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雨が降り続く朝、彼女はいつものようにカーテンの隙間から外を眺めていた。
傘の間から見える服は、見覚えのある制服ばかりだ。
その人たちが、こちらを見たような気がして
彼女は慌ててカーテンを閉じた。
ハンガーにかけられている制服は、使われないまま数日が経っている。
階段を上る足音がする。
一定のリズムを刻みながら、こちらを追い詰めているようにも聞こえた。
その音が止まった後、ドアをノックされた。
ドアの奥から声が聞こえる。母の声だ。
「美奈?聞こえる?今日は学校行けそう?」
「──ごめん…」
「…そう」
不安そうな母の声が止まる。
その声が、彼女の心臓を強く締め付けた。