yhj🔞総集編。

鴉の活動時刻。

妖達の危ない寝床はぎしぎし揺れる。

寝台（ベッド）が音を立てると、低い善がり声が寝台（ベッド）の音を掻き消す。腹の奥が疼くだなんて嘘を付いたつもりが、挿れられて仕舞えば本当に成る等都合の善い話に眩暈がした。くらくらと惚ける脳は鎮むばかりで話に成らない。

「ぉｯ゛…♡」

「えっちだね。」そんな一言が欲しい。呟かれるだけで自身の心にゆとりが産まれるのを感じるのだ。感じる。感じる、感じるだけで、ゆとりが有る訳では無いと云う。悲惨な訳じゃ無い。優しい拷問は何時迄（いつまで）続くだろうか。貴方は僕の手を握ってはくれ無いし、僕の頬に手を添えてはくれ無い。ただ、強引に僕の息を詰まらせて、唇を添えて、重ねて、唾液で染めて。

「はｯ、はぁ。」

顔が近く成る。近く、近く、もう駄目。云わせてはくれ無いと判って居る別れ言葉を今日も又、云い損ねた。最低な夜に添えられた紅薔薇の花弁が今、丁度散ったと想った、だけ。寝台（ベッド）の敷布（シーツ）が紅く染まって、激しく、痛い。未だ生けて有る紅薔薇を視て、彷彿とする二つの感情をごりゅごりゅと刺激する貴方の其れが愛おしい。

激しい。愛されている。苦しい。

「ぁｯ…゛ｫ…？♡ひｨ.ｯ゛＿ｱ♡♡」

「今日の女の子は、気持ち善かった？暗さん。」

さぁ、どうだったか、忘れてしまった。

女の味等、一々憶えて居る筈も無い。

全て同じ味に感じる物を無心で貪るのはそう。

感じる感じ無いでは無く、

やらなければ終わらない。

其れだけ。

まぁ、貴方が納得なんてしないだろう。

其れで善い。

其れだけ。

「ぉおｵｵｯｯﾟ_“♡゛んぅ.゛ｫｱ..ｯ゛゛♡♡」

腹の奥で暴れる其れを皮一枚隔てた場から撫でた。すると動きが止まり、今度はずるずると後退して行く。何処に行くんだ。そう云い切らぬうちに飛び付き、帰って来る。

「ひｨｯ゛あｯ、あｯｯ.あｯｯ ‘＿⁈⁈♡」

「いく’ｯ、! いくｩﾟｯ゛‼︎♡♡」

勢い善く噴き出す。きらきらと揺らぐ世界に今日はもうさよならを告げたい。「僕が未だでしょ。暗さん。」甘い吐息に名前を得意げに云う姿には確かに…まぁ、そうか。

「暗さんはさ、名前を呼ばれるのが好きなんですよ。僕は知って居るから。穢れた貴方を好いて居て上げるんです。僕は。」

「はーｯ、゛♡はｯ、ﾟ＿はｯ..ひゅーーｯｯ゛」

「暗さん、僕は名前を呼んで上げる。暗さんは僕の名前なんて、呼ばなくたって善いからね。暗さんは知ってると想うけど、貴方と暗さんはしっかり違う意味が有るんですよ。」

雑音混じりに訊こえそうな小さな声にそっぽを向いた。そう云う時にだけ、接吻（キス）を交わしたがるから、困る。深い、不快、接吻（キス）に、僕を触れさせる貴方に嫌気と好意が交差した。僕を触れてかぶれた貴方の腕を視て、僕は其のただの腕を、振り解いた。

氣にしない貴方は好きですよ。

舌で蹂躙された僕の口。舌が互いに離れ様と繋いだ手を解くと銀の糸が垂れ、地へ消え染みた。すると、後孔と繋がって居る彼の陰茎が又馴染ませる様に何度も注挿し出した。淫猥な氣配は消える事を知らぬだろうと、想えば願い叶ったり。咽び泣く自身がそんなに可愛いだろうか。やめてやめてと良心に縋ろうとする自身が面白いと云わんばかりに否の言葉を吐く度々に彼は烈しく、されど丁寧に成った。淫靡な夜は決して暖かい暖が取れる物では無いと知って居る。昂った彼の表情に自身の否は次第に消えていった。自身の腔はもう彼の陰茎に擦られずたぼろで痛みを訴えて居る真っ最中だと云うのに。

「はｯ…はぁ..達くｯ゛♡」

期待する。やっと彼の精子を自身の腔に感じられる事を嬉々に待った。一瞬。ずるり。と彼の陰茎は自身の狭苦しい後孔から脱し、眼の上で、達して魅せた。先まで自身の最奥で嬌声を上げさせて居た其れが自身の眼の前に有る事に混乱は、しなかった。自然と腰が仰け反って、自然と腕が自身の後孔へ伸び、指が驚く程するりと挿入るのを確認した。彼は自身の精子で汚れた自身の顔を視て、「ばっちいね。」と一言云い放った。「舐めても善いよ。」莫迦（ばか）げた事を。なんて、想わない。困惑はしない。素直にそうすると、彼は満足そうに無邪気に笑い、自身の手を取り、後孔に入って居る指をすぽんと抜いた。

「そんな事して無いで、後片付け…御願いしますよ。暗さん。」

巨根を自身の顔に擦り付けられる。凄まじい臭いにくらり。朦朧とする意識を高め、其の陰茎に舌を這わせる事無く、頬張った。

「ぉ゛えｯ…”♡んｩｯ.ふぅ゜＿♡♡」

「下手くそですね。」

五月蝿い声が耳に纏わり付いて、邪魔だ。それでも、夢中で甘噛みしてみたり、舐め回してみたり。どれもこれも、何を試しても彼は声一つ上げず、達する気配は無い。其れはそうだ。先程達したばかりだと云うのに、此短時間で又達せられる者はそう居ない。然し、自身の陰茎と腔はきゅんきゅんと悲痛に泣き喚いて居る。「終わらないね。此れ。」嘲笑う様な口調。己、糞餓鬼め。腹が立つ。

「もう善いですよ。」

「ぉぐｯ゛＿゜.ｯｯ♡♡」

半ば無理矢理に陰茎を離させる彼。気持ちが悪い。吐きそうだ。 「ぷぁｯ”ｯ゛…ｫ.げぇｯ、げほｯｯ゛…、ぉえｯ。」ぐっぐっ。彼が自身の腹を強く押す。「ぁ゛ｯ＿’ｯｯ⁈、やめｯ゛ｪ.ｯ」ごぼっ。口から液体が吐き戻される。あまりの気分の悪さに意識が遠のくのを感じると、確かに彼の腕の中で眠った。と、想う。

ーー次の日の朝。

彼は居なかった。何処にもだ。

書き置きを残して、忽然と、姿を眩ました。書き置きには「仕事に行きます。一さんに遅れる事を、伝えておきますね。」達筆な文字で、たった其れだけ。深夜、色々と汚してしまった敷布（シーツ）を視ると、きちんと綺麗な物に成って居た。自身は愛おしく腹を撫でた。痛く無い。其れは当たり前な事で、とても、虚しい事。自身は重く鈍い痛みに耐えながら腰を上げ、風呂に入る準備をした。仕事に行かなければ。仕事に行って、今夜も彼の相手を、しなければ。色付き眼鏡で隈（くま）を隠し、其のまま風呂へ入った。風呂場の大きい鏡には眼鏡なんて掛け様と隠し切れない身体の跡が、凄く、痛々しかった。