テラーノベル
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三者三様。
それぞれ、別方向の人気を獲得した上司陣。
一方その頃、厨房では。
「くまさん♡オムライス…12個」
「一旦注文締め切りませんかせんぱぁぁぁぁぁぁいっ」
「よし!もう店ごと消し飛ばしましょう!」
「四宮が闇落ちした!!」
「うーん、私の斧じゃ力不足ね…ここは亜白隊長に頼むしか…」
「そこじゃない!!絶対にそこじゃない!!」
「なぁさっきからなんで厨房から物騒な単語が聞こえてくるん?」
「副隊長!」
「四宮ならやりかねんのが怖いとこだな…」
「鳴海隊長!?」
「阻止する」
「さすが亜白隊長…」
「四宮の斧で破壊すると時間がかかるし、私の砲撃でやると周りの建物も巻き込む。やはりここは保科の刀で行こう」
「なんでそっち側やねん…」
もうツッコむ気力もない保科。
「できない、とは言わないんだな」
「それは怪獣討伐の時に聞きたいセリフですね」
「なんの会話だよ」
本日限りの常識人、鳴海が代わりにツッコんだ。
もうボケ5ツッコミ1の構成に疲れ、役割を手放しかけている保科に代わって鳴海が役割を引き継ぐ。
なにやってんだ防衛隊。
「…疲れた…」
「「「「「!?」」」」」
全員が凍りついた。
「副隊長が弱音!?」
「世紀末!?」
「休んで下さい!!」
「…もう休め」
「そうしろ」
「なんや僕が弱音吐いた瞬間皆ボケんのやめますやん」
「珍しいからな」
「おもろ…僕が言い出すまで誰も気づかへんのは大問題やからな?」
「ちょっと私達、副隊長に頼りすぎてたわね」
「なんで急に一致団結するねん…w」
控室と同じくバカ狭い厨房に集まって話していたメイド達は客の話し声で我にかえる。
「…あれまたサボっとるやん」
「無意識でねぇ…」
「さぁ日比野カフカ!レノ!始めるわよ!」
「「了…解にゃん!」」
「今じゃねぇっつってんでしょ!!」
キコルがおっさんに肘打ちを食らわせたところで。
「ほな行ってくるわー」
「副隊長!?」
「行くんですか!?」
「これ仕事ですから」
「お前は本当に休んだほうがいいと思う」
「鳴海隊長がそんなこというなんて珍しいですねぇ。…メイド服で言うても説得力ないでw」
「うるさい!!人が心配してやってるんだから感謝しろよ!!」
いつもの賑やかな犬猿が戻ってきた。※猫耳付き
定期的にほっとかれるで定評の防衛隊メイド喫茶。
『あ、また裏で副隊長と隊長たち揉めてる』
『かわいいから待つか』
くらいの感覚に陥った客が大多数をしめていたと言う。
犬猿2人がわちゃわちゃしているのさえ尊いと肯定されているらしい。
…なぜ。
かくして、多忙を極めたメイド喫茶のアルバイトは刻々と終わりに近づいていき、一日限りの従業員全員が待ちわびた閉店のお時間がおとずれた。
皿の後片付けをする新人三人組。
机を拭く上司陣。
いずれも無言・無表情を貫いていた。
客が引き、一気に静かになった店内。
一番先に静寂を破ったのは、意外なことに亜白だった。
「…皆、ご苦労だった」
とても疲れた顔をした保科の肩に手を置く。
「…亜白隊長こそ」
机を拭いたふきんを回収しながらかすかに口元を緩ませる。
「てか僕より新人共を気遣ったほうがええんちゃいますか。さっきから厨房から何も聞こえへんねんなぁ」
静まり返った厨房。
なびかないのれん。
猫耳が一つ床に落ちていた。
床に猫耳を投げつけたやつの気がしれない。
「誰だ、叩きつけたのは」
「…さぁ」
ひそかに笑いをこらえる。
おおよその予想はついていた。
亜白が、後片付けに集中していた元猫メイドを招集してねぎらいの言葉を掛ける。
解散、と言われた瞬間に猫耳を床に叩きつけるキコル。
猫耳をゆっくりと外し、手に持っていたゴミ袋に入れるレノ。
カフカは厨房の床に落とした猫耳を取ってきてレノと同じくゴミ箱に入れる。
なぜかもうメイド服も猫耳も外している鳴海。
亜白は、意外と気に入ったように外して首にかけた。
「外さないのか」
ぼんやりとそれぞれが猫耳とメイド服を処理する様子を眺めていた保科に声を掛ける。
「え…あぁ、外しますよ、もちろん」
机の上に猫耳を置く。
「…あーやっと終わったわ〜」
「そうだな。…大変だったか?」
「そうですねぇ…まぁ、いい経験になったんとちゃいますか」
「それは何よりだな」
その時。全員のスマホが鳴った。
防衛隊上層部からのメッセージ。
要約すると、
『大盛況で良かったネ!!てことで、あと一日くらいやってくれると嬉しいなぁ\(^o^)/』
これがおえらいさんから送られてきたのである。
翌日、上層部に6台のスマホの弁償請求が送られてきたのは言うまでもない。
ちなみに、インターネット上に大量に出回った今回のメイド喫茶の写真。
我に返った第3部隊が見て爆死し、防衛隊の勢力を上げて抹殺作業が行われたらしい。
保存してある機器ごと爆散するアプリが覚醒した保科&鳴海の手によって開発され、世界中で突如スマホ・パソコンが爆発する事件が相次いだそうな。
そして反動で今回、猫耳メイドをやらされた者達は何日か出勤を拒否したらしい。
ドキンガシャ東京のパインだ
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コメント
1件
読み終わりました!いやー、防衛隊メイド喫茶、最後まで大騒動でしたね(笑)。厨房から「消し飛ばす」とか「砲撃」とか完全に戦場と化してて、でも保科副隊長が弱音吐いた瞬間に全員が本気で心配し始めるギャップが大好きです。鳴海がツッコミ回収したり、亜白隊長が珍しく労ったり…あの日常の空気がじんわり染みました。上層部へのスマホ弁償請求とネットの写真抹殺作戦、最高のオチです。楽しかったです、ありがとうございました!