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⚠️必ず第一話「星と虹」をお読みください⚠️
「…描けない。星は綺麗だから、みんなに見てほしいんだ…。」
「そうか。…なら、この集めた星を空に戻そう。」
「え…???」
「描いた星たちを手ですくってみて。」
少し驚きつつも、北斗が言った通りに行動した。
「すくえた?じゃあ、息をふきかけて、空に飛ばしてあげて。こんな感じで。」
そう言って北斗は星に息をふきかけ、空に届けた。
絵の具のように繋がっていた星たちが散らばり、空に戻った。
元の位置にあるわけではないけれど、とても綺麗で、どこか懐かしい景色だった。
「…綺麗。」
「それは良かった。
七星はやらないのか?」
「…やる。」
すくった星たちを空に戻した。
空気のように軽いのに、こんなに存在感のある星は、やっぱり綺麗だ。
…これで良かったのか私には分からない。
でも、絶対に後悔はしないと思う。
ふと夜空を見上げる。
さっきまで北斗七星しか残っていなかった空に、少しずつ、星が戻ってきている。
色は消えてしまうけど、星の輝きは
いつまでも、続いていく気がする。
その後も、二人で黙々と
星たちを空へ返した。
「…なんだか、あそこの星だけとっても
輝いてない?」
「…ほんとだ。全部で7個。あの形は…」
「「北斗七星」」
「おお、被ったね。」
「だね。…北斗七星って北斗と私の名前を足した星の集まりじゃない?」
「そうだね。…僕たちの頑張りを認めてくれたのかもね。」
キラリと光った星は、私たちにお疲れ様と言っているようだった。
「ねぇ…」
「ん?」
「今日空を見て思ったけれど、月ってこんなに綺麗なんだね。」
「え?」
「あ、そういう意味じゃないよ!?!?」
「分かってるよ」
月の光ももうすぐ消えてしまう。
いつ消えるか分からないけれど、今のうちに、色があるうちに、世界のたくさんのことを覚えておこう。
4年後。
地上から色が消えた。
目の前に広がるのはモノクロの世界。
草も、家も、全てが白と黒でできている。
ふと上を見上げる。
色が消えたのは地上だけ。
空には今も、鮮やかな太陽の赤色と夜の星のカラフルな色が残っている。
…色は受け継がれていく。
星を全て空に返した日、
私は北斗にまだ残っていた『ハナ』を
見せてもらった。
「ブルースター」というハナらしく、
私の胸元にあるピンバッジと
よく似ていた。
小さくて、可愛らしくて、どこか儚い。
そんな雰囲気がとても好きだった。
もう『ハナ』が受け継がれていくことはない。でも、私たちが、空に色を残したから、色が忘れ去られることはない。
広大な空の空間に残る色は、幻想的だ。
草原はどれほど綺麗な緑だったのか。
川はどれほど綺麗な水色だったのか。
遠くに見える住宅街はどれだけ
カラフルだったのか。
あの時、4年前に見た最後の鮮やかな
景色は絶対に忘れない。
白色に輝く夜の星たちが、
今日も、明日も、いつまでも
私たちを、照らし続ける。
END.
コメント
1件
おお、第3話で完結か…!この世界観、めっちゃ好きだわ。星をすくって息を吹きかけて空に戻すっていうファンタジー感、北斗七星に二人の名前を重ねて見せるところ、グッと来た。「月ってこんなに綺麗なんだね」のやり取りもほっこりするし。そして4年後、地上の色が消えてるっていう展開…想像以上に深いな。空にだけ色が残ってるの、すごく切なくて綺麗。星を全部戻したからこその景色か。この後どうなるんだろうって思ってたら終わっちゃったけど、余韻が凄い良いな。お疲れ様でした、茉雅琳さん!
#魔道具職人
こはる
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