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こんな夜には_ ↬ gtky
ky ↬「 」gt↬『 』
※短い
※仮面舞踏会
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『こんにちは』
「…」
俺は慣れない場所、慣れない相手にパニクってしまうのを避けるために会釈だけを相手にした。今日話しかけられたのはこの人が初めて、なんだけど…
『…ここに来るのは初めて、ですか?』
なんかこの人どっか行かないんだけど!?
「っ、はい…」
『怖がらなくて大丈夫ですよ、何もしないので』
「ぁ、はい…」
そういうこと言う人こそなんかしてくるんですけどね!?
グラスの中のワインを一口も飲まず、くるくると回して揺らす。もう既に帰りたい。招待されたから行かなきゃ、って思ってきたけど…することねぇし。隣にずっとこの人居座るし。なにかのワルツだろうか、 穏やかな音楽が耳を通るように流れる。辺りを見渡すと女性と男性はペアを組んでダンスを踊ってる。いつの間にダンスが始まっていたのだろうか、まぁ俺には無縁な話。ていうか踊ってる人、仮面つけてるけど楽しいっていうのはよくわかる。カップルで踊ってんのかな。俺ボッチで来たんですけど。
『…良かったら一曲踊りませんか?』
「へ、っ…いやいや、俺踊れないですし…男と男で踊ってたら視線が…」
『俺は気にしませんし、エスコート致します。』
「ひぇ、」
『?』
こんなん断れないやつじゃん、相手わかってないみたいけど。
『お相手がいるなら引き下がりますよ』
「ぇ”!?ぁ、居ませんけど…!?」
『なら…宜しいでしょうか?』
「う”っ、はい…」
焦ってしまって相手はいない、と言ってしまった…こんなことならいるなんていえばよかった…かと言っていないし、
『お手をどうぞ、
キヨさん。』
「へ、」
なんで、名前知って…
「うぁ、っ」
手を取ったと同時に腰に手を巻かれ、彼の元に寄せられる。
「ゎ、っ…//」
顔近っ、スタイル良、エスコート上手、
『大丈夫、落ち着いてください』
片方の手をとられる前に口にちょん、と人差し指を置いて彼はふっ、と笑う。何故だろう。名前も知らない、顔も仮面で分からない人なのに、なんでこんな…
ドキドキしてんだよ…
「ぁ、っわ…」
『大丈夫、何も失敗してませんから』
くるくる、とゆっくり回ったり少し横に揺れながら踊る。踊ったことなんて一つも無かったせいで慣れないけど彼が凄くエスコートをしてくれてるお陰で何も失敗とかしてない。…視線は痛いけど、
『…素敵ですよ』
「ひぁっ、//」
周りに聞こえないように話す為か耳元で話される。息で耳がこそばゆい、なんなんだこの人…すげぇ、安心できる。
でも、こんなの何回かしたことあるんだろうな。俺に『初めてですか?』とか聞いてきたし…
あ~ぁ、なんだこれ…ドキドキしてたはずなのに今はずっと胸が痛い。ズキズキする。
ダンスが終わり、さっきいた場所に戻る。彼はずっとエスコートしてくるけど。
「…」
『我儘でしたね、すみません。振り回してしまって』
「へ、そんな訳ないじゃないですかっ、」
『え?』
「そ、っその…なんて言うか… 楽しかった、です…//」
時計に目を移してみればもうすぐ0時を回りそうになる。
『…こんな夜には_』
「?」
『逃げてみませんか?』
「ぇっ、?」
手を差し出され、俺は困惑する。
『こんな場所、貴方には窮屈でしょう?』
「ぁ、っ…」
本心を貫かれたように反応をしてしまう。本音を言うとそうだった、こんな広い場所に一人ぽつんと突っ立っていたし…何もしようと思えなかったし。ただ楽しかったのはこの人と居た時間だけで…
『…すみません、ただの戯言で…』
「ぃ、!」
『っぇ、』
「行きます、っ…俺、っ貴方のことっ…もっと知りたい…です、っ//」
俺は不意に彼が後ろに回そうとした手を取った。自分でも不本意だった、ただの俺の我儘だと思って居たから…でも、彼の手を振り払いたくなかった。手を取ってみたかった、その先を見てみたかった。ただ、それだけ。
彼は俺の手を包むように手を被せる。こそばゆいせいで俺は少し喘いでしまう。
「ひ、っぁ…// 」
彼は手をぴたっ、と止めて停止する。俺は恥ずかしすぎて顔を横に向けて視線を逸らす。
やってしまった。何喘いでるんだ俺は、彼の事が知りたいって言うだけで誘ってる訳じゃないんだからな!?(フラグ)
『…ね、キヨさん』
「は、っ?」
腰をいつの間にか巻かれ、ぐっと寄せられ、距離が縮まる。彼の目の色が確実に変わってる。あれ、っ…これ、
傍にあったカーテンを彼はばさっと浮かせ、俺たちはカーテンの中に入る。周りに気づかれてはいると思うが今はそんなことを考える暇もなかった。
「ぇ、っちょ_」
困惑で思わず声を出すが頬に手を添えられ、口を塞がれてキスをされる。
「んぅ”っ!?//」
『しー、っ』
一度口を離されたかと思えば彼は静かに呟いて口をまた塞ぐ。さっきとは違う深いキスで。
「っ、”ぅ、//」
終わったかと思えば唇やら舌を甘噛みされる。
「っ、ふ…ん、//」
『ふふ、可愛い…』
「へぁ、っ”…//」
彼は口を離してカーテンの外に出る。俺も出たはいいものの周りからの視線が…
『では、』
彼は話し始めたかと思えば俺の手を引いて出口へと歩く。
『逃げましょうか、♡』
「はいっ、♡」
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なんですかねこれ、ロマンティックを目指したのにあまりできませんでした。後のお話は皆さんのご想像にお任せします…(体力が尽きた)
gtkyって地味にむずい。
次回 ↬ おやすみ、今世。おはよう、来世。
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