合ったような気がした。ゴーゴリは少し後ろめたくなりすぐ目を逸らした。

ドストエフスキーは今まさに寝ようとしており、それをゴーゴリという青年に予定を狂わされている。

「ワァオ、怒ってる?でももし君の都合が合わないのなら__」

「怒っているように見えますか?」

ゴーゴリが何か言いかけているときに鋭い声でドストエフスキーは話を遮った。怒っている。ゴーゴリは声色から察することが出来た。

「見える。でも君が怒っていないと言うなら怒っていないんだろうね」

「怒っていないとは言っていませんよ」

「じゃあきっと怒ってる」

ドストエフスキーはゴーゴリの調子にまた怒りを覚え爪を噛んだ。ストレスを感じたときによくやる行動だが、これはもう癖になってしまっている。ドストエフスキーは整った姿をしているが、爪が乱れているのでどことなくアンバランスである。

「…要件があるのでしょう?手短に済ませてください」

それでもいつもの雰囲気を保った。

「勿論。ドス君のただでさえ短い睡眠時間を減らすことは出来ないからね」

そう言ってゴーゴリは自分の外套に腕を突っ込んだ。まだいつもの道化師の格好をしていることがドストエフスキーにはおかしく思えた。

「君にプレゼントだよ、ドス君。……ああ、こんな時間になった理由はね、いろんな店を当たったけど全然見つからなかったんだよ」

ドストエフスキーの手に渡されたのはラッピングをしてある縦に長い長方形の箱だった。

ドストエフスキーがその箱をまじまじと見つめていると、ゴーゴリは時間なかったからラッピング雑になったんだよ、とヘラヘラ笑った。そうとは思えないほどにラッピングは丁寧だったが。

「…これ、腕時計ですか?」

「よく分かったねドス君!」

「別に。箱を見れば分かります。ですがなぜ腕時計を?」

するとゴーゴリはその質問を待っていたかのようにもったいぶって話し始めた。

「そう。そこが今回のクイズだよ!!クイズに正解しなくても腕時計はあげるけどね」

ドストエフスキーは明らかに面倒くさがった。不満を言いたげな顔をしている。

「さて、改めてここでクイーーズッ!私はなぜドス君に腕時計をプレゼントしたのでしょーうか!あっ、ヒントいる?」

「…はあ。ぼくは正直やりたくないんですけど。あともう少し静かに出来ないのですか?今は夜ですよ」

「確かにそれもそうだ!あまり声を張り上げないようにしよう!」

ドストエフスキーはゴーゴリを静かにすることを諦めた。

「おやドス君、降参かい?」

「………。ええ、そうですね。今回は降参しましょう。腕時計はありがたく使用しますよ」

その言葉を聞くとゴーゴリは嬉しそうにした。ドストエフスキーを降参させられたことに喜んでいるというよりかは、プレゼントを受け取ってもらえるということが嬉しかったようだ。

「それじゃあおやすみ、ドス君。……そうだ、一緒に寝る?おやすみのキスだけでもいいし_」

「断ります」

ゴーゴリはちぇー、という顔をしながら引き下がった。

ゴーゴリが去って静かになった部屋で、ドストエフスキーは箱から腕時計を取り出して見つめていた。針は2時16分を指しており、1秒の狂いもなかった。


ドストエフスキーがゴーゴリから腕時計を貰った数日後のことだった。そのときドストエフスキーはその腕時計をつけて外出していた。

ドストエフスキーが街中を散策していると、後ろから聞き覚えのある声で話しかけられた。

「久しぶりだねぇ、ドス君」

「久しぶり?貴方、毎日ぼくの部屋に押しかけてくるじゃないですか」

「ハハ!そうだったね!」

ゴーゴリはてへぺろ☆というポーズをした。実際に星は飛んでいるように見えた。

「ところで……ぼく、ゴーゴリさんに外出の予定を伝えましたっけ?」

ドストエフスキーは何かを詰めるような言い方をした。先程まであった平穏な雰囲気が一変して不穏な雰囲気になる。

「ドス君から言わなくても私は知ってるんだよ!なんたって隠密行動が出来るんだからね」

そう言ってゴーゴリは自分の外套ヒラヒラと揺らした。

「…そうですか。やはり隠密行動の専門家はGPSとか使うんです?」

ドストエフスキーは散策中、もしかしたらGPSや盗聴器を仕掛けられているかもしれないという考えがあった。正確にはその考えが頭に浮かんだのはプレゼントを貰ったときからだったが。

「GPS…?まったく、それはドス君の勘違いだよ。私はこの目で君が外出しているのを見たのさ!」

ゴーゴリは左目、つまり仮面で隠れていない方の目を指さした。

「新品なのに時間がぴったり合わせられていたんですよ。あれはゴーゴリさんがやったんですか?ご親切ですね」

元々、ドストエフスキーはゴーゴリが深夜にプレゼントを渡してくるということ自体違和感を覚えており、薄々何か企んでいると感じていた。

「勿論、君に手を煩わせるわけにはいかないからね」

この道化師は、油断ならない。

「おまけに、普段使いできる腕時計ですか。ぼくが日常的にこれをつけていればゴーゴリさんに位置は筒抜けと」

そう言ってドストエフスキーは手首に巻いている時計を外した。そのまま地面に叩きつけようとも思ったが寸前で止めた。

「…やっぱドス君には敵わないな〜!ご明察、その腕時計にはGPSがつけてあるよ」

「あともう一つ聞きたいことがあります。GPSをつけるのなら時間を合わせる必要なんてないのでは?」

「そ・れ・は・ね!GPSをつけることが目的じゃないからだ〜!GPSはついでだよ!僕が君にプレゼントをしたいという気持ちは本物だ」

いつの間にかゴーゴリは仮面を外しており、綺麗なグリーントルマリンの右目が露出していた。

「はあ、そうですか。次は普通のプレゼントを持ってきてくださいね。それなら受け取るので」

その言葉を聞くとゴーゴリは目を輝かせ、ドストエフスキーに飛びついた。

「ドス君〜!!!」

「ちょ、やめてください、あの……か、体が…」

「おや、すまない。ドス君と私じゃ体格差があったね」

ゴーゴリはゆっくりと離れ、仮面もつけ直した。

「あ、そうだ!クイズの答えは私がドス君にプレゼントを渡したかったからだね!」

ゴーゴリのその様子にため息をつきながら、ドストエフスキーは腕時計をしまった。


「ちょっとドス君!!少しは休んだ方がいいんじゃないの!!」

扉の先には、いつも通りパソコンに釘付けのドストエフスキーがいた。

「無理です。今日中に終わらせないといけないので」

普段紅茶を飲んでいるドストエフスキーだが、今日はコーヒーが傍に置かれていた。

「…それにしても、よくここが分かりましたね?」

「それはドス君がまだ腕時計つけっぱなしだからだよ!!」


おわり


なんかよく分からない話になりました。

グリーントルマリンという宝石、とても綺麗なのでよければ検索してみてください…!!

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