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俺はこの町に住んどる野良猫やでぇ!

俺の自慢はなぁ、この綺麗な桜色のおめめや!

どや、可愛ええやろ〜?


春も近ずいてきて暖かくなってきたし、町をぶらぶらしようと思ってん?

そしたらなぁ、可愛ええ10才くらいの女の子につかまってもうてんなぁ…

んで、今に至るってわけや…ほんまついてへんわ……。

「ねぇ、名前はなんていうの?」

うーん、名前かぁ……特にないねんなぁ……

「にゃぁ〜」

「…私がつけてあげる!」

ほぅ……それはありがたいなぁ

「にゃあ〜♪」

「そうだなぁ……」

「シロとかどう!?︎」…………。

「にゃあ!!」

まてまてまて!!

なんやその安直なネーミングセンスは!!

「えっ、気に入らなかった?」

「にゃあぁ〜!!」

「そうかなぁ……」

……でもまぁ、せっかくつけてくれた名前やしなぁ……しゃあないか!

「…にゃあ!」

「よしっ!じゃあ今日からあなたの名前はシロね!」

こうして俺は新しい名前をつけられた。

そしてその子と友達になった。

「私、さくらっていうんだ!よろしくね!」

「にゃあ〜」

うん、いい子やんけ。


〜数日後〜


あれ以来、毎日のようにあの子と遊んでいる。

ある日、いつものように2人で公園に行った時だった。

「あっ、ねこちゃんだ!」

「ほんとだ!可愛いね〜」

そんな会話をしている女の子達がいた。俺も人間やったら一緒に話せるんやけどなぁ…

「…あのね、この猫のお名前!シロだよ!」

「へぇ〜そうなんだ!素敵な名前だねぇ〜!」

「でしょでしょ!私がつけてあげたの!」

「にゃぁ〜ん…」

なんか急に恥ずかしくなってもうて…

俺はさくらちゃんの方に駆け寄った。

すると彼女は微笑して

「ん…どうしたの?」

……なんでもないよ

「にゃぁ…」

その時、彼女が一瞬悲しそうな顔をしていた気がしたが、


俺は気のせいやと思い込むことにした。

それからしばらくして、彼女は引っ越したらしい。

彼女と出会ったこの場所には今は誰もいない。

少し寂しい気持ちになったが、その分沢山の思い出ができたから、別に良いだろう。

「にゃあん」

またいつか会えたらええけどなぁ……。

まぁでも、あの子は元気でやってるやろし、きっと大丈夫や……。


ーーーーーー数年後ーーーーーーー


その公園の桜の木の下に小さな白い花が咲きました。

それは一輪だけひっそりと咲く花でした。

しかし不思議と目立ちません。

ただ咲いているというより落ちているような姿で、

誰かが水をあげなければいつの間にか消えてしまうような花でした。

それでも春になると、白髪で、桜色の瞳をした男の子がその場所に毎日水をやりに来ます。

彼がそこに行く理由はただ一つだけです。

なぜならその花は昔出会った女の子に似ている気がするから。

だから彼は毎年同じ季節にそこを訪れます。

さて、そんな不思議な出会いをしたシロ君とその子はどうなったでしょうか?

それは誰にもわかりません……。

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